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ソフトウェアエンジニアとしてアメリカに引っ越した①上司への相談からビザ書類作成まで

noteはじめました。
このたびアメリカ西海岸(カリフォルニア州サニーベール周辺)へ引っ越したので、少しずつ記録を残していきます!

まずは「アメリカへ行く挑戦をしよう」と思い立ってからビザ申請の書類を仕上げるまで、時系列で振り返ってみます。

2021.05 そうだアメリカ、行こう

あまり覚えていないものの、夫とそんな話をしたようです。前々から夫に海外で働きたい意欲があるのを感じていましたが、私はあまり何も考えておらず、もし彼が海外勤務になったら着いていくかーくらいの気持ちでした。しかし「一度二人で海外進出に挑戦してみますか!」ということになったので、たまたまJFrogという外資企業に所属しており、かつ上司がアメリカにいた私も、出来ることがないか探ることにしました。
夫のお仕事事情には触れません(きっと彼もnoteを書くはずだし)が、先にビザが取れた方に合わせて引っ越そうねとお互い頑張ることに決めました。

ということで最初から海外移住狙いでJFrogに入っていたわけではなく、完全に予想外の結果です。ちなみに、JFrog Japan(渡米前の所属)ではデベロッパーアドボケイトという仕事をしており、登壇や執筆、イベント企画などを通して製品やDevOpsの考え方などを広めるようなDevRel系の仕事をしていました。

2021.06 上司に相談

早速、1on1でアメリカの上司に相談しました。このとき入社2年経ったくらいで、いきなりの渡米は早すぎる気がしたので「この会社にいたらいつかアメリカに転籍することは可能ですか?」と将来の可能性を探りにいったところ、「できると思う。いいね。関係者に確認してみる」とすぐ承諾してくれました。これを機に色々と社内調整やビザ申請に向けての準備などが始まります。

渡米までのTODO

ここからは上司と共に洗い出したタスクを少しずつ進めていくことになります。

  • 異動先を決定しメンバーに会う

  • デベロッパーアドボケイトの後任を見つける

  • 社内承認を得る:これは2022年4月頃までに上司がやってくれました

  • ビザを取得する

  • 実際に引っ越す

2022.01 異動先が決まったり新チームのメンバーに会ったり

今回は同じ上司の抱える別のチームに異動する形となりました。その方が働きやすいだろうという上司の計らいもあるでしょうし、弊社のエンジニアリングに関する仕事はほとんどイスラエルに拠点を置いているので、アメリカへ移るとなるとどのみち高確率でそうなったという事情もあります。
もちろんヘッドカウントがあいていたのと、私のJFrogでの経験をふまえての異動ではありますが、試験を受けて全く別の組織に入るようなパターンとは異なりかなりラッキーなケースに恵まれたと言えます。入社以来、いや入社前からこの上司にはお世話になりっぱなしです…。

紆余曲折あって新チームでは開発に携わることになりました。ただ、日本でのDevRelらしい活動を続けようという話もしています。少しでも、日本から移った私だからからこそのバリューを出していきたいですね。
こうした相談の過程でリモートで新チームのメンバーにも会って、異動が大丈夫そうかとかどういうプランで進めるかみたいな話をして来ました。

2022.06 新しいデベロッパーアドボケイトの入社

11月頃よりかけていた後任の募集ですが、なかなか苦戦した末、ついによしQさんがジョインしてくれました。
日本でデベロッパーアドボケイトを見つけるのは難しいですね。職種の知名度も比較的低いでしょうし、ものづくりとは異なる活動に携わっていきたいエンジニアを見つけるのは容易ではありません。リファラルで採用しようとしても、一般的なエンジニアより声をかけづらく感じました。つまり、DevRelの仕事に少しでも興味がある方はきっとチャンスだらけなのでそれ言っていこう!という話は本題から逸れるのでやめておきましょう。とにかく、良いご縁があって嬉しいです。

2022.05-08 せっせとビザの申請書類づくり

社内調整が済んでからはとにかくビザがちゃんと下りるか不安な日々を過ごすことになります。結果としては想像の何倍もあっさり済んだのですが、JFrogがL-1 Blanketビザ(一定の条件を満たした大企業が申請できる。プロセスが少しショートカットされる。というざっくり説明…)を使える企業であったことも要因としては大きいかもしれません。また、必要書類を揃え申請するのに専門の会社が入ってくれたので、おかしな英文や書類不備といった心配がなかったのもありがたかったです。
主にやったこととしては、ゴールデンウィークに英語でたくさん作文をしたのと、8月末の大使館での面接です。

書いたもの

  • 最新のレジュメ(一般的な企業に提出するようなもの)

  • 上記レジュメとは別に記述した詳細な職歴

  • 氏名や住所などのプロフィール

  • 最終学歴、アメリカ渡航歴、犯罪歴など

  • 結婚に関する情報

前述の仲介業者が用意してくれたフォームに上記のような内容をひたすら書きました。あとから見返すと、一部の情報は申請書類には不要だった気がします(でも面接で使いました。次の記事で触れますね)が、言われるがままに埋めました。

自由入力だった職歴はどのくらい書いたらいいのか分かりませんでしたが、仲介業者がよしなに選び取ってくれるだろうという魂胆で、職場ごとに1-2文の箇条書きを5-10個ずつ書いておきました。そして、それとは別に "Specialized Knowledge" として自分のスキルについてもアピールしました。このSpecialized Knowledgeがビザ申請ではかなり重要なようで、私の場合はJFrogで学んだDevOpsやDevSecOpsのこと、以前バックエンドエンジニアやプロジェクトマネージャーとしてやってきたこと、コミュニティ活動などについて記述しました。こちらも適切な分量が不明でしたが、職歴と同じくらいにしておきました。

もし、今ビザについて調べていてたまたまこの記事にたどり着き、何をどのくらい書いたらいいか分からないと悩んでいる申請者の方がおられたら、内容をお見せできるかもしれないのでihcomegaまでご連絡ください笑。助け合い🤝実際私もサンプルが欲しくなったりしたので…。

ベストを尽くして文章を仕上げたら、あとは例の仲介業者が素晴らしいドキュメントにしてくれます。職歴やSpecialized Knowledgeについては、多少英語を自然にしつつ大事なところ・新しめの経歴を中心にまとられており、特に、JFrogの考え方や製品を学んで来たことが差別化要因として強調されていました。
また、私はリベラルアーツという文系学部出身でコンピューターサイエンス系の学位を持っていないのですが、「Ayanaが社会人になってからやってきたことは、アメリカでCS系の大学を卒業した場合の知識・経験に相当します」といった旨の文書が添えられていて驚きました。これは、先に述べたビザの仲介業者とはまた別の専門機関が作ってくれたものです。アメリカでは大学や大学院で学んだことに直結する仕事を選ぶという理解なので、そこが乖離している私のようなケースでは、「能力があるよ」という第三者に寄る裏付けが必要だということですね。

なお、夫の配偶者ビザ(L-2)も一緒にお願いしたので、夫も同様にレジュメ作成や職歴の作文をしていました。でも、出来上がったドキュメントを見るとあまり使われていないような気もしました。仲介業者に配偶者の職務情報を求められても、省エネモードで作成すれば十分なのかもしれません。ちなみに、2021年11月頃からL-2ビザの保持者も普通に働けるようになったそうです。以前はEADという就労許可証が必要だったとか…。

その他提出したもの

また、作文のほかに必要書類を集める作業もありました。犯罪歴がないことの証明書とかも提出必須かと思ったら不要で、この時点で用意すべきは下記のみでした。

  • 会社の組織図:自分の周りの階層構造が分かるようなものを社内の人事ツールから出力しました

  • 身分証明書(パスポート)のコピー

  • 住民票の写し(これが婚姻の証明書にもなる)

  • 最終学歴の卒業証明書

そしてビザ面接へ

私の書類が出来たら、会社が用意してくれる書類の完成を待つのみです。最終的には8月中旬にすべてが出揃いました。
なお、出来た書類は大使館への面接に持ち込む必要があるため、印刷せねばなりません。ものによっては3部必要だったりするのでややこしいものの、これも仲介業者さんが用意してくれ、アメリカから郵送されてきました。感謝…

振り返ると、はじめに打診してから書類が出来るまでで1年ほどかかっています。おそらくコロナの影響は特に受けておらず、社内の調整に時間を要した結果だと思っています。正直なところ、進みが遅くて「本当に大丈夫かしら」と思ったことが幾度もありますし、何より周りの人に心配されました。
ただ個人的にあまり急ぐ気持ちはなく、9月下旬に始まる大好きな髭男の全国ツアーより先に渡米できたらいいな(9月はさすがに日本にいないだろうと思ってチケット応募せずに諦めたので、「結局参戦できたじゃん」ってなりたくなかった笑)と思っていたため、間に合って良かったです…笑。

さてその後、ドドド緊張で乗り越えたビザ面接については次の記事にします!無理なく続けたいのでちょっとずつ書いていきますね。キリも良いし今日はここでおしまいでーす。

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