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食料自給率が向上しても、食べるものは輸入品になる!?

食料自給率を向上させるために、いま、農業や食が見直されつつある。このままでは、農業がダメになり、すべての「食」を海外に依存しなければいけなくなる危険があるので、さまざまな取り組みが始まっている。

その中のひとつが、「地産地消」。地元で産するモノを地元で消費する、という考え方である。本来、「食」というものは、地元の気候や風土に合ったモノが、そこで生まれ、そこで食べられるべきものである。それが、自然なことだった。

もう一度、その基本に帰ろう、というのが「地産地消」である。これにより、その地域ごとの自給率を高めていこうとしている。

同じような意味合いの言葉で「フードマイレージ」がある。食材の生産地から、食卓までの距離を近くすることで、輸送に伴う環境負荷を少なくする試みである。

つまり、ガソリンの消費を減らし、排ガスも抑制しながら、なるべく地元に近い食材を食べようとするもの。食料自給率アップ、地産地消の点からも注目されている。

これらの考え方は、本来の農業を取り戻し、できるだけ海外に頼らないようにするために、取り組まれている。

一方、日本の「食」を海外に売り込もうとする動きも活発化している。中国をはじめとするアジアに、米やりんご、みかん、ホタテ貝、豚肉、長いもなどを輸出し始めている。

輸入品によって、厳しい状況に追い込まれている、農業・漁業の人たちが、儲けを確保するために、新しい活路を見い出そうとしているのである。

国内では売れないので、海外へ。という考え方は、ビジネスとしては当然のことであり、批判するつもりはない。だが、日本の「食」全体を考えると、何か違うのではないかと思わざるを得ない。

こんなことをしていると、国内で食べるモノは輸入品に頼り、国内で作っているものは、すべて海外に流れてしまう、というような、おかしなことになってしまう。

政府は、経済のことはすべて民間に頼っているようなところがあるが、こうした問題は、政府主導で早く手を打たないと、取り返しがつかなくなるだろう。

国民は、国産を見直す時期なのではないか。

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