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完全趣味的音楽レビュー

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レビューと言う程でもない感想文乱れ打ち
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2018年2月の記事一覧

Mrs. GREEN APPLE『Love me,Love you』-誰が心にも春は来る

Mrs.GREEN APPLEの新曲が、めちゃくちゃお洒落だ。
今年二月十四日(ヴァレンタイン!)に発売された『Love me,Love you』と言うタイトルのシングルなのだけれど、毎回違った顔を見せてくれる彼等がまた新しい形態に変身した事がよくわかる楽曲になっている。前回のシングルでシンセサイザーバッキバキだったバンドが一体どんなメガシンカ遂げたらこんな事になるのか、甚だ謎である(※褒めていま

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KEYTALK『ロトカ・ヴォルテラ』-荒野に咲いた“紙一重”

乾いた風の吹きすさぶ荒野、背を向け合う男女。男の手にはナイフが、そして女の手には銃が携えられている。かつては愛し合ったふたりだが、今は敵同士。運命が無情にも恋人達を引き離してしまったのか。今となっては彼等は”喰うもの”と”喰われるもの”。そしてその関係は、いつ入れ替わるかわからない。紙一重の愛と狂気を胸に秘めた恋人達は次の瞬間身を翻して見つめ合い、その懐に隠した刃を互いの喉元へ突きつける――。

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ゲスの極み乙女。『戦ってしまうよ』-戦うために戦ってんだよ

僕にとって音楽は、言わば親指プッシュひとつで接種出来るワクチンのような、鎮痛剤のようなものだったりして、日々生きてゆく上で胸が痛んだり、物理的に身体が痛むような事があった場合にそれを少しでも和らげるために再生ボタンをクリックする事が多いわけだけれど、そのためにはその鎮痛剤――音楽を提供してくれるミュージシャン自身の挙動にもついつい安心感を求めがちである。

誰とは敢えて言わないけれど、昔っから音楽

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GOOD ON THE REEL『光にまみれて』-たとえ光にまみれたとしても

暗い部屋から外に出た瞬間、陽光のあまりの眩しさに目がくらんで何も見えなくなる事がある。これは別に僕に特有の現象でも何でもなく誰もが経験しうる事だけれど、人体と言うものは実に有能で、ものの数秒で足元を確認し、眩しいながらも歩みを進める事が出来るのだ。だけど、心はそうじゃない時がある。

今年自主レーベルを立ち上げたばかりのGOOD ON THE REELが、その一作目としてリリースしたミニアルバム、

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