誰にも答えがわからない『ヴァイオライト』

考えすぎて頭がおかしくなっちゃった

どうもみなさん、maです。
先日、『25時のバカンス』という市川春子先生の短編についてお話ししたのですが、ついに買いましたよ。『虫と歌』。

その中でも特に意味がわからないとネットで話題(話題になるほどレビューされてなかったようですが)の『ヴァイオライト』という作品についてお話ししようと思います。

例に漏れずアホみたいにネタバレをしていくので、ネタバレいやだよ〜という方は読んでから戻ってきてくださいね。

必ず。

戻ってきてください。

ではいきましょう。

一番気になるタイトルについて

タイトルでもある『ヴァイオライト』という言葉についてなのですが、
色々調べてみたところ関係ありそうな言葉がいくつか出てきました。

ただ私の学がないせいかどれも結論には至ってません。これを読んだ頭いい人のヒントになればいいなと思いながら、備忘のために書き起こしておきます。

スミレ=violet

一番シンプルというか、天野すみれの名前にもあるスミレという花が語源という説。

スミレは英語でvioletといいます。
それに雷を表すlightを合わせた造語。

まあ、無難ですね。次。

ion lithos

アイオライトというスミレ色をした宝石。

この名前を見た時はこれじゃん!ってなりました。

アイオライトの石言葉は「道を示す」「人生の道標」だそうです。

まるで海における灯台みたいですね。

灯台に向かって歩いていけば大丈夫と、安心してしまうものですから。

わからんくね。普通に。

それっぽい考察というか、元ネタみたいなのを調べ回ったのですが結局断定できるものはありませんでした。

昨今のアフィブログみたいな締め方してすみません。

春雷

スミレの花は3〜5月ごろ、春から初夏にかけて開花します。

ということは天野すみれを雷と仮定した場合、彼(彼女)は春雷ということになります。

春雷は冬眠していた虫たちがその音に驚いて目覚めるという意味から「虫出しの雷」とも呼ばれます。

だからスミレは気づいたんでしょうね、飛行機の音ではないということに。

こういう細かい小ネタ(小ネタというと表現がかなり安易になりますが、他に適当な言葉が思いつかないのでそのままにしておきましょう。)大好きです。

貴方は何も知らないね。


市川春子先生の描く人外って全人類好きだと思うんですけど、どうしてあの人はそんなに人外に対する解像度が高いんでしょうね。

あの人が人外だから…おっと誰か来たようです。

冗談はさておき。

最後の雷が灯台の近くを通った船に当たり、少女が打ち上げられています。

それを天野すみれ(と思われる、打ち上げられた少女と同じ制服を来た女の子)が手を差し伸べるわけですが、その時にすみれは未来を探しているような素振りを見せます。

水に溶けた砂糖は、元には戻らないし、

灰になった人間も、元には戻らないんだよ。

おわりに

結局『ヴァイオライト』という作品について、まともな考察はできなかったわけなんですけど、市川春子先生の世界観を考察しようだなんて人間には烏滸がましいのかもしれません。

触れたいけど触れることができないもどかしさ。

それでもどうにか繋がろうとするふたり。

市川春子先生は人間と人外を描くのが本当に上手で、市川春子先生自身がそのテーマでたくさんの作品を出しているのにそれらひとつひとつが全く違うアプローチで表現されています。

深い深い市川春子先生の沼へと、どんどん引き摺り込まれていきます。

どう生きたらこんな作品生み出せるのだろう。

では。

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