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シベリウス 交響曲第6、7番を聴きながら

北欧の中でも一番極東に近い国、フィンランド出身のシベリウス。シベリウスと言う名からもシベリアの寒々しい光景を想像させる。冬が長く、雪の中での生活と長い夜で、静かで落ち着いた雰囲気をイメージさせる。

シベリウスは、交響曲第二番、バイオリン協奏曲、フィンランディアを好んで聴いていたが、それ以外、ましてや交響曲6、7番をしっかりと聴いたことはなかった。
最近作成したFE126NVのバックロードホーンが、低域の広がりを格段に上げてくれたお陰で、今まで忘れてたレコードを引っ張り出して聴くと新たな発見をして聴き入ってしまう事がある。今回もそのパターン。

曲調は、マッタリとして、決して覚えやすい曲の流れとは言い難いのだが、冬の真っ白な大雪原の静けさの中に、耳を澄ますと自然の中の動物、植物、光、それらが織りなす音を聴いているようで、心地よさを覚える。
特に、私好みの低域が曲全体に広がりをもたらし、大自然の中に包まれているような感覚になる。

ところで、若い頃はフィンランド人の事はよく知らなかったのだが、一度ヘルシンキへ旅行した事によって新しい発見があった。
一番感じたのは、親切で人懐っこい人柄の人が多いと言う事。何か尋ねても、尋ねた以上の色々な情報を嬉しそうに教えてくれる。きっと、人生を心豊かに暮らしており、人に優しく接してくれるのだろう。何か、日本のひと昔の田舎に旅行したような、安心感を思い出した。知らない街を旅するにあたりその街で出会った人に優しくしてもらうと、居心地の良さを感じてもう少し長くそこに滞在して、その土地の文化をもっと学んでみたくなるものだ。
冬が長いせいかもせれないが、街並みは小ぢんまりとして、それほど派手なところはない。しかしながら、落ち着いていて、小綺麗でセンスが良い。確かに、マリメッコやイッタラなどのシンプルでセンスの良いデザインを見るとその国民性に納得する。

今度、フィンランドへ行く機会があったら、シベリウスの曲の中の世界のように、白銀の白夜を見渡せるような、ラップランド地方へ行ってみたいと思う。

追伸:
忘れていたが、我が家はフィンランドパインで作ったログハウスであった。
これから少しフィンランド贔屓になってみようと思う。