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117回医師国家試験のDブロックの振り返り

2日目の1ブロックめ。体感では8割前後、自己採点では82.7%取れていた。前日の答え合わせはしていなかったが、体感では前日8割弱(実際は8割5分)はあったので、この日も確実に75%を取っていこうという気持ちで割と落ち着いて臨んだ。

正答率の低い問題、自分が迷った問題、自分が不正解だった問題について記していきます。自分の学習と、禁忌を踏んでいないか心配なのでそのチェック目的です。


117D4 腎硬化症について(正答率85.2%)

新規に透析導入する原因疾患として増加傾向、が正解。ネフローゼ症候群の原因としては多くない。この問題は勉強した記憶がなかったが正答率が高いため、自分のミス。勉強漏れがあったらしい。

117D6 APSの問題(正答率52.4%)

HDPの高リスクである、が正答。消去法でひとつ選択肢になった。HDPが血管の病態であるから、関係しうるであろうという程度の推察で選んだが、合っていた。

117D11 肘内障でみられるもの(正答率16%)

誰も答えられないであろうと思ったし、直観で選ぶしかなかった。正答は、上肢下垂位と前腕回内位。正答できず。

117D15 腎障害を起こす頻度の高い薬剤(正答率46.3%)

炭酸リチウムが正答。塩酸メトホルミンは不正解。腎障害の時は避けるべき、との違いを認識させる問題か。炭酸リチウムについては知識がなく、スタチンは横紋筋融解症(頻度が高いとは言えないだろう)、カルシウム拮抗薬は肝代謝、ステロイドは腎症の薬になるくらいだから却下。結局、みんな選ぶだろうからメトホルミンを選ぶしかなく、不正解であった。

117D17 卵巣腫瘤への対応(正答率71.4%)

腫瘤摘出が正答。不妊が主訴に含まれており、禁忌が怖くてbを選んでしまった。まずは診断と考えたのだが、問いは「治療として適切なのはどれか」であり全く意味不明な失敗をしてしまった。今になって嚢胞穿刺も禁忌ではないかと気になってきた(腫瘍を播種しないか、、いや、ダグラス窩に既に硬結があるし、、子宮全摘付属器摘出ほどではないか。。。)

117D25 高血圧症の86歳(正答率53.7%)

設問文の設定からして介護認定の申請は早すぎるのではないかと思ったが、これが正答に含まれるらしい(認知機能の評価が正答に含まれるのと両立しないような気もするのだが)。86歳の血圧142/86mmHgであるので、降圧薬減量も間違いではない気がして、こちらを選んでしまった。ガイドラインでは75歳以上では150/90mmHg未満(忍容性があれば140/90mmHg未満)。忍容性があれば!

117D30 グラム陽性菌の喀痰(正答率98.1%)

グラム陽性杆菌に見えたが選択肢にグラム陽性菌が肺炎球菌しかなく、これを選ぶしかなかった。正答率が98%なので迷う人はあまりいなかったのだろうか、自分は結構迷ったのだが。

117D32 浸潤性乳管癌の治療方針決定のために行う検査(正答率30.4%)

頭部MRI、頚部・胸腹部造影CTは正答。もう一つがBRCA遺伝子検査が正答となっていた。乳房造影MRIは不正解。「治療方針に」BRCA遺伝子が影響することは想定していなかった結果不正解。勉強不足だが正答率も低かった。

117D33 1歳女児のけいれん発作(正答率39%)

急性脳症が正答。症状が脳内の比較的局所の異常を示唆しているように思えたため、他の選択肢を除外し、急性脳症を選んだら合っていた。今年の国試では脳波所見への言及がとても多いと感じた。なんとなく程度しか対策していなかったが、もっと対策すべきだったのかも。

117D38 女性化乳房の原因(正答率60%)

カルシウム拮抗薬でも機序がよく分からないが原因となるらしい、これが正答。甲状腺機能亢進症は、文中に「乳汁分泌は認めない」という記載があるからひっかけ選択肢に見えて除外し、カルシウム拮抗薬を選択したら当たっていた。今年の国試、薬剤副作用についても出題が多い気がする(対策として後回しになりがちかもしれないので要注意かも)。

117D47 破傷風の治療(正答率47.8%)

抗破傷風ヒト免疫グロブリンとメトロニダゾール。抗破傷風は明らかとして、もうひとつの見当がつかず。メトロニダゾールはごく限られた対象しか覚えていなかったため、不正解。

117D48 脳梗塞の高齢女性(正答率28.8%)

経過が脳梗塞を示唆。不整脈ないことからDOACより抗血小板は適切、構音障害からやや脳幹障害も怪しく、脳圧解除は悪くはないだろうと思いグリセオール静注を選択したら合っていた。t-PAは発症後の時間経過が長いため不可、血栓が見当たらなかったため、血栓回収を選ぶ勇気はなく、「悪くはないであろう」脳圧解除を選ぶことにした。かなり正答率が低いので意外。循環器系の緊急系とあわせて、脳卒中も念入りにしたほうが良い。血栓には禁忌が多いので丁寧に勉強したほうがよさそう。

117D50 十二指腸潰瘍(正答率64.4%)

症状から十二指腸潰瘍だが、ガストリノーマを想定するような選択肢が並んでおり、腹部MRIも妥当のような気がしたりもした。ピロリ菌検査のために尿素呼気試験をまずやるのが妥当か否かについて、確信をもてなかったが、より一般的な疾患であろう十二指腸潰瘍を想定してこれを選んだら当たっていた。

117D51 繰り返す尿路感染の8歳男児(正答率38%)

正解は予防的抗菌薬と99mTc-DMSA腎シンチ。腎盂腎炎を反復する小児で予防的な抗菌薬投与があることは知っていたけれど、10歳くらいまでという年齢については曖昧にしか覚えておらず、8歳であれば要精査に移るのかと推測して誤答してしまった。

117D53 悪性リンパ腫の検査(正答率6.5%)

R-CHOP前に骨髄検査と、心エコー検査が必要が正解らしい。アドリアマイシンに心毒性があることは知っていたけれども、ステージの診断で画像検査は必須と考えてしまった。また、「心電図検査に異常を認めない」という記載から、心毒性フォローは心電図で行うことを意図していると解釈してしまった。

117D54 子宮頚部の軽度異形成に対して(正答率32.6%)

軽度異形成(子宮頚部上皮内腫瘍)には半年後の細胞診でよいらしい。疑問をほとんど持たずに円錐切除を選択して誤っていた。間違って大雑把に記憶しており、自分の想定していた問題レベルを超えた設問であり、勉強不足というかキャパ不足だった気がする。

117D60 子宮体部癌肉腫の発生要因(正答率25.3%)

胞状奇胎の既往ではなくて、放射線治療歴が正答。胞状奇胎のなかにどの系統にも分化しうるものが含まれていると想定したが誤っていた。放射線治療が(白血病ではなく)肉腫の発生要因になるなどとは初耳であった。知識不足か。。

117D62 右片麻痺患者で起こりうる神経症状(正答率48.7%)

主訴と画像の両面から推察すると感覚性失語と右同名半盲が明らかな正答。着衣失行は頭頂葉、眼球運動は脳神経だから離れている。感覚障害はありうるなら右半身。Gerstmann症候群と周辺部位の暗記は国試数日前に追加で行っただが、これが功を奏した感あり。(右利き者の)左半球でWernicke、角回、縁上回、感覚野の位置関係あたりはまとめて覚えておくのがおすすめ(多分来年以降の受験生には必須になるのだろう。。)

117D66 輸血で鉄過剰(正答率88.5%)

瀉血と鉄キレートのどちらも正しそうに見え、迷ってしまった。貧血や輸血でのヘモクロマトーシスでは瀉血は行わない。瀉血を選ぶ受験生が多いかと推測し、こちらを選んだのだが、不正解であった。

117D67 RSウイルス感染症(正答率49.3%)

高二酸化炭素血症が正答。気道狭窄があるので換気に障害がある、くらいの理由で二酸化炭素は高いであろうと予想して解答したら合っていた。血小板は正常か増えそう、IgEは増える理由思いつかず(喘息とのひっかけと推測)、好中球ではなくリンパ球が重要、呼気性なので肺野はどちらかというと暗くなると考えたら、消去法的にも高二酸化炭素となった。

117D68 淋菌の治療(正答率68.3%)

セフトリアキソンと覚えており、正答できた。国試に出る感染症、念のためすべて抗菌薬の内容まで覚えていたのだが、よかった。勉強の効率面から考えても、疾患と治療はセットが良いかと思う。

117D69 肺炎の治療(正答率67.3%)

COPDの急性増悪のよくある起因菌のうち、グラム陰性の球菌に見えるのでモラクセラと推測(肺炎球菌の問題の画像と同じく、粗くて見にくい画像を採用する意味は全く意味不明)。あまり見当がつかず以下のように推察した。①セファゾリンとセフトリアキソンがあることに出題者の意図は含まれているのだろうか。②ペニシリンがあることも気になる(肺炎球菌と思った人向けの解答?)。③クリンダマイシンはガス壊疽とか割と限られた場面だったような。。④バンコマイシンも同じく。。⑤そもそもモラクセラに自信がないし、状況もよくなさそうだから、広域に効きそうなセフトリアキソンを選んでおこう! →偶然正解していた。

117D70 高異型度漿液性癌の治療(正答率62.1%)

卵巣癌は「病期に依らず摘出しプラチナメインのケモ」と記憶していたため、間違ってしまった。開腹手術ができない理由を説明しているのか判別できず、素直に覚えた上記内容を当てにして選択したら間違えた。










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