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AIの実用化の話

人工知能とかAIみたいな話は、私が子供の頃からあくまで夢の技術、架空の話、マンガや映画の中での話だったのですが、ここ最近にわかに現実世界に入り込んできた印象があります。ここからAIについての豊富な知識と的確な考察が展開されたりすれば、非常に価値のあるテキストになるんでしょう。

しかし、私はデジタルものに興味はあって自分なりに活用しているつもりですが根っこのところで昔のアナログ感覚が抜けない昭和マンなので、そんなオッサンの感じたことという話になります。有益な話を期待すると損しますが、ひまつぶしとしてはソコソコ、そんなテキストを目指してがんばります。

我が家にはスマートスピーカーみたいなものはありませんから、AIっぽいもので唯一私が触れる機会があるのはiPhoneのSiriです。使おうとして使うというよりも、テレビの音声に勝手に反応することの方が多いというレベルですけど。

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気を利かせたつもりなんでしょう。テレビの声とかに反応して、ピロンと音がなって、何かと思ったらこのアイコンがシュルシュル動いていて「なんだ君かいな」みたいな。このアホさ加減が少しかわいくもあります。それにしたって私と君は毎日一緒にいるわけで、声が違うということくらいは気づけよと思います。

私の声の識別というところはまあいいとしましょう。もっと困ったちゃんなのは言葉そのものの識別のガバガバ具合です。シーマンよりも劣ると思います。

「ヘイSiri、バッドフィンガーをかけて」
「電気グルーヴのスネークフィンガーを再生します」
・・・わざと間違えてないか?

「ヘイSiri、ストーンズをかけて」
「ビーチボーイズのストークトを再生します」
・・・渋いにも程があるだろう。

間違って選んだ曲がいい曲なもんだから、希望した曲とは違うのについつい聴いちゃう私も私。こういうことをしてるからナメられるのかな。

それから、私はiPhoneで音楽を聞く場合はサブスクは一切使わず、本体に保存している音楽ファイルをもっぱら使うので、それがSiriのお気に召さないようで音楽をかけるたびに「~はApple Musicで見つかりませんでした」と怒られます。でも、怒った後に「仕方のない人ですね」的に、ちゃんと保存されたライブラリから曲を再生するあたり、かわいいヤツです。

シーマン以下のミミヘンですが、アーティスト名や曲名を聞き取ってもらえた場合は、1曲再生してくれる機能は確認できました。アホなりにけなげに頑張っていると褒めて良いのか、アホなふりして私をからかっているのか、判断が難しいです。

音楽再生以外を試してみると、アプリ名を正確に発声すればアプリの起動まではやってくれることが確認できました。しかしアプリ内操作は結局手動でやらないとダメみたい。

ツーリングサポーターというナビアプリを開いて「~までルート検索」と指示すると、ツーリングサポーターが今まさに開いているにもかかわらずそれを使わず、最初から入っているマップアプリでルート表示してくれます。直前に行ったツーリングサポーターを開いたという行為をもう忘れているんです。3歩歩くと全て忘れる鳩か。

プライムビデオを開いてもらったら、おすすめ動画に藤子不二雄の「さすらいくん」があったので、見たいと思って「さすらいくん」と呼びかけたら、それならおまかせくださいと言わんばかりのドヤ顔で「奥田民生のさすらいを再生します」と。いやいや、そうじゃないんだけど・・・いい曲ばっかり間違えて選びやがって。聴いちゃうじゃないか。

Siriに赤いきつねを頼むと、出してきてはくれるけどお湯を沸かして注ぐまではやってくれないようなものです。

私の呼びかけ方に問題がないとは言いませんし、Siriに適した言葉の使い方というものがあるんだろうということは重々承知です。しかし、私が子供の頃に想像していた人工知能とは程遠いアホさです。そこが可愛げになっているあたりがまたにくたらしいです。

2001年宇宙の旅のHALは映画タイトル通り2001年に作られると想像されて生み出された架空のAIですし、鉄腕アトムの誕生は設定では2003年だそうですよ。

HALやアトムだったら、間違えて絶妙にいい曲を選んで聴かせるなんていうこともないでしょうし、ちょっと学習すればたとえば「ハートブレイカーをかけてって言われても、ハートブレイカーって曲は山ほどあるんだけど、誰のハートブレイカー?」くらいまで言ってきてくれそうです。それはそれでイラっとくるか。

とにかく、Siri程度では昔のクリエイターが想像したAIに到底追いついていないということです。

HALやアトム、インターステラーの四角いロボットみたいに、仕事しっかり、ユーモアや人間っぽさもあるよ、というのものが想像されていたAIの完成形ですが、現実のSiriはドジっ子要素の可愛げだけが目立っています。

このあたりが技術の限界なのかと思うと同時に頭をよぎることは、あまりに優秀なAIをスマートフォンに搭載してしまうと、アルティメットSiriが催眠音波を出して人間を操ってしまい、ターミネーターみたいなことが勃発するというような恐ろしいシナリオです。

正直、T800に追いかけられて逃げ切る自信はないし、T1000が来てしまったら近所に溶鉱炉もありませんから助かる見込みがありません。だから、ドジっ子AIくらいにとどめておくことが技術発展と安全のバランスとして丁度いい落とし所なんだと思います。

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