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マイナス金利政策解除のタイミング

 さて,本日のお題は我らが安達審議委員のマイナス金利解除への言及についてです.

(日経)日銀・安達委員、賃上げの見極め「新年度明け以降」に
(ロイター)来年度の賃上げの見極め、新年度になってから=安達日銀委員
とマイナス金利解除近し!?をほのめかすメディアから,
(NHK)日銀 安達審議委員 大規模金融緩和「出口議論の段階にはない」
(産経)金融緩和継続が必要、出口政策の段階ではない 日銀の安達審議委員
のように,金融緩和の継続発言と捉えるものまで……各媒体好きなように評論しています.

話の内容としては,

・大規模な金融緩和策について粘り強く継続する必要があり、まだ出口政策の議論を行う段階にはない
・マイナス金利政策について,賃金と物価の好循環が実現するまでは解除は難しい
・中小企業が今年度並みの賃上げをするのはかなり厳しいという声があり、まだマイナス金利の解除をできるような状況ではない

といいつつ,

・賃上げの動きについて見極められるのは「新年度明け以降」

と時期に言及したわけですが...これを「マイナス金利解除に向けた布石」と解釈するのは無理があるんでない? 日経・ロイターの見出しはちょっと煽りすぎ(記事の中身と見出しが合ってない^^).むしろ朝日新聞の見出しのように「修正観測を牽制」したと捉えるのが妥当な線です.

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