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ジェンダー班①

 第1回カンファレンスでは、メンバーそれぞれの経験から「男らしさ」「女らしさ」が日常に無意識に溢れている現状を問題と捉えました。解決策を検討する過程で、幼少期の時点から「普通の」ジェンダー観が無意識のうちに刷り込まれていくのではないかと考えました。そこで、私たち自身どういった媒体やモノにそれを強烈に意識させられたかを整理したところ、幼少期から私たちの身近にあり、触れる機会が多いおもちゃや絵本と、テレビやCMといったメディアが、幼少期のジェンダー観の形成に大きな影響を与えるのではないかと感じ、これら2つの観点からのアプローチが有用なのではないかという仮説が生まれました。

 私は、おもちゃのチームの一員として議論を始め、その過程で以下のプレスリリースを見つけました。これは、ジェンダーニュートラルなおもちゃを製造販売するピープル株式会社様の取り組みについてまとめたものです。
【おもちゃとジェンダー】小学1年生とおもちゃを発明したら、ジェンダーもSDGsも超えた「みんなに」優しいおもちゃアイデアが生まれた! | ピープル株式会社のプレスリリース
 記事を読む中で、小学生とおもちゃを共同開発するという、ピープル株式会社様の特異的な取り組みのきっかけに興味を持った私たちは、アポイントを取って取材をさせていただく運びとなりました。取材に応じてくださったピープル株式会社様とお話しさせていただいた内容を、以下に少し共有します。

まず、プレスリリースの内容に関して、子供たちとおもちゃを共同開発するに至った経緯を伺ったところ、子供の好奇心が弾けるおもちゃを作りたい!大人のバイアス抜きで子どもの好奇心を知りたい!という強い思いから、共同開発というアイデアに至ったということです。
そもそも、ピープル様がこのように子供の好奇心を大切にされているのには、あるきっかけがあったそうです。それは、ピープルの社長の息子さんがぽぽちゃんで遊んでいたところ、周りの子供達から揶揄われてしまったことがあり、社長はこの出来事を通して、社会が押し付ける「ジェンダー規範」が子供の好奇心に蓋をしてしまっていることに大きな危機感を持ったと言います。そこから、子供の好奇心が弾けるおもちゃを作りたい!という思いを、おもちゃ作りにあたって大切にされているということです。
次に子どもがジェンダーに関係なくおもちゃで遊べるために、親及び私たち大人にできることを伺いました。返ってきたお答えは以下の三つです。

①子どもの好奇心を大切にすること
②子どもが選べる空間を尊重すること
③色々な世界を知ること

①は、子どもと接する際に大人のバイアスを抜いて子どもの関心に任せて遊ばせてあげることです。②は例えば、男の子に強制的にお人形で遊ばせるのではなく、男の子が「お人形で遊びたい!」と言ったときに遊べる選択肢を作ってあげることが当てはまります。③は、親自身がLGBTQや障がいのある方々など、社会には色々な人がいるということへの理解を通して、そのような選択肢を受け入れられる可能性が上がるかもしれないということです。
子どもに対しての働きかけである①②は意識する方も多いかもしれませんが、大人たち自身への働きかけである③は気が付かない方も多いのではないかなと思います。既にバイアスが入ってしまっている大人の意識を変えることは、そう簡単ではないかもしれませんが、お話を聞いて視野を広げることは意識を変える大事な一歩だと気付かされました。私たち大学生も、これから親という立場になっていく身として、少しずつでも意識を変えていくことが必要であると感じました。

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