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D2Cは本当にDirect to Consumerなのか?vol.4~成長とブランドの変化~

 僕がD2Cのスタートアップで働いているため、D2C企業内部からの目線でD2Cについて思うところをつらつらと述べていく。

vol.3では、D2Cに対して僕が信じていた神話と、D2Cの事業成長について語った。また事業成長するにつれて顧客のブランド理解とブランドの顧客理解が希薄になると主張した。

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今回は実際に僕が働いている企業が同じような状況に陥ったため、経験をもとに述べていく。

顧客の変化とブランドの変化

 事業成長をするということは新規獲得をすることであり、すなわちその入り口として認知を拡大することが重要である。その方法も様々であるが、最も早くそして大量の認知拡大が見込めるのはやはり広告だろう。前例に漏れることなく僕が働く企業も、集まった資金を広告に投資した。

そして順調に認知拡大を成功させた。すると今までには見なかった顧客を見ることになる。僕は顧客に同様の質問をいつも投げかける。

「ブランドのことをどうして選んでくださったのですか?」

以前であれば「D2Cに関心があって」「ブランドのコンセプトに惹かれて」「社長の人柄や発信に魅力を感じて」という方が多かった。

広告で認知を拡大した後は「広告で見たから」「なんか良さそうだったから」という方が増えた。もちろんそこからブランドを理解してくれる顧客もいるだろう。しかしそのほとんどはブランドを理解しようとは思わず、ブランドとコミュニケーションなんて夢にも思わないだろう。

コミュニケーションが一方通行になったと感じた。そして後者がブランドに求めるものとブランドへのメッセージはもっぱら「安くてなるべくいいものを」だった。

「そんなものしか求めないやつはうちの顧客じゃない!うちはうちらしく以前のような顧客を大事にすればいいんだ!」急速に成長している企業でこれを言える人間がどれほどいるのだろうか。ブランドは新しい顧客に合わせ、「安さ」を重要視するようになった。

ブランドが変わった。僕は違和感を抑えきれなかった。

「vol.5~D2Cの急成長と忘れ物~」でこのあとブランドがどうなっていったか?そしてその間に何か忘れてしまったものはないか?について書いていこうと思う。

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