料理嫌いの女(ジェンダーコンプレックス)

多くの人は、2つや3つ、コンプレックス(劣等感)を持っていると思う。
容姿、外観に始まり、マザコン、シスコン、ブラコン、
才能、頭の良さ、手先の器用さ、性格、生い立ち、所有財産などなどなど、
あらゆることがコンプレックスのタネになりうる。

他人は全く気にしていないのに、本人だけがコンプレックスに思っている、ということも往々にしてある(それこそがコンプレックスの厄介なところ)。

そして、数限りないコンプレックスの中にも
「ジェンダーコンプレックス」というものがあると思う。

この言葉が実際あるのか知らないですが、
私が今造りましたー!

定義は「ある文化や価値観の中で、性別によって、感じる感じないが分かれるコンプレックス」

例えば
・(平均身長より)背が低い
これは男性の方が女性より気に病む率が圧倒的に高いと思う。
(※もちろん、全く気に病まない男性もいるでしょうし、気に病む女性もいるでしょう。あくまで傾向の話です)

逆に
・(平均身長より)背がとても高い
このことを気に病む率は女性の方が高いと思う。

つまり、男女の性別によって
コンプレックスを感じるか如実に差が出る、
そして文化・価値観に依拠するものを指すとしましょう。

今日取り上げたいジェンダーコンプレックスは
・料理ができない
です(私、これたぶん何回もnoteで言ってますが、しつこい性格なので許してください……)

これぞ、私のジェンダーコンプレックスの最たるものなのです。

容姿より性格よりファッションセンスより、このことがコンプレックスなのです!(もっと他のことも気にしろという声は、全力でスルーします!)。

男性で「俺、実は、ここだけの話、料理ができなくてさ…」と恥ずかし気に告白する人は、たぶん、いない。
でも多くの女性にとって「料理ができない」と言うのは勇気がいると思う。特に異性の前で。

これは【男性は料理ができず、女性はできてアタリマエ】
という文化・価値観が前提にあるからだ(断定)。

例えば、「老若男女全員、自炊する習慣自体がなく、すべての食事は屋台(外食)」という文化であれば、自炊しない(できない)ことを誰も恥じたりしない。
だって、困らないし、それが「普通、一般的なこと」だからである。

「一人暮らしをしている」と言うと、
本当によく聞かれるのが
「ごはんはどうしているんですか?(=自分で作るのですか?)」
という質問だ。そして聞いてくるのはほぼ男性。

何だこの質問。

聞いてどうするんだ? お前が食費をくれるのか?

「掃除はどうしているんですか? クイックルワイパー? ルンバ?」とは絶対聞かれないのに……。

だが「仕事以外ではなるべく嘘をつかない」がモットーの私は
正直に
「野菜を切って煮る、買った肉をただ焼く、程度の自炊はしますが、
 ほとんど料理はしません」
と答える。
実際、ご飯を用意するのにかける時間は、週に60分以下だと思う。
料理だけでなく、家事には最小限の時間しかかけていない。

ただ、この質問が会社で聞かれると厄介だ。
弊社の同僚男性たちは、ほぼ全員料理ができる。
料理を普段しない人もカレーくらいは作る。
何なら料理が大好き、休日は作り置きに没頭、という奴もいる。
だから「料理はしません」と言うと、「へえ」と言われ、やや沈黙が流れ、次の話題に行く。

意識高すぎだよ、この会社の若者!

私の弟なんか、30歳になるまで、炊飯器の使い方が分からなくてご飯も炊けなかったのに(結婚した今は、カレーとシチューが作れるようになった)。

・・・私が「日本における結婚生活と子育ては無理」、
と思う理由の一つが、「お弁当づくり」だ。

お弁当って何。

だいたい私は、自分の食べるものはその時になってから決めたいんだ。

NHKの「サラめし」という番組がある。
そこで「愛妻(もしくは自分)手作り弁当」を紹介するコーナーがある。
NHKのサラリーマン応援番組は好きだし
サラめしも、その時間に家にいたら見るくらい好きなのだが、
他人の家の「お弁当」を見るのが
本当につらい

小さな空間(弁当箱)の中に、
食中毒にならないように、かつ、栄養バランスを考えた
主食・メインおかず・サブおかず(このオレンジページ的言葉もあんまり好きじゃない)が行儀よく詰められている。

胸がかきむしられる。。。

TwitterとかのSNSで、お弁当の写真を見るのも、つらい

キャラ弁(キャラクターを食品で模した弁当)とか恐怖でしかない。
プロの料理人としてお金もらってるならともかく
なんで普通の人がそんなことしなきゃいけないの?
親切で作ってもらえたら、ちょっとは嬉しいかもしれないが、
どうせ食べちゃうしさ!! 一瞬じゃん。。。 

そんな時間があったら、別のこと(趣味とか寝るとか)に使いたいし、使ってほしい。

でも旦那さんができたら、
ニッポンでは「食費の節約」のために
「お弁当づくり」をしないといけないのだ。
それをしないと
「怠惰な妻、家計の管理をしない嫁(そしてそんな女性と結婚した男)」と思われるかもしれない。

子どもが生まれたら、ずーっと弁当がついて回る。
気が狂いそう! 絶対ムリ!
頼むから、お金あげるのでコンビニで買ってほしい。
栄養バランスを考えて買うことは食育にもなるだろう。。
おにぎりだけは握ってあげるからね……(おにぎりは作れます)。

なんで、世間では、「女性なら全員料理が最低限できろ、なんなら料理が好きであれ」と思われてるんだろう。

もちろん、私はお菓子作りもしたことがない。(すべてがセットになっているクッキーのキットを買って焼いたことはあるが、買った方が断然美味しい)


お菓子作りは素晴らしいことだが、お菓子が作れたら「女性として素晴らしい」とは全く思いません。

「お菓子作りが好きな、素敵な女性」と、「お菓子作りが好きな、それほど素敵じゃない女性」がいるだけである。

お菓子作りって全然安上がりじゃないし労力がすごくかかるのよ。

もうこの際、言わせていただくが、「趣味」だと思うんですよ。料理って。

プラモが趣味。
アニメが趣味。
それと一緒!!!!

料理は、最低限以上のことは「趣味」!!!!
私は観劇と読書とドラマ鑑賞が趣味。でも料理は趣味じゃないの!!!!
そりゃ最低限、自分が生きていける程度に自炊ができる方がいいが、
あとははっきりいって「趣味」です!!
で、できない人は、美味しいものはプロに作ってもらいましょう。それでいいじゃないか!!!

…そんなに料理ができないと、人間としてダメなのでしょうか?
(※注:誰もそこまでは言っていません)

私は料理できる できないより、
どんなごはんも美味しく食べる人が好きです。
(味覚が鈍感という意味ではなく、
 美味い不味いとかいいながら食べる奴が嫌い)

自分で料理する人や舌が肥えた人って、
他人の味にうるさくない?(※注:偏見)
それこそ「うっせーな」と私は思う。
てめえが選んだ料理なら黙って食え。
その店を選び、その料理を選んだ自分を黙って反省しろ。

話は飛ぶが(でもブーメランのように返ってきます)
プロスポーツ選手の妻が
必ず夫の栄養管理しているのにも違和感がある。
いや、あの、イチロー夫人とか、本当にすごいなと思います!
おかげでイチローが野球に集中できて、
私たちはイチローの活躍を楽しみにできて、
ありがたいです。おつかれさまでした。

イチローが人生の全てを野球に捧げたように、
夫人は夫人の人生の全てをイチローの栄養管理に捧げた。
お2人はそれで納得されているのだろう。
外野がとやかく言うことではありません。

が、

みんなそんな人ばっかりなの??(笑)
アナウンサーってみんな「あの選手の栄養を管理してあげたい♡」と思って
スポーツ選手と結婚するの??(笑)
それは美談なの??
あと逆のパターンは聞かないんだけど、なんで?
女性選手の栄養管理をしている専業主夫って、あんまり知らない。
(男性コーチと結婚する人はいるけど)

京王線で流れているAJINOMOTOのCM。
東京FCの男性選手が「妻はいつも試合前に〇〇を作ってくれます。栄養バランスを考えて料理してくれることに感謝しています」というやつ。
感謝するのはいいが、妻は無料の管理栄養士じゃないぞ。

男は胃袋で捕まえろ、とか、
ほんっとに昔から言われていて、
それは真理なんだろうけど、
すごく気が重くなる。


私 は 料 理 が 好 き じ ゃ な い ん だ !

もっというと家事全般好きじゃないんです!
そんな暇(笑)あったら、1分でもテレビ見たい、新聞読みたい、ぼーっとしたい。


「女なら全員料理が好きであれ」とか思うなよ。
すべての男がスポーツマンじゃないのと一緒だぞう!
すべての男が機械が直せるわけじゃないのと一緒だぞう!


料理は全然しないけど、
インテリアセンスがあって家を整えてくれる、とか
バリバリ稼ぐ、とか
掃除はすごいちゃんとやってくれる、とか
ただ一緒にいると面白い、とか
そういうのじゃいかんのかー?
(※注:私はどれも満たしていない)


ちなみに私の母も料理が苦痛なタイプだと思う。本人から直接聞いたことはないが、もともと食べることに興味がない人。
でも無理して「手作り」料理を作り続けた。おそらくそれも鬱を悪化させたと思う。
いつも食卓は不機嫌で、ピリピリして楽しくなかった。
今も母と食事するのは苦手だ。それが外食であっても。

だから食卓は手作りかどうかより
「楽しい記憶を残せるか」かどうかの方が重要だと思う
(もちろん栄養バランスも大事だけど)。

「ごはんの感覚」が合う人と一緒にいたいな。
その感覚が合えば、買ってきたお惣菜でも、
カップラーメンであっても楽しいと思う。

ご清聴、ありがとうございました。

これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m