18歳

先生のことが好きだった中学生の頃、早く成人したいと誰よりも強く思っていた。自分の年齢にたくさん傷付けられたせいで年齢に対して過敏になったし自分のコンプレックスにもなった。

私はあと一週間で成人、18歳になる。やっと、あんなに願っていた18歳になる。全てのことが合法になる。その事実に救われる反面私の心の中には先生との未来がないから「今更意味ないんだよな」と思ってしまう。先生が好きだった中学生の頃には考えられなかったことをたくさん経験してきて、俯瞰して先生を見れるようになった今、私は素直に先生を好きだと思えなくなった。これが私が大人になった証なんだと思う。あの頃には見えなかったことが見えるようになった。「先生と生徒だったから先生を好きになれた」という言葉に酷く納得出来た。きっと今先生に出会っても好きになれてないと思う。

先生との方が私より年齢が近いような大人に騙されて遊ばれて、先生が私にしてきたことを考えた時、きっと先生もあんまり良くない大人なんだろうなと思った。距離感は先生としての距離感のままだったのかもしれないけど、期待するようなことが無ければ人は誰かを好きにならないと思う。人が人を好きになる時って少なからず可能性を感じているはず、可能性を全く感じない人に恋愛感情を抱くってかなり難しいと思う。そう考えると先生は、生徒に対して可能性を感じさせる隙のある大人だったと言えるしそれは教師として良くない態度だと思う。

本当はすごく悲しい。あの時裏切られなければ変わらずに先生を好きでいられたと思う。口実を作らずに先生に会いに行けるチャンスだって掴んでいたと思う。だけど私は先生に会わない選択をした、ずっと好きだった先生は思い出の中にしまっていた方が良いと思った。私が先生に捧げた五年間に泥を塗られたような気分だけど、これが大人になるということなんだと思った。

18歳になったら先生に会って真っ直ぐ気持ちを伝えようと思っていたけど、今はそう思ってないよ。先生と向き合える年齢になって、私は色々なことを知ったよ。私が一番好きだった人には変わりないです。あの頃の私の原動力になってくれてありがとう。

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