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吾輩はまめたである(総集編)

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僕、まめたは2018年6月に生れた。

本当は、7月に生れる予定だったけど、お腹の中にいつまでも居るのは退屈だし、ワールドカップ(2018年6月14日から開催)も見たかったので、早く出てきた。

これからは両親が育っていく様子を、こっそり書き記す。

時間があれば読んでくれると嬉しいな。
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まめた2歳


2020/11/26(木)
寒くなり毎朝布団から出るのが辛い。それはパパ、ママも同じようだ。これまでは5時半に起きていたのが、二人とも6時を過ぎてやっと起き上がる。パパは夜中に起きてトイレにいって、また寝るために戻って来ることもある。なんとも間抜けな事だ。

寝ぼけまなこをこすりながら、朝陽が登るのを見るのは楽しい。今日はオレンジだね、とか黄色だねとか、朝陽にもいろんな色がある事をママが教えてくれた。今朝は色鮮やかな朱色で、僕はピザトーストのケチャップを思いだした。
パパが作ってくれるピザトーストは品質が安定していない。この間はチーズが少なくて文句を言った。僕が食べやすいように4等分にするのを忘れてママがガミガミ言う事もある。さて今朝の出来は…
チーズが多すぎ!

保育園の玄関で靴をパパに脱がして貰ってると、朝食のピザトーストが歯に挟まっているのに気がついた。
気になると、いてもたってもいられない。
パパに早く取るよう訴えるが、上手く発音が出来ない。パパは恐ろしく勘が鈍いため、ノンキに「どうしたぁ、まめたぁ。ちっちかぁ?」と言った。

玄関で騒いでいると、ライバルのあずき君が登園。僕は平常心を保ちつつも、パパにパンが挟まっていることをアピールする。ようやく気がつき、爪を歯の隙間に入れて取ろうとする。やめてくれ、傷が付いたらどうするんだ、黒豆ちゃんやナッツちゃんにモテなくなるじゃないか!
諦めが早い事が売りのパパはすぐに取れないとみるや、あっさり保育士さんに丸投げした。優しくティッシュで、一瞬で取ってくれ、もうパパには頼らないと固く誓った!



まめた3歳

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親は無くとも子は育つ、と言うけれど、子供が無くては親は育たない。
3歳児のボク、まめたの親育て日記、気が向いたときに更新中!!
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2022年4月27日(水)
今日は沢山気づいた事がある。

保育園の帰りにバスに乗車。一番後ろの特等席は埋まっていた。何だい、今日はツイテナイな、とあたりを見ると、気づいた事がある。

座ってる人、みんな寝てる!

僕は大きな声で言ってやった。

「こらー、みんな、起きなさい!」

その途端ママが慌てて僕の口を塞ぎ、すいませんと小さな声で謝った。

みんな、疲れて寝てる場合じゃないよ、元気出しなさいよ、と僕は心の中で喋った。

空いていた席に座ると、通路を挟んだ席に、お兄さんが座ってた。

またしても気づいた。

この人、腕に絵描いてる。

僕の視線を辿ってママも気づいた様子。そして、慌てはじめた。

ちょっとちょっと、何でそんな所に絵描いてるの!消さないとダメでしょ!って言いたかったけど、なんかママが僕の口を速攻塞いできたので、「ウグウグ」としか言えなかった。

ちなみに、お兄さんの腕の絵は、般若でした。

2022年5月16日(月)
今日は沢山突っ込みを入れた。
保育園からの帰りのバス。
ママと乗り込むと、ボクは走って後方の一段高くなった2人掛けの席を目指す。
「こらー走らない!!」と怒るママの声。いつもご苦労様です!!

席は、大抵埋まっていた。二人掛けの席に、ネクタイを締めたおじさんが一人で座っていて、ボクは隣に座った。
おじさんは、気が効く人で、ママに「どうぞ、座って下さい」と席を譲ろうとする。
ママ「大丈夫です。有り難うございます」
おじさん「すぐ降りるんで、団地前で」
ボクは、おじさんが僕らと同じバス停で降りることに気づいた。
ここは突っ込みを入れるところだ!
ボク「同じところで降りるんかーい」
ママは慌てて「こら!」と怒った。
ママ、いつもご苦労様です。

バスの運転手さん「団地前、団地前。降りる方は足下に気をつけて下さい」
ボクはおじさんを見て「ここで降りるの?」と聞く。
ママ「こら!降りるんですか、でしょ!!」
おじさんは「そうだよ、ここで降りるよ」と笑顔で言ってくれた。

おじさんと、一緒にバスを降りて、バイバイをした。
おじさんはボクらとは反対方向に歩いて行った。
ボクはここでも突っ込みを入れた。
「そっちへ行くんかーい!」
ママはボクの口を慌てて塞いだ。
ママ、お疲れ様です。

明日もいろんな事に突っ込みを入れたいなあ。



まめた4歳


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ぼくはまめた。生まれて4年。夢はウルトラマンになる事。それか、大谷選手とヌートバーと、村上むねたかと、ふじかぜ(注:藤井風さんの事)と一緒に住むこと。パパに話したら、ごはんが幾らあっても足りないよ、野球選手はよく食べるし、と言われた。
身の回りに起こった事と、それによって親が成長する姿を書く。読んでくれよな!
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朝ごはんはパパの担当だ。
ぼくが起きると、「まめたー、何食べる?」と聞いてくる。
ぼくは一文字ずつゆっくりと「パ  パ  を  食  べ  ち ゃ  う  ぞ」と言った。
パパは大げさに驚いてくれた。
「そしたら、パパがいなくなっちゃうよ」
ママが話に加わってきた。
「新しいパパ探すから。いいよ、パパ食べて」
ママ、今日も毒舌、絶好調だね。

パパがごみ捨てから帰ってきた。
台所の空き缶を見つめる。
「うっかり、うっかり、空き缶捨てるの忘れてしまった」
ママ「退場!地球から退場!!」
ママ、乗ってきましたな。

皆で出勤。バス停にて。
ママが、「なんかこのマスク付け心地悪いなー、って上下逆じゃん!っていうか、パパ気づいてよ!」
パパ「ごめんごめん、うっかりうっかり」
パパのうっかりは名人級だね!

別の日。
今日は土曜日。心ゆくまで眠っていよう。
と思ったのも束の間・・朝日がまぶしい。
誰だい!カーテンを開けたのは!
布団をかぶって、もう一度寝ようとする。
でもなんだか、ズボンが濡れていて気持ち悪い。
酸っぱいにおいもする。
あれ?なんで?昨日寝る前オシッコしたよなぁ。
ぼくはもう4歳だぜぇ。
オシッコを漏らしたなんて、口が裂けても言えないや。
あ!言いこと考えた!

目をこすりながら、居間へ行き
「汗たくさんかいて、ズボンがビショビショ」と言った。
パパとママが目を見合わせた。
パパ「そうか、汗かいちゃったか?どれどれ。見せてごらん。ホントだ、結構ビショビショだね」
ママ「まめた、シャワー浴びよう。スッキリするから」
おっ、上手くいったね。二人とも汗だと思ってる。作戦成功!

パパがシャワーで流してくれる。
「さあさあ、オシッコきれいにしたよ」と言ってから
しまった、という顔をした。
ぼく「オシッコじゃないってば。ア、セ!」
パパ「おっと、そうでした。汗だったね」
もう、間違えないでよね。頼むよパパ。

ママが脱衣所に入ってきて言った。
「まめた、オシッコ付けたズボンどこやった?洗濯するから頂戴」
もうー、オシッコって言っちゃってるじゃん!汗だってば!

ぼくはママに濡れた洋服を渡した。
鼻を衝く強烈なにおい。
顔をしかめて思わず
「これ、オシッコくさい!」
あら、自分で言ってもうた!


#創作大賞2023 #エッセイ部門

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