大学生諸君、大いなる無駄を過ごせ(2020.6.11)
今の時代に・・・真っ向から反対のこと言いますよ。
「大学生諸君、4年間を無駄に費やせ! モラトリアムしまくれ」
▼苦学生
コロナ禍で、私の母校(早稲田大学)も学生支援に乗り出した。
メディアでも大学生の「苦境」が報じられ、私も興味をもって接していた。
・授業がオンラインのみなら授業料半額返してほしい
・キャンパスライフもあってこその大学生活
・就職がどうなるか不安
・バイトがなくなって生活が苦しい
悲痛な叫びが溢れていた。
すごくびっくりしたのが、私の認識不足だったのかもしれないのですが、「バイトが生活に直結している」学生がいるということ。
▼大学生活とカネ
私も「国公立に行くのが親孝行」とは思ったのですが、、、そこは私の頭の限界で、結局、地元を離れて私大に行くことになりました。
本当にラッキーなことに(今は親ガチャなんて言うそうですが)、親は、私の東京での生活費、授業料、教科書代、年金等すべて払ってくれた・・・。
このことは最大限感謝しないといけない(お母さんありがとう。亡くなったお父さん、お金を遺してくれてありがとう)。
もちろん、どの時代にも「親の世話にはならない、なれない」ので「授業料や一人暮らしなら生活費などを自分で出している学生」という人は、一定数はいたと思う。
ただ、ゼロ年代、私が大学生だった時。
私の周りには、全額を自分で払っている人というのはほとんどいなかったように思う。
また、返済義務のある奨学金をもらっている学生も珍しかったように思う。(私は返済義務のない奨学金をいただきました)
・・・もしかしたら私が知らなかっただけかもしれないですけど・・・。
でも今、自分より少し年下の人と話すと
「まだ大学の奨学金の返済があって」
と言う人は、結構いる。
実際、そこそこいい大学行くには、塾に通ったりしてお金もかかる。報道されている通り、相対的に豊かな層しか、大学に行けないようになりつつある・・・のかもしれない。親の経済的格差が、子供の学歴格差につながりやすい時代になってしまっているのかもしれない。
▼YOUは何しに大学へ?
親も子も必死な思いで入った大学。
「とにかく就職に有利な勉強を!」「キャンパスライフを充実させて履歴書にも書ける何かを成し遂げねば!」と思っている人も(親御さんも)いらっしゃるかもしれません。
でもあえて言います。
大学には、そんなセコイ考えで行かなくてよろしい。
大学は・・・気の赴くままに、ダラダラしに行くところです!!!!
究極のダメ生活、ダメ人間を経験するところです。
人生でしなくてもいい、全くためにならない、不要不急の経験を、たくさんしに行くところです。
【主な不要不急の経験】
・酒の席でのあらゆる失敗
・徹夜
・恋愛と性欲の間
・ひどい失恋
・仲間との喧嘩、裏切り
・授業をさぼる背徳感
・生活リズムの乱れ
・軽いうつ(あまりやらない方がいいけど)
・社会への不満と葛藤
・演劇に溺れる
などなど!!!!
なぜかというと、これらを「社会に出てからやる」と、数倍の損失が出るからです! (学生だからでは済まされない・・・)
▼将来なんて考えなくてOK
なんとなく「就職に直結する専攻じゃないといけないのかな」って思ってる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私の考えでは、逆です。
実生活に直結しない、かつ、専門的な教養にどっぷり浸る時間は、
大学生活か定年後です!
法学部に行った私は、六法の授業以外にも、興味の赴くままに、犯罪学の歴史を学んだり、法医学の有名な先生から解剖現場の話を聞いたりできた。そんな「豊かな」時間は、働き始めると(少なくとも数年は)なかなかとれないです。
私のように、社会人をドロップアウトしてニートになれば、時間はあり余りますが、みなさんにおすすめはしないです(笑)
いや、ほんとにほんとは、人生は常に勉強です!
でも、社会人になったら「仕事に必要な勉強」「社会勉強」が忙しくなるので、もし今、興味あるものがあるなら、それが勉強できる学部に行ったほうがいいです。哲学に興味があるなら「就職できないかも」なんて考えないで、哲学科に行った方がいい。
私は、お茶の水で服飾史を学びたかったのですが
暗に「食えないよ」と諭され、法学部にしました。
結果、法学部も良かったのですが、
4年間好きなだけ服飾のことを追求する時間があっても良かったかもなーとは思います。
今でも、古い服や民族衣装を見るのが好きですが、きっと学部に行けば、専門知識を専門家から聞けて、自分の好きなものを追求できたかもな、と。
私には文学部出身の友人が多いのですが、文学と全然無縁の仕事についている人も、きっと大学時代の事は影響しているんだろうな、と思います。
「あの時は好きなことをやったなあ」感があると、その後全然違う仕事をしていても、きっと良い影響があると思います。
▼何が役に立つかなんて、わからない
そんなこと言って将来どうなるの、履歴書どうやって埋めるの・・・という君!
まず、「将来」がどうなるかなんて誰にもわかりません! このコロナ禍なんてほとんどの人は予想できてませんでしたし、アフターコロナがどうなるか、誰もわかりません。人生のちゃぶ台返し!
でね、履歴書は、何とでもできます!!!
嘘を書くという意味ではなく、自分のどこを見せたいかなので、いくらでも切り取り方はあります。
「何の役に立つか知らんけど、とにかく興味があってやりました~」ことは、いくらでも書きようがある。
しかし、好きでもなく興味もないことを「なんか将来役に立ちそうだから」とやっても、はっきり言って、PR欄に書く時苦しくなります。自分が。
あとは、4年間死ぬほど無駄にしておくと
その先の人生、「無駄にしたくない!」と闘志も湧く(笑)
昼夜逆転・連日二日酔い・カネなしのダメ人間生活を1回やっておけば、
大人になってダメ人間生活になりそうになったときに、「あ、これ大学のやつ」と思い出し、「いかんいかん」と立ち直れるんで、軽く済みます。
ダメ人間のワクチンです(経験者談)。
▼ここだけでいいから読んでm(__)m
「将来の仕事のため」「履歴書のため」「奨学金もらったから」「無駄にできない」
じゃなくて
「今だけの」「心赴くままに」「モラトリアム(猶予期間)だし」「無駄も大いに楽しんで」ください。
寄付や何やかやを重荷に感じる必要はありません。
もらったお金を「ためになる使い方しなきゃ!」って思わなくていいです。
究極、友達と贅沢なごはん食べちゃっても、いいの。
専攻と全然関係ない仕事を選んでも、いいの。
好きなことがわからなくて、何すればいいかわからない人も、その苦しい気持ちを十分味わっておいて。
そういう、意味のなさそうな経験が、一番役に立ったりするんですよ。
▼最悪、「ダメな大人」になっても、ええんやで
頑張る学生、向上心・野心のある学生を
引きずり降ろそうという気持ちはないんですが
ニュースに出てくる学生の話があまりに健気で・・・
生活できなくて水商売に走らざるを得ない女子学生がいると聞いた。
それは壮大な本末転倒です。
その経験はしなくていいよ・・・切なすぎる。
水商売を馬鹿にしてるんではなくて
理想主義だけど
あらゆる仕事が「お金に困ってやる仕事」じゃないといいなと思う。
「やりたいからやってる」になるといいなと思う。
日本はまだまだ学歴が有効な社会だ。
私みたいな(転職と非正規が多い)経歴でも、いまだ「早稲田大学卒業」が、ライフラインになってる感ある・・・。(20年前に通っていた大学の記録がいまだ有効というのもバカげてるとは思うが、実際そうなのだ)
学歴は(車の免許と一緒で)
後から取ろうとすると大変なので、
取れる時に取った方がよいと思う。
だから、「特にやりたいことがない」「まだ将来わからない」「何が好きかわからない」人ほど、大学は行っておいた方がいい。
でも
大学行ったからって
エラくてスゴイ人にならなくても
ええんやで。
早稲田出てアルバイトしてる人も、ここにいるで(笑)
まだ何者でもないで。
でも、生きてていいし、幸せになってええんやで。
それが「豊か」ってことやで。
▼我々大人は・・・
大学生に何か返してもらおうなんて、そんな不見識を押し付けてはいかんですね。だって大学生ですよ??
企業インターン行って
バイトリーダーになって
学生祭実行委員もやって
成績も優秀でボランティアもして
サークルも充実、恋愛もバッチリ
なんていう学生が大量に社会に出てこられても困るよー(笑)←冗談です。ほんとにそういう人いたらゴメンなさい
そんなの社会に出てから頑張ればいいから(ひどいw)
社会人になると、ほんとにダラダラすることが難しくなるから、
今のうちに浴びるほどダラダラして。
たくさん寝て映画見て図書館行って学生演劇見て友達と朝まで語りあってねって思う。
そして、大学に行きたい人がみんな「行きたいな!」と気軽に思える社会になればいいのになと思います。
タイムリーに、こういうツイートみたので、貼ってみます。
▼小島慶子氏のツイート
https://twitter.com/account_kkojima/status/1270033963222884352?s=20
▼キッズドア基金のHP(受験勉強サポート奨学金)
https://congrant.com/project/kdfund/1709?fbclid=IwA%E3%81%82R3OUQnlAGG_-SBgnR30Z8KaLrTV3lvX0cOAIr_fYtDXmQrqsBJ-V8Ss7Mc
※もちろん全員が寄付しないといけないなどということではありません。こういう動きもあるんだね、というシェアのみですm(__)m
※そもそも「大学は勉強しに行くべきところだ! 大学入ったらダラダラするのは日本だけ、海外では!!!」という考えも、もちろんあると思います。はい。ただ・・・ニュースに出てくる大学生たちがあまりに健気で、「どうしてもそう思えない」学生さんがいたら、プレッシャーに思ってほしくないなと思って書きました。私は大学の成績も東京生活も本当に惨憺たるものでしたが、でも、今は行って良かったと思っているから。経験したい人がみんな経験できるものになっていいんじゃないかと思っております。
これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m