大らかな社会は、経済発展しない。

スマホのおかげで、待ち合わせや行列にイライラしない人が増えている。待ち合わせ時間に相手が遅れていても、スマホで暇つぶしができるから、怒らなくなったという。

なるほど、そういう時にスマホが役に立つのか、と思うと同時に、人が優しくなれるかもしれないという思いが…。遅刻に怒って、険悪なムードにならないのだから。

世の中の人がみんな大らかになれば、素晴らしい社会ではないか。慌てず、騒がず、のんびり、ゆっくり。まるで、南の島の楽園である。日本で言えば、沖縄か。

そう言えば、沖縄には「沖縄時間(ウチナータイム)」という時間感覚が存在する。飲み会や集会、待ち合わせには、30分や1時間遅れるのは普通のこと、当たり前となっている。

誰も文句を言ったりしない。実に大らかである。それが沖縄の良さであり、変える必要はない。沖縄ゆえに許される、ウチナータイムである。幸せに生きていると言える。

だが、沖縄の失業率は高く、経済的には決して幸せとは言えない。ゆる〜い社会が、経済発展を阻害していると見ることもできる。沖縄をけなすつもりはない。沖縄の人はそれで幸せなのだから、批判してはいけない。

ところが、このゆるさを東京・大阪に広めるとどうなるか。時間を守らない=社会生活が成立しない。平気で遅刻する人は、社会が受け入れない。仕事に限らず、これは基本的なルールである。時間にルーズな人は、誰からも信用されない。最低限のルールを守れないような人に、仕事は任せられない。

多少のルール破りは許される、という雰囲気になってしまうと、経済的な発展は望めなくなる。南の島では良くても、大都市では許されない。

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