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名前をつけてみる

『フレームワークについて語る』2回めです。第1回は、このシリーズで「何について書くか」の説明をするだけで、けっこう長くなってしまった。

ちなみに説明といっても、実際はちゃんと考えを固めてから「説明」をしているわけではなくて、ぼんやり考えた方向性(=デザインや企画の手法とかに関するnoteを書いてみたいな)について、ああかな、こうかな、と自問自答しながら書いています。なので脱線を繰り返して、やたら長くなることもあります。

もっともらしく言えば「アイデアを形にしながら検証している」というわけです。この「検証する」は自分のなかでも特に大事なコンセプトだと思うので、これについても後で書いてみたいです。

そして、「検証するという手法について、書いて検証する」ーーこういう「入れ子構造」的な考え方も僕は好きです。簡単にいえばダジャレみたいなものですが、これも一つの「型」かもしれない。

・・・・という感じで、「長くなった」と書いてからまた脱線して長くなるのですが。

今回のタイトルの「名前をつけてみる」に話を戻します。

タイトル=名前をつけてみる

何について書くかの説明が長くなったので、「ひと言」で表すシリーズ名、マガジンのタイトルを考えてみたいと思います。

僕はわりと「名前をつける」のが好きで、よくやります。

本来的には、コンセプトや方向性(今回で言えば編集方針)は、箇条書きや文章でもなんでも良いのですが、いったん仮でも「名前っぽく」しておく。場合によっては、ロゴまで作ってみたりします。

そうすることよって、気持ちが盛り上がったりして、その名前に沿った記事を、脱線しつつも見失わずに書き続けられそうな気がするからです。

つまり名前をつけるというのは、人にコンセプトや概要を伝えるためにも、最終イメージを持って進めるためにも、両方の意味で重要と思うわけです。

あと、今回のテーマでnoteを書いていくと結構おもしろい内容になりそうで、そのうち誰かが「本にしましょう」と言ってきてくれることを期待して、本の題名を先に考えておく。そういう作戦でもあります。

1つ目の案

ぱっと思いついたのは、

『デザインについて語る時に僕の語ること』 

・・・村上春樹オマージュ。
村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』(僕は大好きな本です)というタイトルがすでに、レイモンド・カーヴァーの短編小説『愛について語るときに我々の語ること』へのオマージュらしいので、孫オマージュということになります。

僕は基本的に、先人へのリスペクトを表す「オマージュ」は好きです。そのコンテンツが目指す方向性や作り手の趣向が(伝わる相手には)伝わりやすい、という良い面があります。

ただ、この春樹&カーヴァーを孫オマしたタイトルはけっこう誰でもやりたくなりそうなので、本になった時に埋もれそうです(誰も本出すとまだ言ってないけど)。

それと、そもそも僕が「僕の語ること」などと言っても、知らない人には「誰よ?」って感じでしょうし、しかるに「誰よ?」な状況での「僕の語ること」というタイトルは、何が語られてるのかの情報を多く持たない。つまりタイトルとして「概要を伝える」意味をなさないことになるので、いったん却下します。(というかまあ、普通に恥ずかしいので。)

2つ目の案

『オランダ式!チームで作るデザイン手法』

いいですね、キャッチーな感じで。
「チームで作る」は、今の時代にマッチしそうな響きがあります。

前回も書いた通りこのnoteでは、チームワークやコラボレーションをひとつのカギとして、デザインや企画の手法などについて書くわけなので、内容も表している。

そして「チームで作る」と簡単な言葉で表現しながらも、インクルーシブ・デザインや共創(Co-Creation)を示唆しているようなインテリジェントな雰囲気もあるし、オランダはインクルーシブ・デザインの先進国でもあることは、知っている人には知られている。それを知らない人にも「ヨーロッパ=デザイン」の風味はなんとなく伝わり、それっぽい印象はあるかもしれない。

( ちなみにこんな感じの、ひとつのアイデアのウラ面オモテ面を見るというか、複層的な観点で検証するのも大事だと思っているので、これも別の記事で書いていきたいです)

アタマの「〇〇式!」は、おしゃれではないが、キャッチーである。むかし東進ハイスクールが出してた参考書みたいである。なにか「学ぶ系」の本のタイトルとして分かりやすい。

これが「飯島式!」だとまた「誰が?」になるし、「TAM式!」も良いのですが(この場合は知られてない人にも、TAMのブランディングが理由になる)、でもまあ「オランダ式!」もしくは「アムステルダム発!」あたりのほうがキャッチーですよね。

ただ、非常に軽薄な響きでもある。「〇〇発」はさすがに自分でも恥ずかしく「どこ行きだよ!」と突っ込みたい感じがします。

ちょっと自分でも「それっぽさ」や「ありがち感」が強すぎて、ダメな案にも思えてきたので、いったんこの案も保留します。

ちなみに僕は「〇〇が9割!」とか、キャッチーすぎるタイトルの本(ビジネス書)が、わりと苦手です。なんか安っぽい印象(内容が薄そうな)というだけでなく、「〇〇が9割」といった表現は、効率主義的な都合のいい断言、という気がするからです。「□□なんて、〇〇が9割っしょ!」という発想が、あまり自分の中にはなく、好きになれないというか。

ということで、

3つ目の案

『フレームワークについて語る』

3つ目というか色々考えたんですが、最初に書いたコレで行こうかと思います。仮に。

「語る」の部分に「誰よ?」感は残るものの、思い切り村上春樹オマージュするよりは、自己満足風なポエム感が抑えられており、「フレームワーク」というそもそもの題材キーワードが含まれているので。

「デザインや企画」についても「チームワークやコラボレーション」についても触れられていないが、まあそれはタイトルの短さ・覚えやすさ優先で、良しとします。それと、先程のキャッチーすぎる2案めよりも、自分がしっくり来るから。

この「自分(書き手・つくり手)がしっくり来ているか」というのも、けっこう大事だと思っています。内容が伝わるか、その題名は誰に刺さるか、といったマーケティング的な側面も大事ですが、まずは書き手が盛り上がれるかどうかも、良いものを作るうえで重要だからです。

企画制作中のタイトルと、じっさい本にする時のタイトルは、別でも良い。売れるタイトルは、あとでまた考えても良い。「仮に、これでいこう」というわけです。

仮に、という考え方

この考え方は、例えば最初に提案するデザインが、本当につくるものと正確に一致してなくても良いじゃん、という話とも似ているかもしれません。多少「詳しくは後で考え直すけど」「このままだとベタでダサいけど」という部分があっても、最初はあえて「こうしたい!」が伝わりやすいコンセプトモデル的なものをまず作る。僕はこの方法をとることがよくあります。

それがデザイナーとして正しいことかは分かりませんが。僕は自分がデザイナーなのかディレクターなのか、プロデューサーなのか、その辺りもあまり気にしていません。
まずはコアの部分が伝わりやすく(多少ツッコミどころはあっても)、それを軸としてチームでの議論が盛り上がりやすいことが、いいプロジェクトをすすめる上で大切だし、それを「仮でも」カタチで示すのが、デザインやアイデアのできることだと考えています。

まとめ

まとめると、
・主旨や概要が伝わりやすいように「ひと言」で表してみよう
・できたらそれを「名前」にしてみると、最終イメージの道標にもなる
今回のポイントは、こんなところだと思います。

書きながら出てきた気づきのメモとしては、
・オマージュは(リスペクト等を)相手と共有しやすい
・誰からどこに発信されるモノか、文脈や状況の考察が大事。(表現単体で考えても成立しない)
・ひとつのアイデアも、ウラオモテいろいろな面から検証
・キレイにまとめすぎると、効率主義・ご都合主義に見える場合もある
・最終イメージの共有は大事だが、ほんとうの「最終形」はあとで良い。
このへんでしょうか。これらはまた、一つ一つトピックとして記事を書いていけそうな気がします。

ということで、あちこち脱線しながらグダグダ進む話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。次回もお楽しみに!

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