見出し画像

Tシャツの英語にご用心

今朝、歯磨きをしながら、自分の着ているTシャツに「ニュージャージー」と英字で書かれているのを見て、「このTシャツ、ずいぶん長いこと着ているなぁ」と思った。

ちなみに、わたしはTシャツを三軍制にして保管している。
一軍は、旅行や(わりとちゃんとした)外食に着ていく用。
二軍は、一軍ほどではないが、美容室レベルにはギリ着て行けるもの(=ほぼ普段着)。
三軍は、言わずもがな、二軍以下。やがて捨てられる運命にあるもので、主に部屋着として着用している。
とは言え、三軍を馬鹿にはできない。なにしろ、使用頻度は最も高いのだから。
今朝の「ニュージャージー」にしても、もともとは一軍だったこともあり、愛着は充分にあるし、近所のスーパーになら余裕で着て行ける。

最近は無地の洋服を買うことが増え、あってもワンポイントの模様程度に抑え、できるだけ他の服に合わせやすいベーシックな色を選ぶことが多い。「ニュージャージー」は今よりずっと若い頃に買ったものだから、今の自分の顔にはあまりマッチしていない。色はピンクだし。

ところで、若い頃は英字の意味をまったく考えずに服を購入していた。
おしゃれ! と思って購入しても、実際にはとんでもなく可笑しな意味を持つ英語を胸に歩いていたこともあった。
特に、海外に行ったときなどは恥をかいたものだ。

マレーシアの街を一人でぶらぶら歩いていたときだ。
急に現地の男性が、馴れ馴れしくわたしに声をかけてきた。気安く肩まで組んできた彼は、わたしのTシャツを指差して、なにやらニヤニヤしながら言葉を発したのだ。
異国を一人緊張して歩いていたわたしは、スリや詐欺被害に遭わないよう細心の注意を払っていたため、すぐさま男性の腕を振り払い、冷たい視線でさらっと無視してその場を去ったのだが、それでも少し気になって、ホテルに戻ってからあらためてTシャツを眺めてみた。

わたしの低い英語力でも、おおよそ理解できた。
「彼女のことをいつでも思っています――」
あー、だからか。あの男性は「誰のことだよ?」みたいな声掛けをしてきたのだ。現地人に茶化された若かりし日の自分。

そして、妻にも同じような経験があったらしい。
学生時代、仲間数人と卒業旅行でシンガポールに行ったらしい。
妻は仲間の一人に、「そのTシャツ、かわいい! 貸して~」と言われ、持参していたTシャツを1日貸したのだという。
そして、そのTシャツを着た友達を含めた仲間たちと一緒にエレベーターに乗っていると、周りの外国人から笑い声が聞こえたらしいのだ。
クスクス、クスクス。
どうもTシャツに問題がありそうだということになり、みんなで調べてみることに。
「なんだ、なんだ? なんて書いてあるんだ?」

すると、何ということでしょう。とても言葉にはできない下ネタが書かれているではありませんか!
その卑猥さに、思わずその友達は涙してしまったとのこと。
言葉にはできないと言いつつ、しれ~っと書くと、「いつもあなたのことを考えて一人でしています」だったそうだ。こりゃあ、泣いてしまうのも当然だ。
どうやら〝可愛い〟が通用するのは、日本国内に限ったことであったようだ。

さて、先日、ミスチルのライブに行って来た(妻が昔から大ファン)。
今回のツアータイトルは、「Mr.Children tour 2024 miss you arena tour」。
会場に着くと、妻に連れられ、真っ先にグッズ販売の列に並び、タオルやらトートバッグやらを買った。

あっという間にライブは終わり、シャトルバスで駅まで向かう。
各々余韻に浸りながら、徐々に現実に戻っていく。
さすがミスチルだけあって、到着した駅前には何台ものバスが並び、そこでたくさんの人たちが降車し、駅周辺に散っていくのだが、そこでわたしは見てしまった。

みんな同じTシャツを着ているのだ。
しかも、Tシャツには「miss you」の文字が。
目の前の人たちが、みんな「miss you」。
タオルを首にかけている人なんて、〝ダブル「miss you」〟なのだ。

意味は知っているが、一応翻訳アプリで確認すると、「あなたがいなくて寂しいです」。
念のため、ウェブ検索でも意味を調べてみると、「またね!」や「あなたに会いたい」などという意味や使い方も出てきた。

駅に突如として現れた、miss you 集団。
たまたまわたしたちはTシャツを購入していなかったけれど、会場から離れると、こうも異様に映ってしまうのか。会場では着ていないほうが目立つくらいだったのに……。
方々に散って行ったミスチルの同志が、あちらこちらで海外の方に「誰のことだい?」などと言われていないか心配になるわたし(過去のTシャツエピソードの影響大)。
そして、今後ますます英語が印字されたTシャツを買わなくなりそうな自分。

と言いつつ、現在着用しているTシャツにも、まんまと英語が書かれているではないか~!
何が無地のものを買うようになった、だ。まだまだ〝ドジャース〟並みに大きなサイズの英字を胸に生活しているではないか。
さっそく意味を調べてみることにする。

「Currently」
意味→「現在」。

これは、今を生きろっていうメッセージなのか?!
変な意味ではなかったことにひとまず安堵。

みなさまも、英字のお品物にはくれぐれもお気をつけください。
そして、今を生きましょう。
miss you!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?