見出し画像

首長! 災害地視察はお忍びで行きなさい!

「災害発生? よしっ、首長の責任として、現地に赴くぞ!」。首相、大臣、知事、市長らが、被災状況を把握するために、大勢の視察団を引き連れ、すぐさま現地に飛ぶ。

それを聞いた現地では、「お偉いさんが来るから、お出迎えしなくちゃ」と、責任者周辺では“歓迎団”が編成される。被災地で指揮を執る自衛隊・消防署・警察署の責任者まで、お偉いさんへの説明のために招集される。この首長の“迅速な行動”のために、たくさんの人びとが災害対応の手を止めなければならない。

首長が行って、一体何ができるのか。「これは大変なことだ。何とかしてあげて」と、周辺の人間に言うだけである。本人は、これで陣頭指揮を執っているつもりだろうが、まったくの時間の無駄、邪魔をしているだけである。「あんたに構っている時間なんて、ないんだよ」と、現地の人たちは怒鳴りたいだろう。

災害対応の素人である首長が行っても、何もできない。何をして良いのかもわからない。首長の自己満足以外の何ものでもない。行きたいのなら、ひとりで、しかもお忍びで行けば良い。まわりを巻き込まないで欲しい。その分、復旧・復興が遅れてしまうのである。

被災状況を知るために現地を見ることは重要だが、やや落ち着いてから行く方が良い。被災直後は、被害状況の確認などに右往左往している。パニック状態かもしれない。そんな時に首長に来られるのは、非常に迷惑なことである。落ち着いてきた頃なら、何が必要なのかがわかってくるので、首長への要望も出しやすい。

災害発生時には、首長ではなく、災害対応のプロフェッショナルを派遣すべきである。しかも、大きな権限を持たせ、必要なことをその場で決定できるようにすれば良い。

今後、自然災害が増えることは容易に想像できる。その際に、首長の代わりとして、現地に赴くプロの人材を確保しておくべきではないか。SAIGAISISATU

よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは、取材活動に使わせていただきます。