汚れた街で生まれたの

元々私は報われない人に恋をしやすくて叶わない恋ばかりだった。好きな人にはとことん一途で、どれだけ叶わないと分かっていてもずっと好きでいた。そのせいで両思いとか付き合うとかそんな経験は少なくて漫画や映画を観て憧れが募る一方だった。

「恋人」ってお互いが強く愛し愛される関係だと思っていてその関係になることはすごく難しいと思っていた。だけど、「誰かを忘れる為に付き合う」ことを私は知ってしまった。恋人なんて別に片方が付き合おうと言ってしまえば気持ちがなくたって、未来を信じていなくたってその肩書きは簡単に背負えてしまう。恋人を作ろうと思えば長続きするかはさておき一時的に作ることは安易。私は忘れられない人の穴を埋める為に付き合った。一心不乱に穴を埋めた。だけどその度にどんどん穴が大きくなっている気がしてすごく怖かった。本気で好きと言えない人の隣で好きだと思い込んで、頭には違う誰かを思い浮かべている。自分が醜く見えた。

そんな中初めて本気で好きだと思える相手を見つけたのに裏切られて、何が恋か愛か全く分からなくなってしまった。私はまた普通に誰かを愛すことが出来るのかな。

綺麗な私が好き、素直な私が好き。そんなの知らないよ私はこれからたくさん汚れて色々な不幸を吸収して可愛い女の子になる、ずっと大事にしていた自分の身体をこんな簡単に傷付けられたからどうでも良くなってしまった。闇のあるくらいがちょうど良いじゃん、可笑しいくらいが可愛いじゃん、周りを見れば汚いことだらけで狂いそうだよ、

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