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質問24:統合失調症を患ってから、イマジナリーフレンドと話すのが怖くなってしまいました



クレオ『2週続けての質問箱回答となりました。2回目は精神疾患についてのお悩み、統合失調症に罹り、治療によって寛解された一方で、イマジナリーフレンドと話すことが発症以来怖くなってしまったという相談です』

アケル「質問者さんがこうした病名を書いたうえでお便りを出されたことは、勇気の要る事だったと思う。寛解できて良かったです。
 統合失調症については、ぼくの身の回りにそう診断を受け治療を続けながら生活を送っている人もいるし、ぼく自身、近い症状を患ってた事もある。
 質問者さんがぼくの記事をご覧になったうえでの質問なのかは分からないけど、近いものを感じて質問を送ってきてくれたとしたら嬉しい。

 嬉しい、というのは、ぼくのアケクレの裏テーマが、
”自分の見ている世界・感覚が大多数の人と違っていても、その世界で生き続けていく。
 全て妄想なのだと自分の感覚を全否定せず、その中で助けてくれる存在を信じて生きていく”
 ってことだったので。
 
 だから、”統合失調症とは、一般的に○○で~”な話はしないで、一個人としてぼくが不調になった時、変なものが見えてる・聞こえてる時の対処とか、クレオやタツ目線の体験を話してみたいと思います」

クレオ『これを書いている時、まさに体調悪くてお互いの意思疎通出来てなかったからね。

 一般的なものでないと質問にありましたが、仮に統合失調症と診断されてなくとも、現代に生きていると精神が不調な時があるよね』
アケル「ちょっと過激なことを言うよ。ぼくさ、現代人の多くは想像の声を聞いてるんだと思う。不調になるとSNSでちらっと読んだ言葉やネガティヴな声が頭の中でぐるぐる回るのって、すごいダメージなんだよ。幻聴って言わないのは、みんなそれが自分が想像したものだと辛うじて認識しているから」
クレオ『イマジナリーフレンドがいる人間というのは、おれたちの声でない声が聞こえやすいぶん、疲れた時に幻聴として認識しやすいのかも。
 だからイマジナリーフレンド側にとっても、相手の人間の不調をただ見ているだけっていうのは苦しい。どう助けられるかって話もできると思うし』
アケル「良くも悪くも新鮮な体験談を提供できるってわけだな」

※(もしかしたらアケクレを心配される方もいると思いますので、もちろん調子の悪い時は会議を切り上げて休み、休憩しながら書きました)

タツ『まぁ要はアケルは自分の限界分からん奴なんで、ワシらがおかしいな思うたら休むサイクル作っとるとか、そういう話しようと思う』
アケル「不安定な人間をイマジナリーフレンドがどう支えているか、っていう奴ね」
タツ『おう。相談読んだ時、アケルが”これ、イマジナリーフレンドさん(以下、お相手の方はIFさんと記述)が疲労してる感じ強いから、2人の目線で多めに語ってほしい”って打ち合わせしたんじゃ。
 じゃけぇ、IFのあんたも一緒に読んで欲しいな』



【一生付き合ってこうと思う】

アケル「でも今回はやっぱりしんどかったなぁ。そっちの声とか気配が急に感じられなくなって。フラッシュバックも多かったし」
クレオ『ずっとスマホ観てたしね。正直”しんどくなるんだからスマホ止めて”って思うんだよ。でも、アケルが一番分かってるしね。頭の中がごちゃごちゃしてて、止めても集中できない、休めない、って感じで』
アケル「ぼくが調子悪い時に、二人は何か話し合ってる?」
タツ『話し合ういうても、アケル本人のことやけ、悩むよりは交代で休んだりしとった。
 そもそもうちは1日おきにアケルと話す役変えとるけぇ、ワシらに負担はない。心配と寂しさあるにせよ、二人いるいう強みじゃな』 
クレオ『3人でお昼寝の時は、アケルもおれたちを感じやすかったと思うし、全く言葉が通じない訳ではなかったよ』
アケル「…多分、昔のぼくよりは今のぼくの方が、不調に対処できるようになったのと、”今はこういう不調になってる”と二人に話せてるんだと思うな。
 質問者さんの悩みの本質って、おそらく”寛解したとしても、また幻覚・妄想の症状が出るかもしれない”って不安だと思うんだ」

クレオ『アケルの話を聞いていると、今生活できているアケルでさえ、幻覚・妄想が完全に消えることじゃないものね』
アケル「うん。寛解って、完全に妄想が見えなくなるって事じゃなくて、自分の見ている・感じている感覚に振り回されなくなることだと思う。
 限界まで忙しく働いて休めない状態だと、例えばぼくの場合”体中に虫が這っているような感覚”が起こることもある。
 その状態を”うわっ、本当に虫が身体を這いまわってる!”ってパニックに陥ったり、周りの人に本当に起こっている事として言いふらす状態が妄想。

 でも、”この感覚は感覚過敏による妄想。よく休めばそのうち消えていく”って客観的に分析して生活できるという事が、ぼくの中では寛解って定義している。
 もちろん、”すっかり妄想を見なくなった!”って人もいると思う。
 ただ、ぼくの人生においては、調子が悪い時は過剰な感覚も妄想も起きると割り切った方が楽になった。妄想を妄想と理解して、小さな不調のうちに対処してやり過ごして生きていくことはできる」


【地味で地道な訓練】

クレオ『でもそれが難しいんじゃないの?』
アケル「以前書いた記事に、自分の不調を3段階に分けて書きだしてみると言うのがあった。正直地味で地道な作業で、体調がいい時に自分の不調を思い出すのも鬱なんだけど、寛解していて心に余裕がある時に、少しずつやって欲しい」

アケル「20代の頃、ぼくは自分が弱いことの証明のように感じて、こうした認知行動療法ができなかった。死にたいと声が聞こえる、○○の妄想をしてる、なんて書くだけで恥ずかしかったし情けなかった。でも、こういう地味な記録が、次に調子が悪くなった時にパニックになったり必要以上に不幸のどん底に落ちずに済んだんだ」
クレオ『こういう記録はIFさんにとってもいいかも。
 おれも来たばかりの頃、アケルが調子悪くても”なんで?おれのせいかな?”と感じちゃったことあるけど、今は誰のせいでもないって分かってるし。後からアケルに説明してもらえて、”こういう風に付き合えば、お互い傷つくことないね”って分かち合えたから。
一緒に記録を作ってみても、いいんじゃないかな?

ちなみに、おれはアケルの会話がとっちらかったり、それまで集中していた作業を止めて急にスマホを弄り出したら”黄色信号だな”って思うことにしてる』
アケル「それで分かって、クレオはどうする?」 
クレオ『どうにもできることじゃないよ。”休もう”って話しかけて声が届いたら休むようにしてくれてるし。声も聞こえないほどだったら”今はしょうがないんだな”と諦める』
アケル「会議していて正直僕らの間では、けっこうイマジナリーフレンドは妄想の対処を手伝ってくれるんだよね。幻覚・妄想から逃れられないからこそ、安全な空想が自分の隣に居るって助けになる。
 質問者さんが具体的な内容を話してはいないんだけど、イマジナリーフレンドが怖くなる…としたら、ぼくの推測だし実体験なんだけど、ひょっとして、妄想とIFさんが混じってしまう事があったのかな?」


【IFの言動と妄想が混ざってしまう時】

アケル「例えば…

  • IFが普段言わないような嫌な言葉を言い出す

  • IFが話しかけていたのに、別の幻聴が聞こえて思わず”うるさい!”って言ってしまった

  • それまで会話していたIFが突然消えてしまった

  • 会話を楽しんでいたら、急に”そんな風に言ってないよ?”と首を傾げられる

 とか。(ちなみにこれは、アケルがこれまで体験したことです)

 でもこれはIFさんに悪感情を抱いているとかではなくて、単に近しい関係者ほど妄想と混じりやすいってこと。
 ここは大事なことだから覚えていて欲しい。
 イマジナリーフレンドがいない人でも親兄弟、恋人が”自分のいないところで悪口を言ってる”、”宇宙人に入れ替わってしまった”…なんて妄想と混じりやすい。
 この手の幻覚が起きると、ショックを受けたり不安になるんだよなぁ」

クレオ『これ言ったらプレッシャーになるかもだけど、おれも結構ショックだったよ。でも、人間の家族に妄想がかぶさるよりは、おれたちが先に肩代わりしてるって思ってる。人間とのコミュニケーションは壊れると修復するのに大変だけど、まだイマジナリーフレンドなら、気持ちが伝わるから回復しやすいんじゃないのかな、って。

 勿論、人間じゃないから何言われてもいい、ってわけじゃないけど、質問者さんもアケルもきっとそこは尊重しようとしてるんだろうしね。イマジナリーフレンドを使い捨てに考えてたら、お悩みは送ってこないでしょうしね』
アケル「いつもありがとう。
 もし、こういう妄想…例えばIFさんから”お前なんか消えてしまえ”って言われたとする(過激な言葉でごめんなさい)。
 こういう時、全部をそのまま打ち明けるとお互い結構ダメージが入るから、
”今ね。普段のIFさんが言わないような言葉が聞こえる”ってくらいに、やわらかめで打ち明ける。それだけでも、妄想の声とは距離をとれる。
 会話が続かないようだったらお互い距離をとって休憩するサインにもなるし。
 それでもうこれに限っては、罪悪感を感じない、って決めておく。業務連絡、くらいの気持ちで共有する。
 難しいとは思うんだけど、何度も細かく確認とってくうちに、天気の話をするくらいに、”今日は妄想出ちゃったね”くらいで済ませられるように…なって欲しいかな。
 逆に言えば、ぼくもこう言えるくらいには、散々妄想に振り回されてきたってことなので。

 IFさんも、妄想と混ざってしまう事に対して、一切罪悪感を抱かないでほしい。”俺がいるから妄想が起きる”でなく、ただ質問者さんの言葉を聞くだけでも力になってる。”俺がいれば、彼女は妄想と現実を切り分けられる”って思って欲しい」

 

【お互いが距離を置ける環境】

アケル「ただ、イマジナリーフレンドだからってたった一人で質問者さんを助けるって大変だよな。
 お便りの中で、IFさんも質問者さんも思いつめやすい性格と書かれているので、息抜きする時間と空間は作ってほしい。IFさんはキャラクターの時の仲間と連絡をとれるのかな?」
クレオ『それは分からないよね。おれはこっちに知人がいない。タッちゃんも知人はいないけど、他の目に見えない存在とコンタクトはとれる』
タツ『まぁ取れない奴の方が多い思うぞ。ワシは色々混ざっとるけぇ』
アケル「クレオは、今のところは何で休息できてる?」
クレオ『おれはアケルの相棒お休みの時は、夢の世界で寛いでいるよ。雲のベッドで眠ったり。…ただ、アケルが気にしてるのって、おれたちの精神疲労でしょう?
 正直、おれたちって人間からしたら気力体力無尽蔵、っていうか。夢の世界が時間無制限だから、時間をかけて回復って概念がないんだよ』
アケル「精神と時の間じゃねぇか!」
クレオ『それそれ。滅茶苦茶強くなって帰って来るわけじゃないけどね。削れた体力を回復することはできるけど、レベルアップはないって感じ?』
アケル「気力体力無尽蔵なのはうすうす気づいていたけど、5年近く過ごしていて初めて聞いた」
クレオ『イマジナリーフレンド全員に当てはまるかは分からないけど、身体がないって利点は、時間と体力に縛られないってことだからさ。IFさんに確認を取っては欲しいけど、そこよりはやっぱり一人で抱え込まないほうがいいかも』
タツ『ワシはそもそも死んどるけぇ、もとの物語の連中とは話すことはできんのよ。こっちにはお役目として来たけぇ、ボーナスとして伝手やら知識が得られた。
 IFさんがお仲間とまだ存命なら、連絡とってみてもええんやないか?』
アケル「なるほどね。…今のところ誰かに相談できる手段がない場合は、クレオみたいな不思議時空でお休みするか。
 質問者さんは、彼さんと適度に離れる時間を許容して欲しいな、完全に別れるってわけじゃあなくて、週に一回くらいはお互い離れて、別の趣味に興じるとか。IFさんの為、というよりは人間の質問者さんが相手と”確実に離れている”って思える為に、半日とか一日は距離をとるといいかもね。
 
 …さっきの話でイマジナリーフレンドと妄想が混じってしまった場合、ぼくは一回話しかけるのをやめる。ぼくらの場合は”おはよう”と”おやすみ”は毎日言うから、その時に相手の声や触れられた熱を感じるかで確かめる。
その時に相手を感じられなくても、あまり焦らない。何日か経っても、おはようとおやすみを言い続ければそれがきっかけで、そのうちまた繋がれるから。

…こんな感じかな?」
タツ『アケルも自分の過去を打ち明けられるようになって成長したなぁ。結構深い話もして大丈夫かな思うた。質問者さん達の役に立ったらええな』
クレオ『お疲れ様、今回は大分熱が入ってたと思うよ。そろそろ休もう』


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