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手織りのふっくらとした風合いが心地よい。暮らしに優しく、長く寄り添うtrois tempsのものづくり

ー作り手

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「trois temps」(トロワ トン)とは、フランス語で「3拍子」という意味です。 素材・デザイン・商品、trois temps・商品・お客様など「3」のバランス良い調和により、 更に新しいものが生まれてくる楽しみを考えつつ物作りをしています。

素材だけでも、デザインだけでもない、『3』つの要素や視点があることで生まれるものや調和の取れた心地よさ。trois temps(トロワ トン)さんのアイテムはものの素晴らしさだけでなく、作り手と使い手の良い関係を紡いでくれます。

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ひとつひとつにゆっくりと手間をかけて手織りされた緻密なパターンが美しく、どんな装いにも馴染むアイテムが並びます。素材の特性を丁寧に見極め、アイテムごとに最適な手仕事が施されているのです。

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デザインに関しては、「手織りに見えない手織り」と言えるかもしれません。いわゆるクラフト・手作り感たっぷりの織り生地でその工程と手間をアピールするのでは無く、パッと目に入った時に「カワイイ」「ステキ」と思っていただけるデザイン性を重視しています。そして、それを実現しているのが「手織り」という手法で制作している、というニュアンスです。

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柔らかな風合いと丈夫さが両立されているのは、糸の調子をその都度確かめながら織っていくことができる手織りならでは。繊細な作業の一方で、瞬間的に『いいな』と感じさせるデザインの工夫、その軽やかさが魅力のひとつではないでしょうか。

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trois tempさんの使用する糸は、リネン、ラムウール、カシミヤ、または素材が混ざっている意匠糸など、仕上がりの良さを追求して厳選された糸を目的に合わせて使い分けていらっしゃいます。

その中でも、コースターやバッグには、糸の端材である『落ちわた』を使用されているそうです。

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日本国内の紡績工場で糸を作る際に機械には通らなかった「落ちわた」の中かから繊維の長い物を集めて100%でもう一度紡ぐ、というとても手間のかかる製造方法の糸を使用して、trois tempsの希望に合わせた太さに作ってもらっています。なので、通常のコットンよりもふんわり柔らかな手触りの生地に仕上がります。

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みなさん驚くのは、バッグの見た目とは全然違う「軽さ」です。見た目がずっしりしてそうでゴワゴワしてそうですが、実際は柔らかくて軽いのが特徴です。それでいて、男性がかなりの重さを感じる荷物でもしっかりと持てる丈夫さもあります。なので仕事用に使っている方も多いです。

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出来上がった作品を見ると、元が端材だったとはとても思えないほどの仕上がり。通常なら処分されてしまうものを使って、すばらしいものを作る。この方法の中にも、ものづくりに対する思いが表れているようです。

そもそもなぜtrois tempsさんが今のような制作活動を始められたかについて、もう少しお話を伺いました。

ーものがたり

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trois tempsを始める前までは、企業で10年以上アパレルのデザイナーとしてを仕事していました。その経験の中で目まぐるしいスピードのスケジュールで作られ消費されていく商品、中には消費されずに処分されてしまう商品を見ていくうちに、もっと大切に作ったものを長く使っていただけるものを制作したいという思いが強くなりました。
せっかく素晴らしい素材やアイデアを見つけても、さまざまな理由で世には出せないものがたくさんありました。製造するには効率が悪い・または効率よく量産にするにはとてもを消化しきれない量を製造する必要があるなど。また、ほんの少しのデメリットのために素晴らしい面は潰されてしまう。

手軽で便利なもの、可愛らしいものが絶えず流通する現代の暮らしの中で、誰しもが一度はものとの関わり方に思いを巡らせたことがあるはずです。trois tempsさんはそんな流通を作り出す側として、大きな迷いを抱えていました。

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そんな中出会ったのが「手織り」でした。そこでデザイナーとしての独立をきっかけに少しづつ手織りによる生地作りを始めました。手織りは好きなものを必要な量だけ作ることが出来るので。

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30歳を過ぎ、企業から離れてゆっくりとものづくりをしたいと考えた時に、お母様が習っていた手織りに注目されたそうです。お母様が織られた手織りのカシミヤのマフラーを手に取った時、その柔らかさと空気を含んだふんわりとした手触りに衝撃を受け、trois tempsが始まりました。手織りならば好きなものを好きなだけ、自分の素直な気持ちと責任の中で作ることができます。その自由自在さに『これしかない』と強く納得されたそうです。

ー想い

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コンセプトにもある「3」つの調和を考えると、どれも欠かすことはできず、また何か一つだけにとって良いもではダメでそれぞれにとって絶妙のバランスで良いものではないと、長く愛される「モノ」はできないという思いが強くあります。見た目は良いバッグでも使いづらい、値段を安く作るために生産者が辛いお思いを強いられてしまう、逆に中身や質に伴わない値段の商品を販売する、などなど良くない連鎖では続かない。

携わる人々がお互いに楽しいと思えるtrois tempsであり続けたいと思っています。

作り手は長く作り続け、使い手は長く愛する、誰にとっても無理のないものづくりであるために、『3』の調和を真摯に守られています。『携わる人々がお互いに楽しいと思えるtrois tempsであり続けたい』というあたたかな想いは、手織りを愛する気持ちと、生き生きとしたものづくりへの熱意が強く感じられます。

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トラッドなパターンに鮮やかな色が合わさり、ほっとするけどどこか元気になれる「trois temps」の手織りのアイテムたち。ご機嫌なひと時を演出してくれる、あなただけのお気に入りをぜひ探してみてください。

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ー作り手情報




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