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アラサー現地語学校に通う〜本当に本当に本当に何言ってるか分からない〜

こんにちは。いがりなです。
夫の仕事の関係でスウェーデンストックホルムに住み始めて8ヶ月過ぎました!

移住6ヶ月目でやっと3歳の娘が保育園に通えるようになり、そろそろ現地語の学校に通うことにしよう!と。

スウェーデン語を学ぶにいたった経緯


スウェーデン8位、日本78位


スウェーデンの公用語はスェーデン語なのですが、多くの人が英語が話せます。
理由はスウェーデン語は英語と同じゲルマン語属なので文法が近いため、そして話者の数が少なくコンテンツが少ないので幼い頃からテレビや本で英語に触れる機会が多いからと言われています。
2018年のEF テスト(成人の英語力の平均の国ごとのランキング)でスウェーデンは1位だったのですが、2021年は8位という結果に。
これについて深く調べられていないのですが、おそらく移民を受け入れている影響かと。

生活するうえで英語だけで生活することって、まぁ可能です。
最初はスウェーデン語で話しかけられたとしてもsorry?とかCould you speak English?といえば、得意・不得意はあっても85%くらいの確率で英語で話してくれる印象です。お店で通じなくても医療や公機関で働く人はほぼ話せます。
現に何十年も住んでいて、英語だけで貫いている方もいます。
この『現地に行ったら現地語を話すべきか問題』は定期的にSNSでも話題になりますね。
ここで私の意見を述べておくと、何語をどれくらい話すかは本人が決めればいいし、もし学びたいと思ったらそのタイミングで学べばいいんじゃない?と考えています。
そこで何年住むか、家族は何語を話すのか、仕事は、コミュニティーは、学習のリソース、生活の負担や時間が捻出できるか..etc 本当に人ぞれぞれです。
そりゃ現地語を話せた方が何かと便利ですし、馴染みやすいし、周りのフォローも少なくて済みますけど、語学の習得ってそんなペロッとできることじゃないし、言葉って本人の意識や思考の精度にも関わってくるから強要するってちょっとした暴力的なものを感じます。

で、私の場合は何年住むか全然分からない。
最短2年で帰国かもしれないし、ずっと住むかもしれない。4年くらいで違う国に行くかもしれない。
暮らしていて最初の半年は、正直スウェーデン語が話せなくてもそこまで不自由はありませんでした。
夫の仕事は全て英語なので連れてくる友達も英語、アパートの住人との会話も英語、自分の職業柄も英語が話せた方がゆくゆく有利だし、まずは生活するにも英語を確立した方がいいかなと英語を独学で学んでいました。
そこからコレは話せた方がいいな・・・と思ったきっかけが保育園。
娘の保育園はインターナショナルスクールではなく、家から近い普通の地元の保育園にしました。
英語を話してくれる先生もいれば、保育士さんの中には全く話せなかったり、英語で話しても断固としてスウェーデン語で返してくる人もいて、あーこれは勉強した方がいいなと徐々に思いはじめました。
保護者会や、送迎の時の保護者同士のやりとりも英語だと情報量が半減してしまう印象。
ここでもし数年後に使う機会がなくなったとしても、直近 娘を普通に生活させるミッションとしてスウェーデン語を少しでも分かるようになりたいと思いました。

スウェーデン語の学校SFIに申し込む!


スウェーデンは移民大国。労働して納税してもらえるよう現地語教育に国が力を入れている


この移民向けの語学学校、地域によってはEU国籍を持つ人限定の場所もあるようなのですが、私が住む所ではパーソナルナンバーを持っていれば無料で通うことができます。
初級を終えたら、並行して職業訓練を受けれたり、コースを修了するとさらにSASというアドバンス編学校にすすむこともできます。
コミューン(所属する市区町村機関)のWEBサイトから成人教育のサイトにアクセスし、登録フォームに従って名前・住所・話せる言語・学歴・希望の校舎を5ヶ所入力します。
ここで完全オンライン、半分オンライン、毎日通う午前or午後コース、土日だけのコース、夜間コース、などどんな形で学びたいか選択できました。
登録完了すると担当者から電話がかかってきて、どのクラスが最適なのか話をすると書いてありました。が、ドキドキしながら待っても、連絡が来ません。
1週間以上たち、もしかしてちゃんと送信できていないのかなとメールで問い合わせたところ「手続きは進んでいるから、もうちょっと待って」と返信が。
そしてフォームを送信してから1ヶ月以上経ち「来週の月曜から授業スタートだ。必ずこの説明会にこの住所に来てね!」とメールがありました。
1週間後から突然始まる大人のスクールライフ!

連絡してすぐに2週間後から初められることもあれば、かなかな空きがなくて3ヶ月待つ場合もあったり、最初にレベルテストを受けるなど、地域によって申し込みフローや待ち時間は結構差があるようです。

マジで何言ってるか分からない日々スタート

教室


幸い家から30分前後で行ける校舎に決まりました。
学校は地下と1階にまたがって大小10個くらいの部屋があり、すごく綺麗でもなければすごく汚い訳でもない普通の小さな専門学校のような雰囲気です。
教室にはあらゆる国の20代中盤~50代くらいの人がいました。
簡潔な紹介の冊子が配られて、先生がスウェーデン語で何かを説明します。
ところどころの単語を英語で言ったり、生徒から英語の質問に対しては英語で話すので断片的にはわかるのですが(「コースの修了はいつ?→人による」「教室がどこがどうやって分かる?→受付の掲示板に書いてある」など)全体像として何を言ってるのか分かりません。
先生の質問は?に対して、挙手して前まで歩いて行って、翻訳アプリの画面を見せる人もいたので、分からなければああやって聞く方法もあるのかと勉強になりました。
それからみんなでトイレや談笑スペース、給湯室スペースなどを見学し、一人ひとり名前が呼ばれ「あなたは3C」とコースを告げられた人から帰宅し、どうやら終わったようでした。
黒板には8.20と書いてあるので、明日は8時20分に来ればいいようです。

授業スタート

見慣れない ä ö å に混乱


平日は毎日8:20~12:00、対面で学習をするコースにしました。
どうやら言い渡せれた3Cコースにも複数あり、直前まで違う教室にいました。
なんか昨日のメンツと違うし、私意外はみんな顔見知りっぽいからこれは違うなと思い受付に聞きに行ったやっぱり別教室でした。でもたどり着けてよかったです。
先生はもう100%スウェーデン語で普通に何かを話します。
黒板にちっさい文字で何かを書くのでとりあえずノートに書きうすつします。すぐに消されてしまうので、、頑張って写す。早い。何言ってるか分からない。
それから口にチャックのモーションをして、ドアを開けて、ドアの外を指差す・・・え!もしかして発言しないやる気ないやつは出て行けってこと!?怖い。スパルタ先生に当たってしまったかもしれん・・・
怯えていると、みんながノートを持って外に移動を始めたので、外のカフェスペースで今の例文を使って話せということみたいです。
そこでクラスメイトから「英語で言うと最初の1文は『私は○○から来ました』って意味だよ。あ、スペル間違ってるよ。正しくはこうだよ」と教えてもらいました。
板書さえままならない。。。そして今までは英語だって分からないと思っていたし現にそうだけど、少しでもわかる言語を聞くとこんなにホッとするとは。英語に安心する初体験。
正しく書いてもらったところで発音も分からないので、
「 j a g 」
「やーg?」
「kommer」
「こぉめ?」
「från」
「ふら・・・ふろん?」
と言った感じで幸い神レベルに優しいクラスメイトに助けられ、申し訳なさに胃がキリキリしました。
それからアルファベットの発音をちょっとやって、スウェーデン語独特の9つの母音発生練習から、母音あてクイズ
イーいーうーおーイーァおーぁあーオーアーッ!
全部同じような感じに聞こえるけど、i y u o e o ä ö å がランダムに先生が発音して当てるテストです。
もう私は何音発音されているのかさえ分からずに、当てられても見当違いなアルファベットでした。
そんな感じで混乱の1日目。

最初の1週間はずっとそんな調子で、文章の聞き取りテストも先生が話している「えーと」とか「次ねー」にあたる言葉、番号や句読点すらもセンテンスの一部だと思って書き起こしたりしていて、隣の人と答え合わせをして珍回答を披露していました。
みんながみんな魔回答を披露していたらまぁそんなものか思えますが、クラスの結構な割合の人が理解していてめちゃめちゃ焦るし、優しく教えてくれたものの隣やグループになった人にひたすらに申し訳なかったです。

ヨーロッパ勢や英語圏の人たちは母国語と近いこともあってか初心者ながら理解が早い人が多く、アラビア語ユーザーは仲間が多くて隣同士や教室を跨いで分からない部分を教えあっていたりしていて、違う語族や仲間がいる所属が羨ましくもなりました。
まぁでもゼロから勉強する遠い語族の人も星の数ほどいるわけで、もう比べたって仕方ないから、少しでも前に進めるようにやるしかないなと。
トルコのクラスメイトと隣になった時に
青年「今、先生の言ってること分かる?」
私「ごめん。何一つわからん」
青年「大丈夫!俺も!」(何が大丈夫なんだ・・・!)
結果、会話実践練習でふたりして何していいかわからずという日も出てきて、あーしんどいのは私だけじゃないんだなと気づけました。

ウルスラいい女すぎる

魔女の宅急便のウルスラも言ってますね「そういう時はジタバタするしかないよ。書いて 書いて 書きまくる」
そう。とりあえず手を動かすことが大事。
げっそりして帰って、娘が帰ってくるまで「今日のこれはどういう意味だったんだ、、板書のメモから推測しよう」と復習をして、細切れで毎日3時間前後勉強をしていましたが、やってもやっても分かった!とはならず。
初めて迎えた土日はもう次の授業が始まるのが嫌で嫌で、もうそれしか考えられませんでした。

初心者クラスは3つあり、一番下が自国で高等教育を受けていないクラス、真ん中が自国で高等教育を受けたクラス、一番上がスウェ語の基礎があるクラス。
私は大卒なので真ん中の初心者クラスだったのですが、全然ついて行けないし、足をひっぱっていること間違いなしだったので、一つクラスを下げようなと考えていました。

2週間目 初めて授業中に「分かる」

所有代名詞の種類が多い


どういうわけか教室の生徒のメンツが毎日変わるし、先生も2人体制であることが分かりました。
スウェーデン人のスピードが早い先生で撃沈していましたが、イラン出身の3ヶ国語を話してくれる先生はゆっくり一生懸命説明してくれるので理解が追いつくことができました。
どうやら出来る子が初級の上のクラスに移動しているらしく、なんとなくクラスのレベルが優しくなった気が。。
先生もいろいろと試行錯誤していて、プリントを配ってまずはそれぞれの母国語に訳す時間をくれたりと工夫をしてくれるようになりました。
相変わらずクラスの中では落ちこぼれ枠で胃が痛い朝を毎日迎えていますが、ちょっとずつ授業で「あーそういうことか」と思えることも出てきて、隣の人に今の分かった?と聞かれたら「たぶん、こういうことだと思う。例えば・・・」と説明することも出てきました・・・!
一方で文法説明とかクラスのメンバーで最後まで分からない一人になることも普通にある!むしろ多い。

最初はHejとTackとUrsäktaしか分からなかったけど、今このノートを書いてる現在は入学から2週間で

私の名前は○○です。
日本から来ました。日本語と英語を少し話します。
私は○○に住んでいます。
子供が一人います。彼女の名前は○○です。
私は写真の専門家です。
学校にはバスで来ます。
どこに住んでいますか?
結婚していますか?

といったことがスペルは時々間違えるけどスェ語で書けたり、ゆっくり話せるようになりました。
スウェーデンに半年住んでてそのレベルかよって世間からはドン引きされるレベルかもしれませんが、これが私の限界・・・!
まだ本当に難しい部分、両性名詞と中性名詞があって、それに連動して所有代名詞や形容詞が変わるとか、動詞が5種類に変化するあたりにまだ踏み入れていないので、、、そこに突入したらまた発狂するのかもしれませんね。

生活の変化

保育園の送り迎えで
「ご き げ ん よ う」
「私 は げんき。 彼女 は げんき」
「彼女 今日は 元気だった?」
「また あした」
とスウェ語で話す様になって、先生たちがすごく褒めてくれたり、絶対英語で話してくれなかった先生が「こんなふうに勉強するといいよ」と笑顔でアドバイスくれたりする様になりました。
まだ普通に生活するには遠いレベルだけど、ちょっと距離が近づいた感じがして嬉しいです。

続けることが大事。明日からも頑張ります。

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