お客さまを早く帰らせるために、「焼きそば専門」にした女店主。
あなたのお店の“売り”は何ですか?
そう問われて、
キッパリと断言できる店主は多くありません。
少し考えて、
「○○……ですかねぇ」と答えるのがやっとのこと。
どうして、そうなるのでしょうか。
新規開店の当初は、明確な“売り”があったはずです。
なのに、売り上げの伸び悩みから、
さまざまな商品を扱うようになったために、
本当に売りたいものが曖昧になってしまったのです。
これを「仕方のないこと」で済ませて良いのでしょうか。
あなたの夢は、その程度のものだったのですか。
諦めるのですか。
もう一度、夢を追い掛ける気力は残っていないのですか。
面白い繁盛店の事例をご紹介しましょう。
夢や理想の話ではありませんが、
“売り”を1つに絞り込んだことで
成功しているお店があります。
京都にある「焼きそば専門店」です。
ここの女性店主は、関西弁で言う“イラチ”です。
“イラチ”とは、「せっかち」「気が短い」
「イライラしやすい人」「落ち着かない人」のこと。
この女性店主は、元々お好み焼きも焼いていたのですが、
焼く時間が掛かることにイライラして、
メニューを焼きそばだけにすることにしたのです。
「早く作れて、早く食べてもらえ、早く帰って欲しい」
という思いから、焼きそば専門にしたのです。
また、早く焼くために、先に麺と具材を
熱いだし汁に浸けるようにしています。
こうすることで、麺や具材にだしの味がつく上に、
早く温まるので、鉄板で焼く時間が短くなるのです。
実に徹底しています。
できあがるスピードと焼きそば専門ということが
“売り”になり、口コミが広がったのです。
お好み焼きと焼きそばのお店はどこにでもあり、
よほどの特徴がない限り、
繁盛させるのは難しいものです。
しかし、メニューを焼きそばに絞ったこのお店は、
それだけでも注目度は高く、
できあがりの早さも話題になり、
繁盛店になったのです。
店主の“思い切りの良さ”が、功を奏したと言えます。
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