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【イグノタス】伊藤玲哉さんのインタビューを通して

こんにちは!Ignotusとしてのインタビュー第一弾の投稿です✨ 
昨年12月に、トラベルドクター株式会社代表の伊藤玲哉さんにお話を伺いました。

伊藤さんのトラベルドクター株式会社では、医師、看護師、介護士などのスタッフが旅行医療チームを形成し、旅行関連会社と連携しながら、患者さんの安全な旅行の手助けを行なっています。がんなどの重度の病気を抱える方でも、患者さん一人一人にフォーカスし、独自の旅行プランを立てて患者の願いを叶えていくプロジェクトです。プロジェクトをやるきっかけになったことや、活動の規模の拡大のノウハウについて伺いました。


▪️患者さんの思いからの着想

旅叶のプロジェクトは、伊藤さんが医師としてベッドサイドにいる患者さんと話すなかで、どう言った思いで治療を受けているのか、ということから発想に至ったそうです。病気によって残された人生が長くはないことを分かりながらも、限られた時間でやりたいこと、特に旅行にいきたいという気持ちを持っている患者さんがいることを知りました。しかしながらベッドのうえの患者さんは、なかなかそのような思いを叶えようとはしませんでした。病気の管理や体力的な心配、付き添ってくれる家族へ迷惑がかかることなどから、「旅行に行ける自信がない」、「迷惑をかけたくない」、と感じている患者さんがいることがきっかけとなりました。

▪️プロジェクトへの移り

伊藤さんが感じた患者さんの願いを叶えるために、まずは協力者を集めました。「自分の抱えた思いをとにかく他の人に話していきました」、と伊藤さん。自分の思いを聞いて共感してくれた方をメンバーに加えて行きました。なかには、実際に一緒に旅行に行き、本当にメンバーとしてやっていけるかどうかを確かめるようなこともあったそうです。伊藤さんが当時勤めていた大学病院勤務をやめたのち、経営の学校に入ってからは、さらにその思いを伝える人の幅を広げていき、同じく学びにきているいろんな人から話を聞いて案をより良いものにしていきました。現在業務提携を結んでいる日本航空(JAL)さんとの関係は、この頃出会った人がきっかけとなったそうです。

▪️活動の資金

患者さんの旅行を医療チームでサポートすることにはとてもお金がかかることがわかっていました。インタビューをした時点では、患者さんから報酬をもらうことはせず、必要なお金はクラウドファンディングでまかなっていました。「旅行を願う患者さんが、必ずしもそのお金を払えるわけではないため、今後どう資金のやりくりをしていくのかが課題です。いずれは旅行会社として、採算の取れた活動としてやっていくことができればな」、とおっしゃっていました。

▪️患者さんを一人の人間として接する

伊藤さんは、そもそも「患者」という言い方が好きではない、と言っていました。患者=病を患うというマイナスなイメージが先行してしまい、周りの人に対して負い目を感じてしまう。伊藤さんは、患者―医者の関係を無くしたく、白衣を着ることはやめていました。「患者さんが、本当にやりたいことを言ってくれるようになるまでには、良好な信頼関係が不可欠となるので、患者さんが心を許してくれるように努めていった」。トラベルドクターでは、相手の人生を深く聞き出していくことが、旅行計画の始まりとなり、目の前の人が一人の人間として、どんな人なのか、どのような考えを持っているのかを大切にしています。

▪️まとめ

伊藤さんの人と向き合う姿勢として、患者さんひとりひとりを人生の先輩として、リスペクトを持ちながら接していることがわかりました。お話の中では、患者さんが話しやすい環境を作るために、一対一や可能な限り少人数でお話を伺うといった配慮も行なっているとおっしゃっていました。患者さん一人一人のことをよく理解しようとする姿勢が、患者さんとの深い信頼関係に繋がっているように思います。

伊藤さんの印象的だった言葉として、「人の人生に耳を傾ける」という言葉がありました。プロジェクトとして患者さんが「やりたいことをやってあげる」という施しの姿勢ではなく、「やりたいことをともに探して実現する」という対等に人と向き合う姿勢を強く感じました。このような向き合い方は、病気に関わらず、偏見や差別をなくすための一つの解決策あると考えます。

伊藤さんや旅叶さんのプロジェクトは、旅を叶えるということのもっと先に旅先で出会う景色、感情、人とのつながり、思い出など、なにごとにも変えがたい価値を提供しているのではないでしょうか。伊東さんのご活動や真摯な人との向き合い方は、私たちの活動にとっても大きなヒントになりました。
読んでいただきありがとうございました。
(なおき)


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