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玄関における飛び込み営業との攻防戦(2020.12.16)

▼むかーしむかし・・・

10年くらい前、2ヶ月ほどだが、
完全歩合制の「セールス」をやったことがある。

アポなしで、いきなり民家のインターホンを押し、
ドアを開けてもらい、商品の説明をして契約をとる、という仕事だ。(もちろん、押し売りや嘘をついての売りこみは厳禁)

1日100軒とか回る。
100軒回って1件取れるかどうかという世界。
契約とれた分だけ給与が入る。

売っていたものは「牛乳の宅配契約」。
たまーーーに一軒家の玄関先に
青とか緑とか赤いボックスが置いてありますね。それです。

▼営業経験からのまなび

結論から言うと、
私のセールススキルが下手すぎて
契約は全然取れなかったが、
なんなら今までの仕事人生で一番多くを学んだかもしれない。

モノを売ることの、難しさ、面白さ。

人と話し、信頼を得ることの難しさ。

よく言われることだけど
「人がモノを買うのは値段じゃない。
 誰が売るかだ」

これが身をもって分かった。
(私が契約取れなかった地域を先輩が回ると、契約がどんどん取れるのだ・・・)

あと、これ。

勧誘は「99%ノー」が当たり前だ。
だから興味がないなら「きっぱり断る」が
お互い時間の無駄がなくてよい。

「話くらい聞いてあげたほうがいいかしら?」
と思ってしまうのが人情であるが、
「ぜったいに買う気がない」と決めているなら
さっさと「興味がない」と断ってあげたほうが
向こうも、次の営業先に行けて結果的にはいいんです。

だから私は「ムリ~」な売り込みに、厳しい(笑)

一度「ムリ」認定すると、何を言われても笑顔で「他当たってください」で、ドアを閉める。
そして以後、二度とその製品や会社に近づくまいと心に誓う

▼例題①

私がムリ認定するのは
「当該潜在顧客(私)への訴えかけ方法が根本的に間違っている」
これに尽きます。

先日(平日)、私が働いてる事務所に
国連のとある機関の「広報の人」がやってきた。
※広報自体はホンモノで宗教とか詐欺とかではなかった
 (渡されたチラシも国連機関のものでした)

来たのは若い男性だった。

その機関の名誉のために言っておくが、男性はその機関の職員ではない(と思う)。私が牛乳の契約を取っていたのと同じように、委託を受けて広報マンとして地域を回っていたのだと思う。

私は事務所で一人、電話番だった。お留守番も立派な仕事である。

なので私はドアを細めに開けて、
「すいません、仕事中なので『端的』にお願いします」
と小声で言った。電話がかかってきたらすぐ取りたいからである。別にこれはおかしな要求ではないと思うし、どちらかといえば、「ドアをピンポンする方が邪魔しに来ている」くらいの感覚でいいと思う。

それなのに・・・その若い男性は
「わかりました。タンテキにですね。ちょっといいですか?」
とドアを勝手に大きく開けた

この時点で私は一抹の不安を覚える。
「なんでこいつ勝手にドアに手かけた?」
「『タンテキ』の意味わかってないんじゃないか?」

そしてその人は
「私たちの機関を知っていますか?」
と聞いた。

誰でも知ってるわ!!!  

と思ったけど「はい、もちろん・・・」と言うと、

「え~~~! おねえさん、お若いのに!!!」
と大げさにのけぞった。


_人人人人人人人人人人人_
> はいダメーーーー! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


NGポイント①彼は自分を「頭悪そうなキャラ」にして、客を「頭いいキャラ」に持ち上げ、それで話を勧めようとした。

しかし、ちょっと考えてほしい。
あなた(勧誘マン)が私を「頭いい人キャラ」に認定してくること自体、
私をバカにしてませんか?

NGポイント②ピンポン押す前に、当方の事務所名見てるよね?
明らかに”その手の専門職”がいる場所ってわかるよね?
で、アルバイトとはいえ一応そこで働いてるんだから
「あたし~なんにもわかんなくって~♡」みたいな人は出てこないと、わかるよね~~~??

あと、ここ男性のみなさんとくとお聞きください。


NGポイント③

「お若い」で喜ぶほど年取ってないわ!!!! 

安い芝居はやめとくれ! ある一定程度の年齢超えた大人が「お若いのに」って扱いされたら怒りますよ! バカにすんなー! 
若い時バカ扱いされてへらへら笑ってたのは「バカ女」扱いされておけば「ラク」だからなの! その笑顔の陰で、爪を研いで研いで尖らしきって、オッサンたちにその爪隠すの大変だったんだからね!!!! 

・・・というか本来は、女性が若くても、なんでバカ扱いされた時に抗議しちゃいけないの? 怒ると空気を悪くする面倒な女だと思われるから躱(かわ)すように、と、女性から指導されるんです。でも、みんな怒らなくてへらへらしてるから、男は「若い女はバカにしていい。だって彼女も喜んでる」→「乗ってこない女は「可愛くない女」として下に見て良い」と勘違いして、つけあがるんじゃないですか? 女性の上司が20代の男性部下をバカ扱いしたらどうですか? そんなの見たら男女問わずイヤーな気持ちになるし、みんな抗議すると思います。なのに「年下の女性」であったらバカにされてもへらへらしてるのがフツーで、それを見た男も女も違和感なし、という状況は、それは差別です。こうやって正論で怒る女は「空気読めない」「彼氏いない」「女性ホルモンが乱れている」と認定され、それが怖いから、みんなでへらへらする。私は、全部当たってるんで堂々抗議します。男性が若い女性をバカにして悦に入って、なけなしのプライドを慰めることが、全世界で永遠になくなってほしい。だいたいねえ、本当にかっこよくて自分に自信があって実力もある男性は、女性だけじゃなく誰のこともバカにしないよ! もちろん、女性も男性を「男のくせに〇〇もできないの!」と責めるのはハラスメントになるのでやめましょう。言いたくなるけど、それも差別です…。  

兄ちゃんは上記のような私の心のストーム(嵐)を察することなく、
さらに
「難民の8割は子供なんですよ。なぜだと思いますか?」
と続けた。

いやなぜ今クイズ!!!!! 

私も「え、なんでだろ」と一瞬考えてしまったけど!
そりゃ災害とか内戦は弱い立場の人(女性と子供)にしわ寄せがいくし、
親が殺されちゃったとか離れ離れになったんじゃ・・・?

いやいやいやいやいやいや
あなた方の目的は「知名度向上」と「寄付」でしょ? 
そのチラシを見て寄付する気になってほしいんでしょ?
だって私のような一般市民が、難民と、その機関にできる直接支援って「寄付」しかないもん。 でもお前のせいで今、その機関への信頼はちょっと下がったけどな!

というところで、ボスが帰って来た。

そして私は
【セールスマンを追い返せないアホなバイト】
という構図の一員となってしまった。

私は二重に傷ついたので
「すいません、もういいです・・・」
とチラシだけ受け取ってドアを閉めたのだった。

その機関へのリスペクトは変わらない。
その機関の最高責任者に、日本人女性が就いていたこともあるから。


彼は一度、自分の仕事を今一度考えてほしい。
その機関の「代表」として、ここに来たんでしょ? すべての人にあんな対応してるんだったら、逆効果です・・・。

▼例題②

これはもっと前、名古屋に住んでいた時だが、
A新聞の勧誘。

体育会系のムチムチのおじさんが
「私を助けると思って! お願いします!!!!」
と土下座しそうな勢いで、勧誘してきたことがあった。

天下のA新聞も地に落ちたな。

はっきり断りました。

それは勧誘じゃない。お前の生活など知らん。

そのオッサンもA新聞とは直接関係なくて、
委託で勧誘を請け負ってるだけだとは思ったが
「インテリジェンス(情報)」を提供する新聞を取ってもらいたいのに、
インテリの欠片もない勧誘されて取るわけがない!!

あと名古屋人なんだから、もう中日新聞(←地元の一大紙。東京新聞の姉妹紙)とっとるわ!!!! 中日からA日に変えさせるだけの何かを見せんか! (品物とか景品とかそういうことじゃなくて、メリット、たとえば、たくさん読むところがありますとか、就職に有利ですとか・・・なんかそういうことです。A新聞は確かに高いだけあってページ数も多いし、土日に特別な付録もついてくる。そこを推せよ・・・)


▼おわりに。

こんな噛みつきガメみたいな私ですが(哀)、たまに気の合うセールスマンに遭うと、朗らかに対応したりすることもあります。信じてもらえないかもしれませんが・・・。

でも、セールスマンの皆さん、
とりあえず、玄関開けて私だったら、
「失礼しました~」と回れ右して
もっと取りやすそうなところに行った方がいいと思います(笑)

▼おまけ

一番すごかったのは、
セールスとは違うけど
NHKの集金人。
引っ越して1週間もしないうちに突然やってきて、玄関開けたら満面の笑み。
開口一番「こんにちわ! テレビ持ってますよね!」
と爽やかに言った・・・言い切った・・・。
以後、毎年忠実に払っています(口座引き落としで)。
ていうか、なんで私が引っ越したの知ってるのNHK・・・(震)

ちなみにこの記事は下書きで2ヶ月寝かせてました(笑) 

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