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ふたたび「仮面ライダーのおくりもの」 【enta】

コピーライティングの自主トレーニングを兼ねて応募していた東映主催の「仮面ライダー50周年企画」第三回めの作品募集。本日(2022年6月4日)入選作品の発表があり、第一回のエッセイ・コラムに続いて(第二回はスキップ)またまた入選で賞金(クオカードですが)獲得。これで家飲みビール代に余力ができるw しかし正直、自信はありました

先日発行したZINEにも、このとおり

ヘッダー写真に掲載(サイトから引用)した入選作品は、仮面ライダーV3(1973)の「中途半端に終わった設定」を逆手に取りました。ライダーV3の特殊能力「26の秘密」は全てが映像化されてはおらず、スキマを突いた作品と言えるでしょう。このコピーはweb版仮面ライダー図鑑のV3の紹介に使われるそうです。

今回は文化放送が協賛した特別賞でしたが、2名しか選ばれない狭き門。(しかも金賞銀賞未満の入選作品よりも高額=前よりビールがたくさん買える!)

『V3を良く知っていなければ書けないコピー』

との選評でした。そこはリアルタイム世代の強みですね。


さて


私がコピーライティングするときに狙うのは、たとえ既に世に出ている商品やサービスでも(ほとんどがそうですが)

『そんな風に聞かされたのは初めてだ』

と生活者に思ってもらえる表現を選ぶこと。この企画で応募した仮面ライダーV3に当てはめると、「26の秘密」は一応すべての設定だけはできていて雑誌では発表されていましたが(出版社によってビミョーに違ったり)、映像作品本編では一部の紹介に止まりました。そこを発想の出発点としました。

そしてその既知の事実の側から作成しつつも単なるライダーファンの内輪ネタにはせず(声に出して読めばわかります)、また「仮面ライダークウガ」(2001)から始まる平成ライダーファンが主流の現在に、50年の時間を経ても「今もって未知の力を秘めた仮面ライダー」としてV3を表現し、キャラクターに新たな価値を加えるコピーに仕上げています。そこが審査員の無意識下での評価ポイントにはなったでしょう。


応募できるのは一人3作品でしたので、他にこういった作品を提出しました。

ヘビーな1号、軽さのジオウ

選外の2作品も「キャッチコピーとしては」悪くはないと思います。

私は募集を知らずに締切ギリギリの応募でしたので、公表されていた先行応募作品にザッと目を通したのですが、

かなりの作品がキャッチコピーとしての要件(仮面ライダー図鑑に記載するという目的)を満たしていなくないか!?

ということに、その段階で気づきました。規約の20文字以内ではあっても、それぞれの仮面ライダーをズバリ斬新に表現するのではなく、応募者の好きなライダーへの思いの方を強く書き表したものがほとんどでした。

『これは勝ち目(入選)あるな』と正統派コピーを投じたわけです。

しかしこういった一般公募案件は選考基準をファンの思いが引き下げるのもままあること。事実、東映はそのこと入選作品発表にあたり隠さず公表しています。一つでも多く採用したいからと。
その中(条件)に照らして見ると選外の2作品は(正当、正統だが)弱い。でも、

それ(選考基準変更)はズルだと騒いじゃダメですw
そういうファンの破壊力が選考基準を変えさせたということは(東映からすれば)プロモーションとしては大成功でしょう


冒頭記したとおり作品応募は自分のトレーニング、いい意味でのアソビです。とは言うものの、コピーライティングの要諦をキッチリ満たして評価されたことは伝わる言葉を創ることを仕事としている者としてホッとしたのもまた、正直なところですね

★ 本記事に掲載したキャッチコピーの著作権は規約により選外作品も含め東映株式会社に帰属します。
公式サイト「仮面ライダーWEB」からのスクリーンショットは、氏名を表示された原著作者が「コピーライティングの作成例」として適正範囲で引用するものです。


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