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ぼくのこれまで

はじめまして。伊賀正隼といいます。下の名前はマサトシと読みます。正しくそして素早い隼(はやぶさ)の様に賢明に生きてほしいという思いから命名されたそうです。実は、その一文字目の「正」はお爺ちゃん(正一)から父(正師)、そして僕へと受け継がれています。

そんな尊敬してやまないお爺ちゃんと父から、僕は生業の分野においても多くを引き継いでいます。その分野が建築・土木です。お爺ちゃんは戦後や神戸の震災後、工務店を背負い尽力し、また父は公務員として神戸の都市計画や水道土木などに今も携わり、伊賀家を養ってくれています。(改めて感謝したいです)そして、高校卒業に近づき、進路を決めるころ僕はいつしか建築を志していました。祖母と父の背中を追う様にして入学した近畿大学建築学部では同じ道を志す同士がいました。そこで周りと比較しつつ純粋に絵を描く事が得意ではなかった僕はデザインには進まず都市計画や建築計画の方面に進もうと入学後は考えていました。

考えを変えた一冊

しかし、ある一冊の本が僕の考えを変えます。それが、「ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡 」(越後島 研一/中公新書)という本です。

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タイトルの通り、近代建築の巨匠ル・コルビュジェの思考と実践の軌跡を追ったものです。手に取った理由も思い出せないほど吸い寄せられる様にして読み始めたこの本で、僕はデザインや歴史の奥深さを知ります。と同時に、表面上でしか見ておらず今までは到底理解できなかったピュリスム絵画や建築のデザインに興味が湧き、さらには考えつくせば俺でも出来るんじゃないかという勘違いをしてしまいます。(笑)

この勘違いを機に苦しい時期が始まります。設計デザイン演習にも力を入れていきますが、そもそも美術は得意じゃなかったし、基礎となる理論基盤も成熟しておらず、ぐるぐると考えては手が止まり結果も評価も得られることはできませんでした。優秀な先輩や同期が学外の講評会などで高評価を得るたびに、嬉しく思うも、逆に俺には何が出来るんだろうかともやもやとしたものがたまっていきました。

学生期回想。下手くそキャプテン

ここで時は遡り、小中高の学生時代。僕はずっと野球をしてきました。10年近く続けてきましたが、決してエースや四番になる様なタイプではなく、高校ではベンチに入れるかどうかという厳しいものでした。そんな学生生活の中で一番自分の糧になっているのは、中学の頃キャプテンをした経験です。当時、監督として指導してくださっていた数学の熱血派先生の体調が優れず、長く指導者なしでの練習を余儀なくされていました。そんな半分崩壊状態で任されるキャプテンなど受けたいと思う人は少なく、チームの中心選手が断り続け、5,6番目で僕まで順番が回ってきました。そして僕は受けました。

最初は、遊び始めるチームメイトをどう取りまとめるのか全く分からず、疲れ果てて帰宅した後の夕飯中に母にどうしていいかわからないと涙して嘆いたこともありました。がしかし、時間がたつにつれて、公的な存在であるキャプテンとしてどう振舞うべきかを徐々に理解します。決して野球は上手くないけれど、自分の努力に集中する姿勢を見せつつチームメイトの気持ちを汲み、キャプテンとして陰ながら調整をはかる。といういつしか、公的な仕事の遂行に自身の存在価値を見出していました。

ランドスケープ/恩師との出会い

時を戻しましょう、下手くそキャプテンで見出していた自分の存在価値を僕は3年生の研究室選択の時にふと思い出していました。公的な仕事というやりたい事の延長線上で且、不足している自分のデザイナビリティを強化してくれる研究室はなにか。そこで僕が出した選択はランドスケープデザイン(宮原克昇)研究室への配属でした。

精緻に建築理論を組み立てたり、哲学的な思考や抽象的なコンセプトから始める事を是としてきた(が故にもやもやしてたんだけど笑)今までのやり方とは少し異り、より具体的で伝わりやすいプレゼンテーションや設計を好む宮原先生の教えのもと、毎週のゼミで具体と抽象を行き来する思考が培われていきました。研究室の同期も色々な人がいて、日々議論しあいました。結果的に研究室配属後、3年後期課題・4年卒業設計ともに連続で最優秀を取ることが出来ました。

二度目の・・・

そして卒業設計は京都diplomaという学外の講評会にも出展しましたが、結果は惨敗。入賞すらできませんでした。が、ここで僕は思いましたプレゼンテーションの分かりやすさに問題はあれど内容では全く負けてない、むしろ優っている。と。


さあ、これは建築を志して2度目の勘違いかもしれません。が、この先には適度な挫折とその克服による成長はあるのでしょうか、乞うご期待としましょう。

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