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足をふまれて

おはようございます。いぐあなです。
突然ですが音楽制作に関する話を書き残したく思いましてnoteはじめます。
今回はボカコレ2022秋ルーキー投稿曲について。

「足をふまれて」
うた:初音ミクNT 作:いぐあな

制作の流れ

ボカコレ2022秋ルーキーに投稿する曲について、余裕をかましてました。
8月末あたりは全然違う曲で投稿するつもりでした。
(フレンチポップ風の曲。そのうち投稿したいと思います)

9月になって気が変わり、ダブステップ風ポップスに着手。
変態な歌詞の曲・仮タイトル「布」というのを進めておりました。
しかし、何だかしっくり来ずに悩みに入りました。

9月20日。6月頃にオケを作りかけた曲を急にさわる気になりました。

*記事内の各ダウンロード音源はご自身の試聴用途にとどめてください。

まだメロもありません。構成も完成形に届いていません。
しかしながら、ファイル名に「ねぇマスター」となっています。
どうやらそのフレーズだけは頭にあったようです。
「ねぇマスター」から本格的な制作が始まりました。

9月20日のラフミックス

なんとワンコーラス分の歌詞が入っています。
スマートフォンのメモ帳に書き留めていた歌詞ネタから
歌詞になるようカタチを整えたのでしょう。
2番以降、ラララと歌わせているあたり、歌詞をどうするのか不安です。
メロディと譜割りは完成形に近いものの、構成は未完成。
ソロとかないですね。

9月22日のラフミックス

ここで楽器の音源をデモ→本番用に変更したっぽい。
ファイルに名前を残すとわかりやすいですね。

それまでは UJAM の Virtual Drummer、Virtual Bassist でデモ作成。
自動演奏系の音源はイメージをふくらませるのに大変重宝します。
差し替えずに完成まで使うこともあります。

完成音源の楽器について

ベーシック
Drums |  Steven Slate Drums SSD5.5
Bass | IKMultimedia MODO BASS
Piano | UJAM Virtual Pianist VOGUE

ダビングもの
Strings | UJAM Symphonic Elements STRIIIINGS
Organ | IKMultimedia Hammond B-3
Vo | Crypton 初音ミクNT
Glockenspiel | Presonus Presence XT(DAW付属音源)

VOGUEはVirtual Pianistと銘打たれていますが、
自動演奏ではなく、音源としてMIDIノートを演奏させるモードがあり、
そちらで使用しています。
ちなみにベーゼンドルファーをサンプリングしているとのこと。
とても良い音で気に入っています。

全編にストリングスを入れようとしたこともありましたが、
2Bに少し入れるだけにしました。
オルガンをフィーチャーしてみたらハマりが良かったからです。
同じ理由で、コーラスも当ててみたものの不採用。

参考音源

6月末のDEMOオケは、おいらが私淑するアーティストのひとり、
KANさんのサウンド、アレンジに憧れて真似て作ったものです。
流れるようなピアノアレンジは「多摩川サウンド」と呼ばれるもの。
いつか、そういう曲を作ってみたいという思いがありました。

小さき花のテレジア / KAN

ドラム、ベース、ピアノ、オルガンという編成です。
ベーシックアレンジを参考にし、編成は同じという大胆なことをしてます。憧れを音楽にしてしまった、という感じです。
KANさんのファン(おいらもですが)が聴いたらどう思うでしょうか。

オルガンはワンコーラス後の間奏で登場します。
そのフレーズに聞き覚えのある方もいらっしゃることでしょう。
プロコル・ハルムの青い影のフレーズを引っ張ってきました。

PROCOL HARUM - A Whiter Shade Of Pale(青い影)

9月に観に行ったTM NETWORKのライブで
小室哲哉さん(これまた私淑ミュージシャン)が
青い影のフレーズを弾いていたのがめちゃめちゃカッコよかったんです。
オルガンの音色で青い影が浮かび、小室先生の演奏の記憶が頭によぎり、
当ててみたらぴったりハマった、ということで採用してます。
おいらはこっそりパクっているつもりはありません。
引用にどなたかコメントで言及してくださることを楽しみにしいた折、
未来 進さんがふれてくださいました。

歌詞


足をふまれて
作詞:いぐあな

ねえマスター
ダレカのキモチよりも
ジブンのキモチをダイジにするジダイなのかな
ねえマスター
ジダイのせいにしたくなるけれどしちゃダメだね
みんなオナジじゃないもんね

電車にゆられて急停車
よろめいた人 足をふまれたマスター
痛くはないけど 足をふんだその人が
チラ見しただけ それが気になったよね

ねぇマスター
ゆれた電車のせいだから怒ったりはしてないでしょ
ねぇマスター
モヤモヤかかえてるでしょ、わかるよマスターのキモチ

悪いのはジブンじゃないと言いたそうなまなざし
踏まれたマスターのキモチはどうすればいいの

ねぇマスター
しかたないって思うのは
コチラのキモチだよね
ねぇマスター
しかたないでしょって
ひらきなおるタイドはなんだかちがう気がしたよね

ジブンをダイジにすることを
ハキチガエてたりはしないだろうか
ダレカをひくくみてはいないか
いつでもジブンにといかける
マチガエルこともあるのがニンゲンだものね

ねぇマスター
たくさんの人たちとおなじセカイに生きるのなら
ねぇマスター
まわりの人のことを大切に 思うのもいいよね

(SOLO)

足を踏まれたことでこの歌が生まれた
ワタシはこの歌をうたえてうれしいよマスター

ねぇマスター
ダレカのキモチよりも
ジブンのキモチをダイジにするジダイなのかな

ねぇマスター

ワタシにできることってあるのかなぁ

ねぇマスター



1番の歌詞はすんなり埋まったものの、2番以降でやや停滞しました。
1番で具体的な描写、2番で広いことを書く、というパターンに。
説教ソング、と自虐的に言ってたりします。

退廃的な歌詞やネガティブなこと、自死を連想させるような歌詞を書くには
少々歳を取ってしまったようです。

何より、おいらはそんなことを伝えたくて曲を作っていないんです。
若者たちにウザがられ、女性からは嫌われがちなおじさん世代ですが、
これまでの歴史を作った先人にはリスペクトの念を抱きますし、
これからの歴史を作る若い世代には、夢や希望を持ってもらいたいです。

ミクさんがマスター(ボカロP)の気持ちに寄り添うという体裁であり、
おいらのメッセージをミクさんが歌っているという体裁でもあります。
ひとことで言うなら、思いやりを大切に、と。

自分のことを大事にするのは良いことなんです。
自分のことをないがしろにしてはなりません。
それはそれとして。
周りの人へのリスペクト、あるいは謙虚な気持ちは
いつでも携えておいたほうが、現代社会は生きやすいでしょう。
誰もが機嫌よく、楽しく過ごすために、
みんなで思いやりの気持ちを携えてやっていこうよ、っていう。
そういうことを伝えたいのかな、と完成してみて思います。


イラスト

おいらは絵心ゼロなので、音楽制作はやれても、
動画制作になると途端にお手上げになります。
幸運なことに、我が家にはイラストを描ける家族がいるので、
手伝ってもらうことがあります。
いぐあなのむすめ、はリアルなむすめです、笑
ロクに指示を出さなくても描いてくれて助かります。
最後は修正指示を出しながら、一緒に作業を進めました。
ミクさん、おこの顔?ってコメントがありますが、
そういう意図はなかったんです。でもそうみえますね。
まゆげのせいで「おこ」に見えるとしたら戦犯はおいらです。
まゆげだけ、おいらが描きましたから。

動画制作

Davinci Resolveの無償版で作ってます。
背景ひいて、イラストのせて、歌詞入れて、です。
ゆくゆくは動画スキルもアップさせたいですが、
コンピュータのスペックがかなり厳しめなので……。
ツールに依存するクリエイティビティもありますよね。
おいらの若い頃は「道具のせいにするな」など言われがちでしたが、
最初から良い道具を使うことで可能性の芽が伸びるなら、
その方が良いんじゃないかな、と思いますし、
世の中の風潮もそちらよりなんじゃないかなと思います。
いぐあなのむすめにも良いパソコン買ってアゲタイナ……。

ミックスダウン

音源制作の話に戻ります。
今回はナチュラルなサウンドをテーマにしました。
編成がアコースティックですからね。
過度なEQ、コンプはしていません。
通勤中にラフミックスをきいてはメモに課題を書きとめて、
帰宅後にひとつずつつぶしていく、というスタイルです。
限られた余暇時間をDTMに充てる方にはオススメかも。
あ、ラフミックスというのは、その日の活動内容を
ログとして残すようにファイル化することです。
要するに、DTMする度にミックスするということです。
製品を作るような精度である必要はありません。
自分の聴き心地が良ければいいのです。
時には大胆なエフェクトを試したりもいいと思います。
マスターのエフェクトをOZONEにしたり他のものにしたり、
そのような実験もできます。
本記事に上げているようなファイルが残るので
振り返ることもできてなかなかいいです。音日記みたいな。

ラウドネスノーマライゼーション(以下LN)というものがあるので、
かつての音圧戦争のようなことは起こらなくなっているかな、
と思いますが、未だにマキシマイズをしすぎる人もいるようです。
つぶしすぎるとサウンドが残念になる気がしてなりません。
演奏のダイナミクスが失われることの悲しさについて
よく考えてみましょう……。
ともあれルールに則って音源を仕上げるのがトレンドかと。

ニコニコでは音量の自動調整ON/OFFの切り替えがあります。
おいらは自動調整ON(LNあり)できいてます。

ニコニコの基準は-15LKFSということですので、
・-15LKFSよりは大きめに。
・-12LKFS~-11LKFSあたりを狙ってマスターを作成
ってやっておけばそんなに問題ないと思います。

いずれこういう話を書いてみたくなるかもしれません。

最後に

まとまらないのでもう終わりにします。
おいらは売れ線や数字、伸び、若者ウケを意識することなく、
自分の好きな音楽を制作していこうと思っています。
多くの人にきかれることがあってもなくても、
作品の質は変わらないと思います。
再生数が伸びてほしい気持ちももちろんありますが、
そのために自分をそっちに寄せるのはおいらには向いてなさそう。
好きなことをやり続けていくのみかな、と。
それでいつの日か、たくさんの人の心を動かす曲ができたら
それほどうれしいことはないでしょうね。
良いとか悪いではなく、好みに由来することも多いですし。
おいらとて、好きな曲もあれば、そうでない曲もあります。
おだやかに、音楽制作を継続していきたいな、と思っています。

気まぐれなので、次の記事がいつになるやらわかりません。
制作裏話みたいなことを書いていきたいなと思ってますので、
よかったらまた記事を読んでやってください。

よろしくお願いします!

いぐあな

*記事内の各ダウンロード音源はご自身の試聴用途にとどめてください。


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