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一度は読んで欲しい! 咀嚼《そしゃく》の話・・・・(上)

おはようございます。今日もこのサイトにご訪問いただきありがとうございます。

今日は熱い咀嚼への思いを書いていたら10,000字近くなったので、三部構成に分けてお届けしたいと思います。

木曜日は遅い昼食をとるために蕎麦やに入りました。
するとテレビのワイドショーが流れていました。家ではテレビを見る機会がかなり減って、テレビを見るのがちょっと新鮮な気がします。ウクライナの大統領が米国議会でオンラインスピーチをしたという話題でした。

これは本題ではないのですが、しばらく見ているとCMに入り食事をする様子が映し出されました。今日はそれについて私見を共有したいと思います。(歳をとった偏屈おやじみたいに思われたら寂しいですが~)

食べ方

そのCMでは男性の若者が丼ものかお茶漬けをものすごい勢いかきこむように食事をしています。この映像が伝えたい事は、
 ・その人が空腹であること
 ・食べ物が美味しくて思わずかけこむように食べてしまった
 ・美味しくて食べるのが止まらない
といったメッセージではないかと推測します。
この豪快にかけこむように食べる姿にカッコいいと思った人もいるかもしません。

しかしながら、公共の電波を使って”かけこむ”様子を写すことに私は違和感を感じています。
それは、この映像を見て「咀嚼」を軽んじてしまう印象を与えるのではないかと思うからです。今日は咀嚼の大切さについて書きたいと思います。

|咀嚼そしゃくをする環境

人は幼児の時は、保育園や幼稚園の先生は

「よく噛むようにと」=「咀嚼をよくする」

ように指導を受け、子供達も良く噛む気を付けます。
自主上映映画「いただきます」の舞台になった福岡県福岡市の高取幼稚園の園児は、お昼を食べる時に最初の一口はみんな一緒に100回噛みます。

そこまでしなくても、私の子供達の経験からもよく噛むようにと指導をしてくれると思います。

早く食べることを迫られる環境へ

ところが、小学校以降は「よく噛むように」と言われることはかなり減ると思います。私の子供の例で言うも学校の先生も非常にお忙しく、配膳が終わるや否や、それこそ飲むように5分程度でお食事をし、仕事をされている先生もいらっしゃいます。学校の先生は忙しいですから多少やむを得ないのでしょうが・・・子供は大人の姿を見て成長していきます。

さらに、そもそも昼休みの給食時間は給食は配膳と片付けも含めて45分程度。食べる時間は実質15~20分しかありません。
そして子供達は早い者勝ちの「お代わり」欲しさに必死に早食いします。

「フードロス」は絶対良くありませんが、多くの子供が欠席してしまった日には、強制的に余った給食は先生が各生徒へ配給のような「お代わり」となり、子供達は必死に追加で配られた給食を食べます。

食べるのが遅い子供達は先生からも「早く食べろぉ!」って指導も受けたりします。

社会人時代は更に早食いに・・・(特に男性!?)

会社員になると特に男性は食事が早くなります。立ち食い蕎麦や牛丼等、ささっとあっという間に食べ終わりでしょう

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という私も猛烈社員時代は早食いの食事も多かったです。

恐らく最短記録は有楽町線の終点である新木場駅ではJR京葉線へ乗り換えできます。
ある日、地下鉄からJR新木場への乗り換え時間12分に、立ち食い蕎麦屋で食券買って、注文して、蕎麦出てきて、食べて乗り換えるなんて無茶をした時かもしれません。
蕎麦が熱すぎて口の中がやけど寸前になりながら、味わう時間も無くとにかく、「お腹に入れなくては」と口に入れました。

そして電車が入線する音が聞こえるやダッシュで電車に駆け込みました。
黒歴史ですね💦
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早食いの上司と昼食に行くと、「上司をお待たせしてはいけない」と何が何だか分からない中、次から次へと食材を口に運ぶのではないかと思います。上司より遅れていると分かると、更に焦って食べ急ぎます。
先輩からも食事は相手に合わせるようにと指導を受けます。

役員と食事なんて言うと、気遣いやら、場の盛り上げ、自分の食べる速度やらと、どんなに高級な食事でも何を食べたかほぼ覚えていなかったです。人は意識しないと、自分の意識に残らない分かりやすい例だと思います。

このように会社でも早食い文化が継承されます。そして個々人の中にも、早食いの食習慣が40年醸成されていくのです。

老後の食事

年を取りシニア世代になると子育ても終わり、ご夫婦で食事をとる機会も増えるでしょう。筋金入りの早食い社会人と食事を普通に食べている方では、
食事の速度が合いません。早食いで早々食事した方は、普通に食べている人に

「早く食べましょう」

とついつい促してしまいます。40年も同じ食事習慣をしていたら、年を取り「はい、今日からゆっくり良く噛んで食事をしてください」と言われても急にはできません。

このような食生活を50年以上続けることによって、早食いの食習慣で咀嚼への注意は払われなくなります。
そして、咀嚼への意識が薄いということは、口の筋肉が弱まるのが速まっていきます。

老化は日々進んでいきますが、咀嚼が少ないのは変わりません。周辺でサポートする人が、もっと噛むように注意を促しても、長年の習慣で咀嚼への意識は高まりません。
さらに有料老人ホームや特別養護老人ホームに入って食事が提供されてもなかなかよく噛むようにはなりません。さらに自歯(自分の歯)がなくなり入れ歯になるとさらに噛みづらくなります。
噛まなくなると更に口の筋肉が衰えてきます。

食事も最初は普通食ですが、それが軟食なんしょく、そして全粥ぜんがゆとなっていきます。サポートする側も咀嚼ができなくなり、それによって嚥下がうまくいかず|誤嚥性肺炎≪ごえんせいはいえん≫になったら大変!
トロミを入れて肺炎にならないように予防します。

ちなみにこの|誤嚥性肺炎≪ごえんせいはいえん≫の原因は嚥下機能障害のため唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症します。
つまり誤って気道に食事をつまらせてしまうということです。

なぜ、気道に食事を詰まらせてしまうのか?

キューピー株式会社のホームページにすごく分かりやすい説明がありました!

下の図のように食べ物が口にない時は食道は塞がり、気管が開きます。

食道に食べ物がない

そして我々がゴックンと飲み込む

0.5~0.8秒

の瞬間に口や喉のまわりの筋肉・神経が複雑に働いて喉頭蓋という弁が気管を塞ぎます。

食道に食べ物がある

そして食道の入り口を広がり、食べ物を通過しやすくしています。(嚥下反射えんげはんしゃと呼ばれています。

ところが高齢者になると今まで何気なく飲んだり食べたりしていたものが、飲み込みづらくなってきます。この状態は、以下のような加齢に伴う変化と疾患や処方薬の影響がが考えられています

加齢に伴う体の変化
 噛む力の低下  ⇒飲み込みやすい大きさまで噛み砕けない
  唾液の減少   ⇒飲み込みやすい食塊にまとめられない
  反射神経の衰え ⇒気管へのフタが間に合わない
筋力の減少   ⇒タイミングよくゴックンができない
疾患や処方薬の影響
 脳卒中、神経疾患、認知症の後遺症や症状、薬の副作用

このように、飲み込む時に使われている口や喉の周りの働きが低下したり、嚥下反射のタイミングがずれたりしやすくなります。
結果として誤嚥を起こしやすくなり、今まで何気なく飲んだり食べたりしていたものでもむせやすくなったり、誤嚥性肺炎を引き起こすのです。

誤嚥性肺炎の死亡者数

誤嚥性肺炎の年間の死亡者数は以下の通りです(厚生労働省 令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の第6表より)。

  令和元年  42,746人
  令和二年  40,385人

となります。

比較したら不謹慎かもしれませんが、日本でのコロナ、パーキンソン病、アルツハイマー病での感染者志望者数を大幅に上回ります。

ということで前半部分は、以下に噛むことよりも早く食べることを重視してきたか、そして噛むことを意識しないと長期的には誤嚥性肺炎のリスクが高まるかについて書きました。

後半も是非読んでいただけると嬉しいです。本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日のサムネイルはAdobeStockから「噛む」赤ちゃんの画像を
使わせていただきました。ありがとうございます!

また次回の記事で会いましょう!
良い三連休でありますように

#スキしてみて #人生 #未来志 #未来史 #自分にとって大切なこと #噛む #早食い #誤嚥性肺炎 #軟食 #全粥  #「いただきます」

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