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ギリギリガールの激痛モンブラン (๑•̀ㅂ•́)و✧ UTMB2019 完走記。

ギリギリガールUTMB2019参戦記。関門15分前、46時間15分04秒にて完走。もう3年の前の事、相変わらず誰が読むねん長文!笑 一冊の小冊子にすればよかったー!テキな!笑 あの日応援してくれた皆への恩返しと、今だからこその恩送りを。


#01  抜き打ちチェック受けるの巻

荷物預かり〜スタート

ホテルを出て、デポ会場へ。イラスト表記などでわかりやすい。全く並ばずでデポの荷物を預けて、スタート地点の広場へ。関西メンバーで集まって写真撮ろうと声がけしたら、まさかの抜き打ち荷物チェック。前日受付ではランダムのギア5つだったのに、まさかの全部。くっそぅ。パッキング大変だったのに!笑 
1人1人やるより、一気にやる方がラクなんだろな、人数のノルマあって狙われたかな、と担当の人が日本語わからないのをいいことに皆でブツブツw 笑

やっとチェック終わった思ったら今度は雨。え?さっきまで晴れてたやん!と、皆であわてて観光所に避難。もしかして鏑木さんがスタート地点にきたから?なーんてw 通り雨で良かった。と、再びスタートゲートへ。

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スタート地点ではEIGERでお世話になったYくん、関西から応援のMファミリー、そしてプロトレイルランナーの横峯さんに。18時スタート、もう17時すぎからスマホは繋がらない。凄いなさすがUTMB。まるで大阪のPLの花火や淀川花火ほどの人なのだ。日本のUTMFからは想像もつかない人。
そしてUTMBと言えば。あの名物音楽がかかる。スタートゲートの士気が高まる。UTMBに出るまでIRTA15ポイント(現在は12ポイント)。かつ抽選。

それぞれいろんなトレイルの経験をしてこのスタートに。2300人。観客もいれたら1万人くらいだろうか。さすが世界最高峰のお祭り。
皆のエネルギーが集中する。
それぞれの想いを抱えて。
ここにいる皆が無事完走できますように。いざ行かん。

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#02 完走の命運を分けた神アドバイス

START〜U1 レ・ズーシュ

46時間半の旅、18:00いざスタート!
スタートからシャモニーの街外れまで、4km5kmと世界中から来た人たちの応援で連なる。2015の時に応援にきたときに感動したんだけど、ホント凄い応援客。感動。いってらっしゃーい!ありがとー!行ってきまーす!

林道入ったところで、関西仲間の2人が!HくんとSちゃん。わーーー!テンションあがるーーー!林道からのロードで、最初のエイドが見えてきたー!

U1レズーシュ 8km地点 到着。
エイドなのにゲートって大会の規模が凄い。ゲート手前で、Eiger夫婦の嫁のNちゃんにー!

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U1 レ・ズーシュ 〜 U2 サン・ジェルベ

U1出発。
さ。補給してエイドスタート。さてさて。まだまだ序盤ですわよ。
幅の広い林道の登りを歩いていたら、背後から声が。「汗かきすぎやろ!」と、関西仲間のMくんが、私を抜いていく。やっぱり?そう、林道入った途端、設定していたGarminのアラームが鳴って、心肺180だったんだよな。

そして実はスタート前から、アキレスくんが炎症。そしてスーツケースを運ぼうとして、プチぎっくり、大好きなUTMBのあの楽しいブースめぐりを断念したほど。

もともと腰痛持ちで運動のために山ガールになるはずがトレランをはじめた私、長距離は走れない。直前の数ヶ月走ったトレイルと言えば、6月はロードを痺れで中断、7月の月間走行はEiger50kmのみ(1ヶ月周遊旅)、8月は生駒行くも途中でビールを飲んで終了w、ただでさえ腰がもたない上に、2018信越で筋断裂か骨折のひどい捻挫をして2年なおらず、もうこの2年下りも走らない、と決めていたのだ。

にしても人より汗かきとは言え。痛みに耐えていた冷や汗と、大会あるある、やっぱり飛ばしすぎか、かなり先頭集団からスタートしたしな、と我に返って、ペースダウン。Mくんの神アドバイス、ありがとう。

数年後、UTMBの話になったときに、Mくんに俺のおかげでお前は完走できたんやぞ言われたけどw、それはホントやと思うー!その時前後してた人は、皆熱中症などでリタイア。気づきにくい自分自身のこと。ログは動かしてなかったけど、心肺チェックはしてて良かったし、彼のアドバイスや、その後もとことん人に恵まれて完走したんだと改めて。

陽が暮れゆく空があまりに美しくて、GoProで動画撮りまくり(YouTubeにするはずw)途中の私設エイドに感動したり。途中の写真ないトレイルは全く記憶になw
この林道で、全然知らない日本人ランナーに、宇多田ヒカルに似てるって言われません?と。え?今?レース中中ですけど、と心ツッコミw

22km地点、U2サン・ジェルべ到着。
愛知のNさんと一緒になる。割に貯金ないよね、と、関門22:00の21:21着。確かに。関門貯金40分。気持ち焦っちゃうね。でも食べれるものは食べておこう。

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U2 サン・ジェルベ 〜 U3 ル・コンタミ

U2出発。
あれ?渋滞、とUTMB LIVEで自分の順序確認。

UTMBの出走条件として、携帯電話がつながることが前提。SIMカードトラブルで危うく出走の危機もありーの、緊急時や天候によっては、UTMBでは、レギューレーションが3パターンもあって、これがショートメッセージで通知が来ます。(SIMが繋がらず街、観光できず街で探しまくってSIMカードGETに1日費やしたので、不安な方は2枚用意を)ちなみにSIMカードは、日本で欧州向けのものをアマゾンなどで入手していくよー。

ちなみに、私はUTMFでもこういう順位チェックはしてます。なぜなら、大抵の大会は8割完走、だから。よっぽどじゃない限り5割をきることはない。なので、目安を見ておく。自分の実力なのか、渋滞なのか、天候によるものか、と数字で冷静に判断する。ここの順位は、2231番とスタートからおそらく2000人には抜かれた(くだりは歩き)かな。スタートは、ゲートの真前、たぶん200番台だからね。笑 でも最後尾ではないし、焦っても仕方ない。とにかくマイペース。先は長いんだ。補給しっかり。夜間の写真はないので、トレイル記憶なし!笑 

日没は20:30。写真はiPadに移して残してたけど、と、写真見て撮影時間がわかる今の技術ってすごいなー。あと、エイド食、こんなんだったんだな、
あとFBメッセンジャーの検索機能!こんなメッセージ貰ったなぁ、とか、改めて。

U3 ル・コンタミン 31km地点 到着。
エイドキター!きゃーあ、Nちゃん!いぐちゃん、コーラ要る?お湯もあるよ、って海外レースのエイドで、友達に会えるってホント感動なんやけど!ちなみにさきほどのMくんの奥さん。ツアーでもなく、1人でサポートにまわる、この行動力!素敵すぎる!

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エイドで、ずっとサラミやチーズをカットしてくれるスタッフ。以前から関西では私企画で、薫さんも招待してレース前に壮行会、終わったら打ち上げをして、その時に皆から、もうこのコンソメスープの香りで吐き気が、と話も聞いていたけど、こうやってひたすらカットしてくれてる姿には感謝しかない。どこかのエイドじゃ、すいかカットしてるスタッフの360度まわりで、ランナーが手をのばして頂いてたけど、日本じゃありえないレイアウトだよね。笑

23:22IN 23:30 OUT / 12:00関門。 相変わらず 関門貯金30分相変わらずタイト。ずっと関門に追われてるなw  (UTMBは、UTMFと違って関門通り行くと完走できると知ったのは、日本に帰国してからw)

U3 ル・コンタミン 〜 U4 ラ・バレル

U3出発。
エイド出たところで、凄い観客、凄いウェーブ!いえーいノリノリ!凄いなー、夜中だぜ?UTMFのゴールよりほんま凄い。ここはイタリアか?(フランスでしたw  CCCの時、イタリアのエイドは音楽ガンガン全員踊ってて、日本のトレランレースも盛り上がって欲しいなーってのが、私があちこちでボラをする理由です)いやーチビッコたちまで、ホントありがたい。

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U4 ラ・バルム 〜 U5 シャビュー

U4 ラ・バルム 出発。
おおーーーー。まるで、六甲縦走の馬の背!永遠とランナーのライトが連なる連なる。ホント森林限界なんだねぇ。ライトと星の境がない!綺麗だけど、気は遠くなるやつ!だって関西やUTMFでも、こんなんないもーん!唯一、阿蘇の夜中に、え?あそこまで登るの、って思ったけど、それも何倍もの登り。

あ!無事カエルくんーーーー!と思ったら関西仲間のKさんに追いついた。ちょっとしんどそう。高山病かな?なんて人の心配してる余裕はない。登りは追いついたけど、下りはオール歩きと決めている私、また置いてかれる。いやいやめげるな、私。

U5 シャビュー  4:01 in 4:22out / 5:15関門
エイド到着!と思ったら、ほぇ、ギアチェック?英語わからなくても、わかりやすいイラスト!レインとスマホとエマージェンシーシート?関門追われてる身としては、ちと焦る。けど後から思えば、危険エリアに行くからこそ、なんだよね。命守られてる感、半端ない。にょにょーん!街の建物がおしゃれだぜ

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#03 夜が明けて。人生最強の絶景。

U5 シャビュー 〜 U6 コンバル湖

UTMBに出て良かった。
18時スタートの夜があけたら、そりゃもう美しい夜明けで。ただただ見とれる。どれだけ写真撮るねん、どれだけ動画撮るねん。(動画はYouTube編集予定)感動、とにかく感動。171kmの中で、ここがいちばん美しかった。

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あとから知ったけど、ここのセーニュ峠は、悪天候時はコースカット、コースになっても霧やらで何も見えないことがほとんどだそう。そしてトップ選手や速い選手はもちろんここは真っ暗。滋賀の族長に、え、そこで夜明けでゴールできたん?っておーいwwww  皆はもうイタリアのクールマイユールですってさ。なんて私はラッキーガールなんだろう。それこそ、ギリギリガールの特権やーん。この景色が忘れられない。

そしてまたすぐ登り。もうひとつのピークがw 登りは追い抜きたくなる、けど、こんなとこで抜いても仕方ない。どうせくだりは歩くんだから、と動画撮りながら。わーぉ、雪渓。そりゃ寒いはずだわ、8月末の登りなのにウィンドシェル。さっきのセーニュ峠が、なんと標高2500m、フランスとイタリアの国境のようですな。と、3年たって今、知る(笑)

自分のチャートには「国」を入れるのは忘れてたのは、失敗。せっかくフランスをスタート、イタリア、スイス経由のフランスゴールの凄いレースなのにね。

スクリーンショット 2022-07-14 10.58.38
UTMB 公式タイムチャート

うきゃうきゃ喜んでるのは束の間。ここからのガレ場が、ただただ小石すら足首がアウトな私には、もう地獄でしかない。後ろから走ってくるランナーで小石がガラガラ落ちてくる。こえーよ。
そして、いったいもう何人に譲ってるんだろう。中度難聴な私にとっては、背後からの足音聞こえんし、ずっと振り返って背後ランナー確認しながら譲りながらのくだり。長い、長いどーーーーーー!笑
ここ阿蘇(ART)のラストに似てるなーと思ったら、お花畑からのエイドキター!

U6 コンバル湖 到着。
8:48 IN / 10:00関門。65km地点、自分で作ったタイムチャート44時間ゴールと46時間ゴールのちょうど間。45時間ペース、と確認しながら。

U6 コンバル湖 〜 U7 セーニュ湖

U6 コンバル湖 出発。
キャーーーーーナニコレーーー!美しすぎる!この湖よ!ミラーになってるやーん!そして登りは牛さんたちがいっぱい。いやもうご機嫌すぎて、めずらしく自撮り、SNSに投稿。こんな綺麗だなんてー、とのぼりきったら、ランナーとスタッフが。

皆が写真撮ってる。
え?もしかしてこれモンブラン?そう聞いたら、Yes!
ひゃーーーーーー!

今だにMacとiMacの壁紙はこの写真

わーーーーモンブラン!
シャモニー側のまんまるいおやまとは全然違う!イタリア側はモンテビアンコって言うんですって。フランス シャモニー側は1枚目の写真で雪に覆われたまぁるい優しいおやまなのに。美しい。そしてかっこいい。あなたが世界中のトレイルランナーを魅了するモンブランかーー!



このスタッフに撮って貰ったこのブログのトップページの写真は、人生最高のショット。いやん、もうレースだなんて惜しいけど、レースだからこそ見れたこの絶景。ご機嫌で先をゆく。後半にアルプスの洗礼を受けるなんて思いよらず・・

U7 セーニュ湖 〜 U8 クールマイユール

U7 セーニュ湖 11:00/IN 
太鼓の演奏で出迎えてくれたこのエイド、ここは関門なし、そして4km先にデポ。しかーし、お腹すいてすいて。途中で歩きながら何かを食べると言うのを横着する私。おーーーーパスタじゃん!いただきます!

U7 出発
さ、と向かったクールマイユールへの激下り、階段でなんと。チョウケイを痛めてしまう。やってもたーーーー。まだ半分もきてないのに・泣 階段を後ろ向きに降りながら、わーこれ貯金がどんんどんーーーー。

心友に「チョウケイいためた。もつかなぁ」と泣き言いったら「楽しむことに集中やで」「もつとかもてへんとか考えんとこ」と返事。あはは、笑ってもーた。さすがや。大丈夫?とかじゃないとこが。ありがとう。痛みにフォーカスしたら痛みが強くなるだけだから。楽しもう。今ここ、全集中。

あ。街に降りてきた。そして体育館の入り口に2000個のデポバッグが!いやホントこれ感謝しかないですわよ。いったい大会全体で何人のスタッフなんだろう。


U8 クールマイユール到着!
80Km地点 デポエイド!12:02 IN。えーーと?関門は13:15!滞在可能なのは、1時間ちょい?
体育館はいってまっしぐらにメディカルに向かう。テーピングを。膝?ううん、あれ?チョウケイって英語でなんて言うんだ?思わずぐぐる。ここの機転は我ながら。チョウケイの画像を見せたら、お尻から膝まで完璧にテーピングしてくれたこの兄ちゃん、神!このにーちゃんのテーピングのおかげで最後まで走らせて貰えたよ、ありがとう!

時間がない。時間に追われてる概念が抜けない。フィールドオンアースのサポートは残念ながらスルー(サポートエリアと選手エリアは柵で仕切られてる)靴を脱ぐと、一度しか履いてないdynafitの靴の特殊なデザインでか、足の甲に5cm×3cmの水膨れが。そりゃー痛いわ。皆様、慣れた靴、履こうね。とことんレースなめてるな。笑 仕方ないのでデポバッグに入れてたサロモンに履き替える。

Aちゃんおすすめの3分でできるモンベルのリゾッタを食べながら、iPhoneの充電やらを。すると隣のアジア人の女の子が私のザックのデカ字のタイムチャートを見てたw 外国人にもみやすいはず!笑

そして彼女もモンベルのリゾッタ食べてたよ。すげー!なんで知ってるんだ?アジアにも売ってるのかな。そしてUMTB LIVEで順位確認。ま、あれだけ歩いても最後尾じゃない。30分滞在で、エイドアウト。残り半分!着替えは断念。ってか私、いつ寝れるんだろう・笑  なんせアラームとか聴こえないからなーーーー(UTMFで失敗経験アリ)


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#04 後半戦 スタート!

U8 クールマイユール 〜 U9 ベルトーネ

さ。クールマイユール出発!残り90km!
なーんて、SNSアップしてる私は元気。だって100マイルは旅だもの。いきなり登りかーーーーい!そしてすぐに森林限界。カウベルが聴こえるーと思ったら、牛かい!笑 海外レースあるあるw

U9 到着
ここはウォーターエイド。エイドが細かくてありがたい。しかし暑さで、皆、フラフラ、バテバテ。小屋の日陰で休んでる人もたくさん。しかし。私はくだりも走らないからね。とにかくすすむのだー。お先!前へ前へ。

U9 ベルトーネ 〜 U10 ボナッティ

ひたすら歩きやすいトレイルを。そもそも100マイルのギリギリランナーなんて、もう50km超えたら全員歩いてる。笑
あれ?見たことある景色、と思ったら、おいおい。いぐちゃん。去年歩いてるわよ。CCC 2018、クールマイユールからの後半のコースは同じですわよ、とここでやっと気づく私の記憶力マイナスは最高!


にしても暑すぎる。気温はいったい何℃なんだろう?暑すぎて、チョップ手拭いをほっかむり風に。UTMB必携品には、首をまもる日除けもいるんだけど、なるほど納得。日差しが半端ない。前方に見える山小屋が U10かな。 エイドキター!

#05 あつすぎ。ビール誘惑なボナッティ小屋編。

U10 ボナッティ 〜 U11 アルヌーバ

U10 到着 16:04 IN/ 関門ナシ 45hペース
ボナッティ小屋までが本当に暑くて。こりゃあダメだわ、と山小屋の入り口にあった水桶みたいなところで頭から水を。ここでまたKさんに。ビール飲みたいけど我慢がまん。
トイレが山小屋の階段降りて下で、ひとつしかなくて待ち時間くっちゃった。トイレ前に座り込んで50kmぐらいから発症した両足足底筋膜炎が辛いので、シューズを一度脱ぐ。あーーービール飲みてぇ。笑

あとからBSの番組で知ったけど、ここはモンブランが見えるかの有名な絶景小屋でお料理もとにかく美味しいのだとか?美しい。そして珍しく写真撮りそびれ。ふらふらだったんよな。標高2000mなのに、暑すぎる。男性陣がティシャツぬいで水をかぶってる。羨ましいぜ。もいちど水をかぶってスタート。


U10出発。
ただただ壮大な景色の中、ひたすら景色に感動しながら歩く。遠くに見えるトレイルにも延々とランナーが。前後するランナーも決まってきた。譲ったり譲られたり。


やっと食べ物あるエイドキターやっと30分以上の関門時間余裕が。登りはいーんだけど、くだりがねぇ。のんびりしてる余裕なし。またも先をいそぐ。

にしても関門タイトなレース。UTMBはUTMFの2倍のしんどさ、とよく聞くけど、UTMFを40時間で完走しないと完走できないんだよね、UTMBの関門って。 そこに平均2000mの標高。なんしか酸素が薄い。このUTMBとUTMFの比較で標高の違いが伝わるだろうか。

ちなみに今回の低酸素トレーニングは無料体験の一度だけw なんせ私は無職ぷーたろーw 実力以上のチャレンジだなと思いつつ、ひたすらエイド短縮作戦。したいのに、仮設トイレとかなくて、いちいちトイレ遠いねん!メンズは皆そのへんでしてるからズルいーー

U11 アルヌーバ  17:23 IN / 18:15 関門。
関門貯金1時間。うん、動き続けれてる。18時スタートだったから、そろそろ24時間かー。もう朦朧としてくるとさ、貯金何分、さっきのエイドを何時に出たなんて自分の記憶なんてアテにならないから、エイド毎に必ず写真を撮る。やっと95kmですわよ。思えば随分遠くまできたもんだ。でもまだ95km?もう95km?笑

いぐちゃんのアドバイスを真似て写真撮ってみたら、後からなんの写真やコレってのもあったー!って話をしてくれた友達もいて。ホント私も地面と自分の靴だけ写真だけとかあります(笑)でもほら、大会の記録って、INかOUTかどっちかだけのことも多いから。関門なんて気にせず走れる人は、どーでもええと思うけどね。ギリギリランナーにはマジ大事なのよw

#06 死ぬー!モンブランの魔物、半泣き編w

U11 アルヌーバ 〜 U12 フォリー

エイドを出てUTMB最高ピークフィレ峠へ。美しいーと思ってたら、どんどん雲行きが。ピカッゴロゴロゴロ ポツポツポツポツ ヤバイかなぁとザック置いてレインを着る。確か…去年のCCCもここは雨だった。雨というか暴風雨でスタッフに上下着用しろと言われたような。レインの下も着れないと前に進めない厳しさ。



ハイ、今年も受けましたヨーロッパアルプスの山の厳しさの洗礼。

あと少しでピークってところで、まさかのひょう。雹。まさか、と思ったけど、いてててて。瞬時にBB弾で全身撃たれてるかのような痛みに変わる。やばい。レイン、下も履くべきだった。ランスカで昼間ピッタリ 真っ赤にタイツ型に日焼けしたモモが痛すぎる。もう究極の寒さ。春のUTMF(←2019UTMF)のやばさどころか。ヤバイ。

気温いったい何℃よ。痛いよ痛いよ寒いよ。どーしたらいいん?( ; ; )
ピークたどりついて思わず、テントに入るも人が溢れすぐ追い出される。

Continue?(続行)?と聞くとSure(もちろん)!

下山するしかないのね。さすがUTMB。
雷ごろごろごろごろ…
UTMBの必携レギュレーションが3パターンもあるのは、絶対中止にさせない大会だからだとか?夜だったらマジこわいだろな。もう十分半泣きですが。



皆は速いからもう下山したんだろな。なんて思いながらテントを出る。
雷に打たれるほど運は悪くない、そう信じて。

壮行会で、薫さんに、いぐちゃんヨーロッパの山、舐めすぎ、と言われたことをまた思い出した。笑 そう、モンブランには魔物が住む、と言われていて、どこの街に行こうと、どこのエイドに行こうと、どの応援客にもハイカーにも「ブラボー」と言われるのだ。UTMBに挑戦すると言うのはそういうこと。

標高2400m 雷とBB弾並みのヒョウにやられ。メンタルがやばい。あちこち雨水が増水して渡れないほど。もちろん氷水レベルの冷たさ。

冷たい。
雷 怖い。
そんな泣き言すら通用しない。
これがUTMBか、、、

一人のランナーが大丈夫?と後方を振りかえりながら私を気にかけてくれたけど、(優しすぎる)とにかく下山するしかない。ドロドロつるつるになってしまったトレイルを、時には濁流にハマりながら降りてく。(履き替えたシューズはUTMF、阿蘇を走ってラグがなくなってしまってたオチ)冷たすぎる。雷はいったいいつやむんだろう。

やっと雷が遠のき雨がやみ、なんていうんだろ?空気のチリが静電気を伴い ぐわーーっと移動する。山が迫ってくるような錯覚。途中、チェックポイントあるも、当然スルー、更に下山。(スーパーにある端末でビブのバーコードスキャンして、通過ランナーをチェック。ちなみに誘導はほぼゼロ。)

U12 到着 21:10IN / 22:30IN
雹がふってきたピークから4時間。たどりついたエイドは、カオス状態。殆どの人が凍えてエマージェンシーにくるまってる人でごったがえしている。
私も明らかに発熱してる。着替えるか。ぃゃもう続行しよう。時間の貯金はないんだ。コンソメスープだけ頂いて先にいそごう。にしてもおなかすいたな。UTMFのときも、そうだったけど、雨だとなんも食べれないんだよな。。

雨の時でもほおばれる、小さくて口の広い簡単にあけれるプラボトルにナッツとかは必須。ジェル、ジップロック系は手がこごえて、まず開けれないから。ポール持っていても、グローブしていても簡単にあけれて、ほおばれるやつ。


#07 女神登場!唯一、15分の仮眠。

U12 フォリー〜 U13 シャンペ湖

UU12 エイド出発。
するとなんと
「父が関門間に合わないからリタイアする、だけど私はサポートバスに乗ってしまったから、いぐさんのサポートをさせて下さい」と、Nさんの大学生の娘さんからメッセージが。

彼女とは今年のGWに、トレラン仲間とヨットで海遊びに連れてって貰ったた時に一度会っただけ。海が好きなNちゃんはトレランなんて全く興味なくてヨーロッパだからついてきたテキな 笑。でも、ありがたすぎる。心身ともに凍えて限界超えてる私に、誰かが待ってる、ただそれだけで前に進める。ここはもう甘えよう。

待ってます!

うん。ありがとう。がんばる。ただもう眠いわ痛いわ走れないわ、と思ったら、下りを走らない日本人発見w そりゃもうついていくよ、喜んで。真っ白なチョークのような岩場と、ライトが下までつきぬける断崖絶壁なトレイル。落ちたら死ぬな、、、

ここでの幻覚が凄かった。私企画の関西走行会・壮行会では、笑えるほど皆の幻覚自慢大会。薫さんやトップの選手ですら、見える幻覚は、車とかエイドとか自分が欲しいものが見えるとか?私はその真っ白なトレイルと石が、全て文字な手紙だった、、、励ましメッセージか?笑 あと前の人のレインが、宮崎駿のキャラクター、こだま?みたいにぴよんぴよん跳ねて、いぐちゃんはやくはやくーって!幻覚ってわかってるから面白いのは、100マイル、あるある話w

なんとか山を降りたら、まさかの街中ロードでロスト。マーキングがない。一緒に歩いてくれてたFくんに、見かけました?と聞かれ戻ることに。すると、たまたま大会関係者が車で通って誘導して貰う。そこはビブチェックポイント。あぶないあぶない。失格なるところだった。


控えめなキャラなFさんは、フランス在住だとか?私的にはトレイルの会話は聴こえないので、会話なしだったのもまたありがたし。しかもアイガーの時も、奥さんに写真撮って貰った時に、私が前を横切ったらしく、僕、いぐちさん知ってます、と言われて、ホントに写真に私がうつってたすげー偶然w

確かに私、登り速いかも?(当時自覚なし)とか思いながら、去年も通った場所なのに、シャンペ湖エイドまでの登りに心が折れる。なんで湖やのに、登りやねん!エイドの光が彼方頭上なのだ。えらいのぼるなーと一人ブツブツ、やっとついたーー!

U13 シャンペ湖 到着  00:46IN 1:33OUT /関門2:30
Nさん娘ちゃんを探し、目覚ましの音では起きれないなら、15分たったら起こしにきて欲しい(聴こえないから体をさわって、とリクエスト済み)と、仮眠スペース(テント)へ。靴を脱いで毛布をかぶる。もう30時間以上も動き続けてる。泥沼に引き込まれるように深く眠るも、身体を揺さぶられて目が覚める。寝足りないけど仕方ない。何分後に出る、とカレーメシを作ってもらい、食べてエイドの出口へ。

そこで「いぐちゃん!」とポットを持ったNちゃんが。そうあのMくんの嫁だ。またこんなとこで逢えるなんて。すると、「凄いよね、ホントいぐちゃん頑張ってるよ、なんでそんな元気なんー」涙目Nちゃん、えっとね。お湯こぼれてるよ(笑)
(この動画を娘ちゃんが撮ってくれてる 笑)

Nちゃんのサポートと、M嫁Nちゃんに癒されて、次のパートへ。

私は1人じゃない。

順位あがったーーーー!と思ったら、なんとリタイア900人だとか?あの極寒区間のあと、一気にリタイアしたらしい。そりゃそうだよなー。遊びや趣味にしては 過酷すぎる。死を感じた一瞬。日本なら中止なってたよなーw


中国のトレイルレースで25人の死亡者がでた事故といい、ホントさっきまで晴れていたのに、というのがアルプスの天候。日本でも仮にバーチャルUTMFでUTMF完走してUTMBに出れてしまうと、私みたく山を舐めてる、死のリスクも背負うことになると思う。UTMF2019では、私は死を感じてリタイア、運良く完走扱いになったけど、中断になって個人的には安心した。UTMFではOKなレインウェアがUTMBでは、受付すら通らないのも、その良い例かと。ちなみに、ゴム手袋のテムレスもUTMBではアウト。

相変わらず余裕がない。とにかく前へ前へ。途中の山の中のレストランでトイレを借りる。無事120km超えのチェックポイントもクリア。残り40km、700mの山がみっつ。比叡山三回分。マイルの最後に。やめてくれーぃ!笑

#08 ラスト700mのおやま3つとかマジやめて

U13 シャンペ湖 〜 U14 トリアン

 Instagram日記 そのまま引用。今読み返して。凄いな。全く覚えてないwwww
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残り700の山みっつ。
2晩目。標高2000m超えの睡魔半端なく。蛇行どころか下りも 膝がカクンカクンなる寝落ち。ふとヘッデンで照らした谷底は延々と。こりゃ死ぬな、と、腹くくって下りを、やっと少しだけ走ることに。笑

登りはともかく 両脚痛すぎて目がさめる。そしてやっぱりどんどん置いてかれる。後ろから来た人についてっては置いてかれ、ついてっては…下り何百人に抜かれることに凹まない、と。←エイドや登りで抜いた人たちw

エイドだーーーと思ったら、CCC2018で関門エイドと騙されかけた「ただの牛小屋」今年はスルー(笑)ここから先雨が降って下りドロドロ、スケートみたいで一度コケた泣(おしりはついてないw)

U14 トリアン到着 6:39IN 7:22OUT /関門8:00
こんな橋あったっけ?やっとエイド。去年が、「いぐちゃん!さっきのとこエイドじゃなかったねー。関門ここだよ、さっきのはただの牛小屋だったよ」と駆けつけてくれた懐かしいエイド。

ここでもM嫁ちゃんに会う。が、やっとツアーで来たし、フィールドオンアースのサポートに甘えて、おにぎり頂く♡
てか今みたら、なんでここでこんなゆっくりしてるんやーい!笑 エイドの動画なんぞSNSアップしてるしねw

なんとこのUTMBシリーズは、エイドで食べる食事の器は、完全に自分で用意。CCC2018は直前で知って、大会ブースで購入したものの、知らず持ってなくて食べれない人はたくさん、日本人選手に貸したことも。日本みたいに、マイカップ持ってないから紙コップを、なんてことはしないし、そしてエイド毎にちゃんと食器を洗う流し台まで用意してくれているのはエコを徹底していて素晴らしい。ボラしていると、エイドのゴミ処理と運搬がとにかく大変だもんね。

後から知ったけどUTMBの関門は、ちゃんとした関門。日本みたく、ひっかけ関門などない。なので、ちゃんと関門さえ守ればゴール出来る。シャンペ湖からは歩いてでもゴール出来る、と言われ 安心してのこの睡魔。人間って単純。しかしこの歩いてゴール出来るはウソだった… 

この時の歩いても間に合うは、前年のコースだとラストの山がひとつカットになったから、間に合う、だった。確かにCCCも最後コース変更になったなー。2019は3年ぶりの正規コース、トップ選手でも、前年の実績を参考にしてタイムチャート組んでたから、プラス2.3時間かかったそう。

#09 100マイルの醍醐味、3日目スタートーーーーー!笑

U14 トリアン 〜 U15 バロルシーヌ

あと30kmーーーーーー!
そっか18時スタート46時間半、16時半ゴールって3日にまたぐんだね。UTMFも同じか、なんて思いながら夜が明けてきた。今日も暑くなりそうな予感。
ラスト700登りのうちの2つ目。
マイルで最後700が3つとか、まじやめてくれぃ。そんな飽き飽きモードで、ふと手に取ったものが、このメッセージ。

いぐの笑顔サイコー!

これもう中身入ってないんだけど、UTMFの時にOちゃんの高級差し入れ。でもってこのメッセージ、今回、どれだけ癒されたか。

そうこのメッセージは、亡き父さんの還暦祝いに家族の似顔絵をお願いしたOちゃんのメッセージなのだ。実力以上に、皆からの応援やメッセージがチカラになる。それは誰よりも私が感じたと思う。

R、Kから、ライヴカメラの前くらい笑って、とメッセージが。こちとらもう140kmじゃーい!笑 元気かどうか心配してくれてるんかな。カメラどこかなんて余裕ないぞ、と思いつつ。次のエイドでのカメラは笑顔な、笑顔、笑顔、笑顔な!笑

あとから知ったけど、当時、家族には何のレースを出るとか言ってなかったのに、BSグレートレースで薫さんのゴールに併走してる私を見つけたりする親だったからか、当日も父さんは、なんとインターネットで検索してUTMB LIVEをリアルタイムで観てくれていたそうな。親って凄いなー。ちなみにRUN仲間の娘さんが、って話を同じ大学生の姪っ子にしたら、いーなー!私も行きたかった!いやサポート大学生がバスに乗って、って凄いよね。

わーい、トレイル貸切ー!誰もいないよ?下り走った方がいいんかなぁ、後ろから来るランナーに譲りながら、ヨチヨチあるいていたら、今度は羊、羊、羊、ぃゃぃゃぃゃ和むわぁ

でも!
あのぉ…ひつじさんたち?どいてくれませんかねぇ?私関門やばいんやけど?笑

貯金があったつもりが下りオール歩き、同室Nちゃんにも追いつかれる。Nちゃんは痛めていた膝が相当痛そう。さっきのエイドでは「いぐちゃん早く出よう」と、気持ち焦っていたように。街が見えるも林道歩くの辛い私には、なかなか遠い。

U15 バロルシーヌ到着  10:48 IN 10:55 OUT /関門11:15
やっとエイドにつくも、貯金がない。フィールドのロマンが お味噌汁ありますよ、とか言ってくれてるけど、泣く泣く断って、Nちゃんに先に行くね、と声をかけてエイドを飛び出す。

#10 ラスボス!100マイル。何が起こるかわからない。

U15 バロルシーヌ 〜 U16 フレジュール

アイガーメンバー、Kマンからメッセージ。CCCにはないけど、そこから登り4km先に12:15関門ポイントあるから、と。4km先!わぉ!それ意識してなかった!神アドバイス!

ひたすらゆるい林道を歩き、チェックポイント、ギリギリクリア。見上げた先には、ラスボスが。ぬぉぉぉぉーまだあれ登るんかぃ(*´>д<)
またも700UP、 2000m超え。

さて!171km 残り20km ラスボス。森林限界、木陰なし。あつすぎる。

さてと。
ザックをおろして肩につけていたママの無事カエルくん、いぐバージョンのおサルを背中につけかえて。この子をゴールに連れてってあげなきゃなーー。

まわりの登りはスローモーション、殆ど走ってない私ひとり、猿みたく元気w

しかも岩場だし、傾斜ある方が ぴょいぴょいぴょーいって体重移動がラクだから。
しかし足裏がやばい。うわーーーー。とふとセンセにダメ元、連絡。すると即返信、神アドバイス。うわーーーー。リセットされたよ、足底筋膜炎。ありがたやー!もう足向けて眠れませんやん!笑

でもさすがにこの暑さ、やばいな。フラフラな人多いや。
現在13時。16時半ゴール関門。飛ばすと暑さにやられてしまうや、と動画を撮りながら。

にしても、暑すぎる、と、顔をみあげると、前方に岩に腰掛けてる Kさん発見。
また追いついた。初日の夜中、ボナッティ小屋、そしてラスボス。いつも登りだから、バテてはるかな?

「Kさーーーん」

関西RUN仲間のこわらんさんに再び追いつく。3度目。こんなラスボスの登りで。こんな関門ギリギリで。

リアルタイムにFacebookに投稿すると、皆から「Kさんがんばれ言うて」とコメントが。

そう、彼は本来こんな関門ギリギリに居るべき人間じゃない。相当速い人なのに。汗も凄いし息もあがってる。大丈夫ですか?と聞くと、登りがあかんわぁ、と。もう最後やん、がんばろー!

スマホで写真を投稿してる間に Kさんは先に行った様。見上げると急登岩場。あれ、なんだかざわついてるゾ。

誰かコケたんかな。まさか、と駆け登ると、3、4人の外国人ランナーに囲まれて Kさんが。こけたのは彼( ; ; )

えー大丈夫ー?( ; ; )
見ると手のひらをザックリ切って、血がボタボタと。3、4センチの傷。マジか。あかんやん、、、

血が超苦手なんだけど そんなこと言ってらんない。
最終エイドで、あまりに重いから水1.5リットルを減らそうと、ザックの0.5リットル入ってるプラティパスを取り出し 捨てようとしたんだけど、何かあったら、と少ししか捨てなかった。何かあったら、と思ってしもたなー、と言霊のチカラを。

水は大丈夫。と、胸元のフラスクを取り出し、傷を洗浄。エイドキットを取り出して、アルコールシートとテーピングで止血。エイドキットって他人のために持つんだね。と改めて。

もひとりの日本人ランナーもつきそってくれてる。Kさんに岩場に腰かけてもらって、年下なのに彼にえらそーに「こわらんさん、お願い!フラフラしてて危ないから10分せめて5分、休んでから出発して」梅干し純を食べて貰って懇願。

一歩間違ったら、死んじゃうよこんなとこ。頭は打ってなさそうだし、私がつきそって間に合わなくても気にしはるだろう。

あのかっこいいKさんが。私の動揺も隠せない。ホントに大丈夫?と、何度も念を押して、先に行くね。と。

標高2000m越えてるんだろうか。絶景。暑すぎる。レース中とは思えないなぁ。

写真撮りつつ前にすすむ。足は最初から痛いおかげで走ってないし残ってる。大丈夫。

あり?ここピーク?あれ?

途中すれ違ったスタッフ?日本人の人に、チェックポイントは、あの向こうに見えてるエイドよりさらに巻いて巻いてまだ向こう、だよ、と。

私は聞き取れなくて、え?なんて?最終関門やばい?もしかして歩いてる場合じゃない?と思っていたら、前の日本人二人が走り出す。
岩場ありーの、ハイカーさんすれ違いーの、巻いて巻いてチェックポイント。あれ?あれ?チェックポイントなん?エイドは?関門は?

そこで3km 30minutesと英語で言われる。スリーキロメーター サーティミニッツ。珍しく私が聞き取れた。ぃゃぃゃぃゃぃゃ

えーとえーとキロ10分?この走れないとこで?160キロも走ってるのに?

誰や!シャンペ湖から歩いても間に合う言うた人!笑←しかもツアーの代表w

3人で、走る走る。追い抜かす日本人や外国人ランナーに、「いそいだほうがいいですよ」と声かけながら、160kmも走ってこんなに走れるものなのかと我ながら。

いそいでることを知らないハイカーさんは、よけてくれるわけもなく、なんしかハイカーさんが多い。3人で これ最後巻いて巻いて登りやったらどーする?と言ってたら、

やっとスキー場のリフトが!あの距離は2kmぐらい?あと15分ないよ?ゔぁ。最後登りやん!

あれっ?やっぱ違和感あるなと思ってたけど、去年のCCCは天候でコース変更だった!こんな岩場通ってない!ゲレンデまでひたすらゆるやかな登りだった!
歩いても間に合うのは 去年の短縮コースかーー!今頃気づくんかーい!苦笑

せっかくUTMBのために買ったロングストローのフラスクの水は、さっきの消毒に使ったから、空っぽ。水一滴も飲めないまま、2人を追っかける。

あの山越えたら、かな。最後登りとかやったら、ウケるね、ってスキー場の最終関門まで、やっぱり最後登りかーい!
.
ダッシュてか登り走れんし!笑
ゼェゼェゼェ .ま、間に合った?

セーフ!

なんと、2分前!

あと7kmでアウトとかイヤやし、良かったーーー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

続いて、外国人、日本人、日本人ペアのランナーがなだれ込んでくる
思わずエイドスタッフ、皆、歓声が!
道中追い抜いて声かけた皆、間に合ったよ。
良かったねー良かったねー、と皆で声かけあって

思わずインタイム?アウトタイム?とスタッフに。
どーやらインタイムでいいみたい。

1滴の水も飲めなかったこの1時間弱。
コーラだったかな頂いて、最後30分一緒に走ってくれた2人に、御礼と(記憶のために)写真を。またゴールで。シャモニーで、とエールを。

#11 最終関門!ミラクルセーフ!そしてまさかの完走。

U16 フレジュール 〜 GOAL

U16 フレジュール出発
そう、まだレースは終わりじゃない。しかも去年のCCC2018でも 歩いていて 歩いたら間に合わないですよ、と脚痛いのに泣く泣く走ったあの林道。

スマホ開いて、ゴール動画撮らせて下さい、と申し出てくれた娘ちゃんに連絡。
エイド出て超ガレガレガレ場。走れるかーいw

間に合った日本人女性のひとりのゼッケンが1919!それ私が欲しかった数字なのー!(私は1419、いーよいぐ!笑)と話しながら やっぱり脚が痛すぎてついてけない。

ふとKさん、同室のNのことが気になりだす。私が2分前だったってことは、やっぱり厳しいかな。てか、Kさん頭打っていたらどうしよう。

一気に不安になるも、むすびカフェのHが ちゃんと彼も前に進んでるから、と。親友にもゴール目指せ、と。(残念ながら2人はDNF)

K、S、凄いたくさんの人からラスト頑張れとメッセージが。ゴールまで残り8km900mダウン。

途中でFから「あと45分ってわかってる?」と、メッセが 笑

せやね。ホントやね。ありがたい。もう小石でも足裏が痛いんだー泣
さすがに距離とペースを測ろう、とiPhoneでストラバ立ち上げた。
ずっと見えているシャモニーの街が全然、近づかない。

Nちゃんが スーパーの前で待ってますって メッセをくれる。

待ってくれる人が居る。

人はただそれだけで前に進める。

二日前かな?薫さんのポール講習で来た場所まで降りてきた。あと3km?4km?ランナーの情報が錯綜する。

46時間半関門 45時間でゴールのはずが、遊びすぎたなぁ。とか思いながら。Kのメッセージのとおり、ただホントに右、左、右、左、前に進むだけ。

やっと長い長い下りが終わって山が終わり。街への歩道橋。去年ここまでYさんを迎えに来たなぁなんて思い出していたら、歩道橋降りたところで土井ちゃんに会う(笑)

なんでこんなとこに?笑
表彰式へ。

UTMFの時も途中で会ったよね、土井ちゃんはゴールして車で、私は半分だったよなー、とか思いつつ、またギリギリやわぁ、なんて会話を交わして

Nちゃんに会う前に、あの秘密の御守りをザック取り出す。

さ、あとはゴールに向かうだけ!シャモニーの街まで1〜2km!

*******

わ!七海ちゃん発見!メッセージくれた通り、七海ちゃんが街の外れで待ってくれていた。動画撮りながら並走を。

にしても動画見たら、私めちゃ元気。失笑 喋りたおしてるw

見覚えのあるシャモニーの街に戻ってきたら、残念ながら途中リタイアしたNさん、そしてMさんに、Mさんの奥さんがゴール花道の途中で待ってくれていて、ゴールまで併走してくれた。最後はMファミリーも。嬉しすぎる。

去年のCCCも1人ゴールと思っていたら、友達が日の丸持たせてくれた。私はなんて恵まれているんだ。

46時間半関門、15分前ゴールーーーーーーー!



感動、感激よりもただただ安堵感。

UTMBは歩いては完走出来ないレース。UTMFより関門もタイトだし、何より標高が全然違う。2000m超えは別世界。UTMFの延長で挑むと死んでしまうw

諦めなくてよかったって気持ちと、UTMBのレベル下げちゃった、って気持ちとw

ゴールして西尾さんが缶ビール用意してくれていて、そのことに感動!親娘してさすがやー

ゴール後、皆から大量のメッセージとすぐに日本のF夫妻から着信が。え?電話?と思って折り返すと「ごめん俺、いぐ完走ムリや思ってた。半分のクールマイユールも無理ちゃうか思ってた笑」「おーいそれ言うためにわざわざ電話を!笑」「でも私も実は無理ちゃうかと思っててん笑」

これは後日談だけど、去年惜しくもDNFした友達が、「友達の信越マイル優勝もびっくりしたけど、同じくらい、ぃゃそれ以上にいぐの完走はびっくりしたかも」と(笑)

シガウマラ族長には、その練習しないでUTMBに出ようとするメンタルが、とw

まさかのゴール。
まさかのUTMB完走。

ただただチョップフラッグでゴールしたいな。
最後まで足もつかな、思ったら そんなこと考えんでいい、楽しいことだけ考えー、と。

足痛すぎる、言うたら 落選したHに、耐えろーと(笑)

そう、誰もが出れる大会じゃない。
1000万円積んでもこのチャンスは得れない。

そんな簡単にはリタイア出来ない。
皆をびっくりさせてやろー
ぃゃ自分をびっくりさせてやろー

ただ、
ただ、それだけでゴールに。
トレランはじめたKyotoMountChopで、最初マイルドの15kmでもずっと最後尾だった(今でも最後尾やな)私が、チリも積もれば、前にさえ進めば、諦めさえしなければゴールの可能性がある。
結局30km以上のロング走もできなかったけど、自分の可能性は自分で決めれる。

それを証明したかった。

人は
一人では生きれないし
一人では頑張れない。

トレイルランニングを教えてくれたチョップの皆、そして世界にこんな大会があることを教えてくれた皆、一緒におやまや楽しいこと、チリツモランの効果を信じてくれた人、この数年私に関わったご縁と、応援、本当にありがとうございました。

終。笑

追伸
今度はチャートや完走する秘訣をブログにまとめることにチャレンジしてみたいなーー

UTMB2019 ギリギリガールの実績


2022 後記


3年後にしてやっとのブログ。
と言うのも、当時はブログとか書いてなかったよーな。そして、こないだの45th生誕旅の飛行機でiPadに編集途中の動画を見て、UTMBの記憶が全くない自分にびっくり。
そして日本では悲しすぎた元首相の事件。今世でやり残したことは何だろう、と思ったら、UTMB動画編集とブログだけだった。なので、予定のない3連休にトライ!と思ったら4日もかかってしまった長文w 写真とイラストとインスタグラムと、途中飽きてもう読み返してもないけれどw

当時はまだ、自己否定も強く、私なんて、という超ネガティブ女子。顔を洗うのにも前にかがめない腰痛から、何か運動、山ガールにでも、と、たまたま1人で参加した京都のお花見が、KYOTO MOUNT CHOPという草レースの主催者たちで。トレランって本当に山を走るの?せやで?山行こうぜ、と最初はランニングシューズで。ボランティアするはずが、出たらええやん、と言うのがきっかけ。

ずっと最後尾でトレラン向いてないかな、山での会話も厳しいし、もうやめよっかな、と思った矢先に、遅くても楽しめばいいんだよ、そう薫さんが言ってくれて、誘われるがままにSTY、UTMF、50kmしか走れない頃に海外レースを誘ってもらってそのままUTMBスタート応援。それが確か2016年、まだOL時代のこと。その2年後の2018年にはCCC、そして翌年の2019年にUTMB一発当選、なんて私自身、想像すらしてなかったのだ。

今でも3kmほど走れば、足が痺れるし、普通に買い物していて歩いていても痺れることも。痛かったら走らんかったらいいやん、と何度言われたか。でも、それは私にとって、耳が悪いのならクビや、と新卒の会社で言われたのと同じで、悔しさの中から、何なら楽しめるだろう、と。
UTMF2018は、チリツモラン、と1日3kmだけ走る、と決めて、完走できなければ自分に言い訳しない、そう決めて20分前にゴールしたのだ。
UTMB2019に関しては、出発当日にミシンを出してきて、その唯一ほぼ皆勤なチョップのゼッケンをミシンで縫い出して(はよ用意しろやーテキな笑)、1gでも荷物を軽く、に反して最初からゼッケンで作ったフラッグはザックに。

いぐには無理やと思うで、そう言われ続け、もしホントに完走したら皆、びっくりするやろなー。ワクワクしかなかった。

のちに「ワクワクさえしていたらワクワクが叶う」執着したら叶わない、例えば痩せたいと思えば痩せない、完走したいと思ったら完走しない、不安は不安を、すべては自分の出してる思考や感情ってことを、たくさんの経験で実感し、「ワクワクの法則」としてブログで発信しつつも
やっぱりこのUTMB完走も、完走が目的でなく、日本の国旗でもなく、チョップのフラッグでゴールして皆を驚かせたい!そのワクワクが、走らない日本人ランナーに引っ張って貰ったり、女神が登場したり、逆走応援した日本人にアドバイス貰ったり、深夜1時半だと言うのに、日本からいっぱいメッセージをもらえたのだと思う。
noteにも書いているように、生きていることすら辛かった私だったけど、567のマスクのおかげでますます生き辛くなって、これじゃまるで宇宙人!とフテていたのが、2年前。その時に、いぐちゃんの耳は生まれる前に選んできたんだよ、と宇宙法則の基本を教えて貰った。
練習を重ねて完走するもよし。練習しないで完走するもよし。
でも自分の人生のシナリオは実は自分で描いていて、自分で選べる。ワクワクしていてミラクルを喜べば喜ぶほど、わたしたちの宇宙さんは、思いもかけないワクワクを用意してくれているんだ。
2019は確かOL辞めて3年目、また絶望的な人生にまたOLに戻ろうと思っていた時だった。あの時、おかねがないから、とかでUTMBを走ることをやめていたら、今の私は居ないだろう。ましてや、数年海外に行けなくなる日がくるなんて誰が思っていただろう。

だからとにかく「ワクワク(心地よさ)」を選んで、「今ここ」「この瞬間」を結果に期待しないで執着しないで楽しんでください。

春に開催された滋賀ラウンド一周トレイルで、人生最長80kmから、シガイチ430kmを完走したランナーさんがいて。
自分の可能性は自分で決めれる。ホントにそう感じた。

まだTDSのフライトも取ってないので、動画編集と、タイムチャートはまた今度!笑


UTMB2022 サポート

追記 2023.02.04
ご縁あって、スタッフとしてサポートしてきました!
エイドの様子などもわかるかな、と写真集(30枚)にて
https://note.com/iguchika/n/n1c0a4356d1a7

#UTMB #UTMF #100マイル #ギリギリガール #トレイルランニング
#時遊人19 #恩返し #恩送り


この世界は愛と優しさで溢れている。BASHARのワクワクの法則の人生実験をしながら、あの頃の私に伝えたいことを発信していきます!