クロップが示す心理的安全性

FAカップ決勝でPK戦の末に勝利したリヴァプール。
その監督ユルゲン・クロップこそ名将であることを私達は簡単に知ることができます。

今回、優勝メダルの数に限りがあったことについてFA(イングランドサッカー協会)に対してクロップはこのように注文しています。

「我々は2つの大会に勝った。その要因はひとつしかない。この選手たちの集団だからだ。皆が試合に出ようとしていて、トレーニングでも素晴らしかった。彼らがメンバー入りしたかどうかにかかわらず、選手たちが作り出した雰囲気は、見たことがないほどで、それが2つのコンペティションで優勝できた理由なんだ。」
「いつも同じ11人で、決勝まで勝ち進むのは絶対に不可能だ。誰もが自分の役割を果たしている」

この言葉に、昨今ビジネス業界で注目を集め、ときに誤解されている「心理的安全性」が現れています。

心理的安全性の特徴


1)チームとして同じ目的に向かっていること
2)チームメンバーが役割を認識し、パフォーマンスを発揮していること
3)誰一人残らずチームの一員なのだとリーダーが示し全員が理解していること

ビジネスにおいて心理的安全性の高い部署を作ろうと思う時、リーダーはクロップから多くを学ぶことができます。

心理的安全性を作り上げるためにすべきこと


リーダーは以下のことに気を配れば良いだけです。なお、以下の5点はリーダー自身にも当てはまります。
1)目的・目標は明確で共有されているか
2)メンバーは自分がすべきことを理解しているか
3)メンバーが努力しているか、また努力できる環境にあるか
4)孤立しているメンバーはいないか、傷ついているメンバーはいないか
5)自信を失っているメンバーはいないか

抵抗するメンバーの特性と対処法


リーダーがこういう組織を築こうとする時、抵抗するメンバーは次のような特性を持っています。
・排他的
・既得権益に執着している
・強い妬みの感情を持っている
・その組織が置かれている環境や目指す目標に対して個人の能力が大きく不足している

こうしたメンバーは、根本的な改善を短中期的に行うか、チームからの離脱を促すべきだと思います。

いずれの場合も、そのメンバーへの愛情とチームの目的・目標への情熱を心に持った状態で事に掛かるべきです。中途半端では傷つけるだけです。

まとめ


心理的安全性は、自分勝手やぬるい馴れ合いを許すものではありません。
強い組織を作ることがリーダーの役割であることを忘れず、目的の共有やトレーニングを怠らないことが重要で、その上で結果だけを求めるのではなく、プロセスを円滑に進めるために心理的安全性の概念を用いましょう。

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