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『人生を動かす哲学者の言葉』動かすのは自分 vol.592

仰々しいタイトルの本でした。

『人生を動かす哲学者の言葉』という本。

確かに、たくさんのヒントになるような格言が詰まっていました。

これだけの格言を詰め込んでしまったこの本の価値はとことん高い気がします。

しかし一方でそれほど重たく大きな言葉であるはずなのに、見開き1ページ分しか載っておらずどこか簡素的な印象も受けました。

今日はこの本を読んでの感想を書いていきます。

表面的な灰汁取りのような本

私は正直この本に対して批判的です。

自分の人生を動かせなかったとかそういうことではなく、あまりにも偉人たちの言葉を安売りしているように感じたからです。

確かに万人に理解してもらえるように、言いたいことだけを要約してポイントを押さえた言葉で伝えるのは大事ですが、それにしても凝縮し過ぎているような感じがします。

例えるなら、右も左も分からない新人くんが入社早々に先輩のAさんにはこう言われ、Bさんにはこう言われ、Cさんにはこう言われと、波状攻撃を喰らっているような感覚。

高級イタリアンでじっくりと食材の味を噛み締めながら、料理を楽しむのではなく、サイゼリヤなどのファミリーレストランでとりあえずいろんな料理を頼んでちょっとずつつまみ食いしているような感覚。

とどのつまり何が言いたいかというと、それぞれの格言の説明や背景が少なすぎると言ったところでしょうか。

つまみ食いだけではその料理の本質まで辿り着けません。

授業が上手くなりたいからと言って、いろんな人からワンポイントずつ話を聞いても表面的なスキルしか手に入りません。

それと同じです。

人生を動かそうと思って買うな

厳しいことを書くようですが、もしこの本を買って何かしらの人生の転機を探そうとしている人がいるなら、もうその本を買っている時点でダメと言ってやりたいですね笑。

そもそも自分の人生をたった一冊の本に変えてもらおうとしている時点で間違いなくその人の人生は変わらないでしょう。

しかもここまでの軽い格言集のようなものでは。

きっと、その瞬間は「おぉ、なるほど!自分もこんなふうに生きてみよう!」となるかもしれませんが、間違いなく三日坊主で終了です。

この本には格言を残した偉人の思いも背景も人生も残っていないからです。

もし、この本で人生を変えるというのであれば、それはよっぽど自立心を持っている人でしょう。

一つ一つの言葉を噛み締めて批評的思考で捉え、自分なりの解釈を持ち、行動に反映できる。

ここまでできるのであれば、この本によって人生を変えられたと言っていいのかもしれませんが、そもそもそんな人にはこの本すら必要ないでしょう笑。

読んで終わりの本ではなく、その後の行動でこの本の価値が変わるそんな本でした。

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