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楽食探訪:悲願(?)達成! トリュフを知る。

キャビア・フォアグラ・トリュフ。
世界三大珍味であり、高級食材。

ミーハーかもしれないけど、
やはり一度は食べてみたいと思うのが、
好奇心旺盛な超庶民
(と書いてスーパー庶民と読む)の性。

私は、もう大昔だけど、ちょっとお金のある年頃に、
バーでキャビアを、ホテルのフレンチレストランで
フォアグラを食べたことはあった。

だけど、トリュフと出逢う機会のないまま、
貧乏人となってしまったので、ずっと気になっていた。

三大珍味の2つを食べておいて、
残りの1つを取り残してしまったので、
積年の恨みならぬ、積年の憧れとなっていた。

トリュフ風味のポテッチやトリュフ入りのパスタソースを
試してみたことはあったけど、
土臭いだけで、味がまったくわからなかった。

テレビで観るような、丸いスライスを食べなければ、
本当の味はわからないだろうと思っていた。

けれど、超庶民があのスライスと出逢うことなど、
奇跡だと思う。
いや、思っていた。

が、まさかの救世主が現れた。

あり得ない出来事。

なんと、“丼と京風うどん”の「なか卯」が、
私の夢を叶えてくれるというのだ。

その情報を目にした瞬間、
身体全体がゾワゾワゾワと震えた。

おおぉぉぉ〜〜〜、こんなことがあるのか!

『トリュフの親子重』という商品を販売するという。

なか卯と言えば親子丼、というほどの代表選手。
そこに、あのスライスしたトリュフが
わんさか乗っている。

なか卯の親子丼も食べてみたいと思っていたので、
ワンストーンツーバードだ。
(意味のない言葉の置き換え)

これは、行かなくちゃ。

でも、遠い。

わかってはいたけど、時間の掛かることが、
これまで親子丼を食べに行かなかった理由でもあった。

だけど、今回はただの親子丼じゃない。
トリュフだ。
絶対に行く。

いざ、出発。

やはり遠かった。

高速道路は御法度なので、地道を走ったけど、
2時間45分も掛かった。

ファストフード店に行くだけなのに、
こんなに時間を掛けるのは、私たちぐらいだろう。

それほど、トリュフに憧れていたのだ。

いよいよ、店内に。

25年以上来なかったなか卯は、
券売機方式になっていた。

注文は決めていたので、
「どこを押すんや?」と迷いながら、
『トリュフの親子重』と
同時期のキャンペーン商品である『豚角煮重(並)』、
『きつねうどん(小)』を指でタッチした。

なか卯は京風うどんのお店でもあるので、
うどんを試さないわけにはいかない。

チケットを店員さんに渡してから、しばらく待たされた。

なか卯の中では高級メニューなので、
手間が掛かるのだろうか。

店内を観察しながら、
ワクワク感を自身で盛り上げていたら、やって来た。

ご飯ものは嫁はんと半分ずつ食べることにしたので、
私はまず豚角煮から。

テロンッ、トロンッ。
やわらかくて旨い。

濃い甘辛味だけど、クドくはない。

口の中で存在感を示しながらも、
ホロホロホロッとほぐれていく。

やるじゃないか、なか卯。

小松菜の漬け物と出し巻き玉子が乗っていたが、
これも旨い。
ご飯がすすむ。

ここで、うどんを食べてみる。

出汁をひと口。

ほぉ〜、いい出汁だ。
しょうゆが控えめで、塩を利かせている。

ほんの少し塩が強いが、目をつぶれる範囲だ。

うどんは、やわらか過ぎず、固くもない。
つるつるとした食感はなかなか旨い。

さて、角煮を半分食べたところで、
嫁はんのトリュフ重と交換。

早速トリュフだけを齧ってみる。

その前に匂いを。

ポテッチやパスタソースで嗅いだ匂いとは違う。
土臭くない。

きのこの匂いが鮮やかに鼻をつく。

齧ると、ポロポロッとくずれてしまう。

予想とはまったく違う。

食感はカシューナッツかアーモンドスライス。
味は、カシューナッツときのこを合わせたような感じ。

率直な感想は、不思議な味わい。

特に美味しいというものではないけど、
食感はクセになるかもしれない。

これを食べるために、
高級レストランに行く人の気持ちはわからない。

そこまでの価値を私は感じない。

でも、すっごい高級なトリュフは
違うのかもしれないなぁ〜、
という気持ちは残っている。

けれど、これで終わりにする。

トリュフへの憧れには、終止符を打つ。

本体の親子丼の感想を忘れていたけど、
とても上品な味わいで素晴らしい。

甘過ぎず、濃くなく、玉子もとろっとろで、
ほんと美味しいと思う。

なか卯さん、ありがとう。

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