ウルトラマンが欲しい

 タイトルはウルトラマンガイアのオープニング「ウルトラマンガイア!」からの引用。
 何故こんなタイトルなのかと言えば最近ウルトラマンを見ているからという至ってシンプルな理由だ。
 とは言ってもツブラヤイマジネーションでガイアを見ているわけではない。ニュージェネレーションと呼ばれるここ10年くらいのウルトラマンを主戦場としている。
 この記事ではそんな僕の最近のウルトラ事情をつらつら書いていこうと思う。

 まず最初に言っておくと、僕は長らく仮面ライダーになりたいと思っていた。
 と言っても本当に改造人間になりたいわけではない。映画のエキストラとかそんなので良いから変身シーンを演りたいだけで、幼い頃の福くん、いや仮面ライダーの先輩になった福さんよろしくオリジナルの仮面ライダーの設定を作って変身ポーズを考えている。なおこれは幼い頃の話ではなく名実ともにアラサーとなった現在進行系の話だ。
 ちなみに本当に改造人間になりたいわけではないと言ったが本当はちょっとなりたい、改造人間というよりサイボーグ願望に近いかもしれないがマイクロチップを入れたりICLもしたいがそれはまた別のお話。
 同じ特撮モノでもウルトラマンではなく仮面ライダーに惹かれていたのは僕が世代的にクウガがドンピシャなのもあるだろうが、何より宮城県出身であるということが一番の要因だろう。石森先生と呼ぶほど思い入れはないながらも萬画館には何度か行ったし、平成ライダーを見ている時に仮面ライダーは宮城出身の石ノ森章太郎先生が作ったと親から聞かされたことも覚えている。

 そんな根っからのライダーっ子(とは言ってもあらすじをちゃんと説明出来るくらい覚えているのは数シリーズ、特に自我の確立した平成二期以降だが)の僕が今更ウルトラマンにハマっている。
 きっかけは、ありきたりだがコロナ禍にウルトラマンZを見たことだった。ウルトラマンZについて簡単に説明すると「明るくてチョー楽しいウルトラマン」だ。バカみたいな説明に見えるかもしれないが、僕も世間もそういうものを求めていたからアレだけ流行ったんだろう。
 なにせ近年の特撮において明るくてチョー楽しいというのは中々珍しい。そうなった原因について書くと面倒くさいオタクになるので今回は割愛するが、とにかく僕はウルトラマンZの虜になった。足が浸かれば沼にハマるのは一瞬である。気が付くと僕はオーブを見ていた。ジャグラーの過去が知りたかったからだ。

 今一度冷静になってニュージェネをつまみ食いしている程度のにわかウルトラファンなりにウルトラマンに惹かれる理由を分析してみた。
 僕がウルトラマンに感じる一番の長所は「基本的に一話完結で毎回違う怪獣が出てくる」ことだろう。過去シリーズからの使い回しであっても毎回違う怪獣が出てきてくれるのは嬉しい。
 特性に合わせて戦い方を工夫して倒したり、防衛チームと協力して解決するのが見ていて楽しいからだ。それに見る時間を視聴時間が区切りやすいのもいい。
 キリのいいところまで見ようとして睡眠時間3時間コースは年齢的にも避けたい。

 ウルトラシリーズ2つ目の長所は過去シリーズからの客演が多いことだ。
 もちろん賛否はあるだろうが個人的には大好物だ。特にフォームチェンジするタイプのウルトラマンの場合は基本フォームで圧倒する描写があると嬉しい。
 こうした客演があるとぶっちゃけ予算の都合で使いまわしている怪獣にも深みが出てくる。テレビシリーズではなくYou Tubeのオーディオドラマの話だが、本編中は未熟なウルトラマンだったメビウスが今はニュージェネの頼れる先輩として描かれていることにトキメキを感じているのは僕だけではないはずだ。

 3つ目は怪獣や異星人の描き方だ。
 彼らにも生活があり自我もある。人間とは姿形が違っても生物なので当然のことだが、敵として登場させる場合のバランスは難しい。僕が大ハマリしたZでは花粉症のゴモラや卵を守るレッドキングの番いが登場した。
 リペイントや角を生やすなど見た目で差別化を図ることも出来ただろうにそうしなかったのは、怪獣を単なる物語上の敵ではなく1つの生命として描いていたからだろう。
 知能の高い宇宙人(異星人)ではもっと顕著になる。ジードではペガッサ星人のペガが主人公朝倉リクの相棒として活躍し、ファントン星人のグルマン博士なんかは防衛チームの技術主任だ。
 元から穏やかな気性の宇宙人が地球人やウルトラマンと絆を結ぶパターンが殆どだが例外もある。特に今まで一貫して悪役として描かれてきたババルウ星人が子供との触れ合いで正義に目覚める「ニセモノのブルース」は是非見ていただきたい。子供に見せたいウルトラマンのエピソード1位(僕調べ)だ。

 他にも色々あるが今回はこの3つだけにしようと思う。もちろんジャグラーの話もしたいがそうすると1日かかっても終わらないのでまた別の機会に書くとしよう。
 最後に僕自身も纏めきれてないふんわりした話をする。現代のウルトラマンにおける敵は闇ではなくアンチ光だ。ウルトラマントレギアを見るとそう思わされる。
 ジャグラーは闇の存在ではあるが今は改心してジードやZと共闘することもある。
 僕はこれを光か闇かというのは、生まれつきの髪や目の色のようなもので重要なのは心の在り方だということだと受け取った。
 そしてアンチ光とは絶望や嫉妬という感情から生まれる概念だ。これはベリアルやトレギア、かつてのジャグラーがそうであったように強い執着が原因で何かを攻撃せずに居られないという状態だと思って欲しい。
 胸に手を当てて考えよう。皆なにかしら当たりがあると思う。当然僕にもある。
 繰り返しになるが現代のウルトラマンの敵はアンチ光だ。それは力だけでは倒すことの出来ない敵だが決して倒せない敵ではない。そういうことをウルトラマン達は教えてくれているのかもしれない。


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