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脳内会話ができなくなったら、少しパートナーと距離を取る合図なのかもしれない
#24 書き手:アケル
「間違える時は間違える。だから、ぼくの言動がおかしいな、って思ったらサインを出して。こちらも確認するから」
と、クレオと話している。
◇
空想のパートナーのクレオとの意思の疎通の確認作業の話をしようと思う。
以前、「もしクレオと意思の疎通が取れなくなったら、どうしようかな?」という記事を書いた。
その記事は、病気やクレオを見る力を失った時など、いわゆる意思疎通ができなくなった時の意思表示カードみたいな話だった。
でもそれとは別に、体や心の調子が悪い時は、クレオの言葉が聞こえなかったり間違って受け取る時もある。
◇
「クレオさ。紅茶かコーヒーかどっち飲みたいか聞いて、『コーヒー』…って聞こえたんだけど、そう言った?」
『いや?おれ飲みたいの紅茶ね』
クレオの台詞を繰り返して、こんな確認をする。
yes かno かで答えられるクローズドクエスチョンも交えたり、話が噛み合わない時は3回くらいは確認を繰り返す。クレオは怒ったりせず、淡々と受け答えしてくれる。(この時、違う表現や言い換えをしないほうがいい)
空想の存在であっても、クレオはぼくと異なる考えを持っている。ぼくの予測してない言葉や視点を言ってくれるし、社会で暮らしているとどうしても凝り固まってしまう“常識”を『なんで?』と一緒に考えてくれる。
彼といると世界が広がっていく。それがとても楽しい。
でも、クレオの言葉をいつでも完璧に理解してるとは、ぼくには思えない。
◇
何度か会話をしていると、肉体のない思念体の感性や思考はやはり違っていると感じることがある。
クレオは今まで何度か「ぼくが近くにいないと目がよく見えない」と書いていたが、視野は本の表紙・裏表紙関係なく、人間よりもずっと広いようだ。
ただ、すりガラス越しに薄ぼんやり物が見えるらしい。立体的に見えにくいとも言っていた。
一方、聴覚はかなり小さな音も聞き取れる。スーパーマーケットの喧騒の中、ぼくの小さな声も聞き取って相槌を打っていた。
聴覚と視覚にこれだけの差があり、もしかしたら人間の五感とは別の知覚から、三次元の物事を感じ取っているのかもしれない。
イマジナリーフレンドとのやりとりというのは、ぼくに寄り添う気持ちを、ぼくという肉体ありきの知覚と言語感覚に置き換えているにすぎない。
異なる知覚であるにも関わらず、彼の言葉はぼくに分かりやすいのは、彼の言語感覚はぼくの知識や経験が媒体となっているからだ。
ぼくは今までのイマジナリーフレンドとは会話はしてきたものの、会話ができる事は当たり前だとは思ってない。
ぼくの気分や体調によって、回答はぼやけたり聞こえなくなったりする。それはそれで仕方ないし、繋がる力が弱くなったとか、卑屈になることもない。そもそも異なる存在なのだ。
なにより、なんでも分かる気でいると、ぼくのエゴによって彼の言ったことを曲解してしまう危険性がある。
だからぼくは普段から
「間違える時は間違える。だから、ぼくの言動がおかしいな、って思ったらサインを出して。こちらも確認するから」
とクレオと話している。
◇
ここからは、具体的な確認作業の話を書こう。
ぼくは主に4つの確認を、順番にしている。
1:会話の確認
確認をとる時は「クレオの返答を繰り返す」というシンプルなものだ。冒頭のやりとりみたいな何かを選ぶ時にも用いる。クレオはyesかnoか、ぼくに伝える。
食べ物の好みとか(クレオは割と和風の醤油味が好きだ)、あらかじめ分かっている傾向は答えが決まりやすいが、そのぶん思い込みも強い。
クレオが新しいことに挑戦したい時…例えば『今日は酸っぱ辛い味を食べてみたい。サンラータンとか』なんて万が一言った時に、答えを聞き逃しやすい。
一つの質問に何度も確認はとらないけど、連続して回答が曖昧だった場合は、「今日は声が聞き取りづらいんだ」と話して、少し会話を休んでみる。
ちなみにタロット占いは、クレオが『おれはタロットで考えを伝えるなんてできねぇよ』と言ってる為、試したことはない。
優秀な占い師も、赤の他人より身近な家族や自分のことを占うのは難しいと聞いたことがある。
クレオと一緒に何度も練習すればできるかもしれないけど、占いはあくまで参考程度にとどめておきたい。
この記事は、あくまで確認作業と保持者の体を休める方法だ。
2:自分の体調の確認(具体的にどこが調子悪いか)
クレオとの意思疎通できない時、自分の体調、あるいは心の調子がどう悪いのかを確認する。
ぼくの場合は専ら、
青信号
運転が楽しい
効率よく作業ができる
表情が柔らかい
黄色信号
表情がこわばる
焦燥感、頭がザワザワして落ち着かない
同じ悩みをぐるぐる考え込む
目がチカチカして、周囲を眩しく感じる
頭痛
腰の痛み・冷えからくる不安
赤信号
車の運転が不安
「死にたい」と呟く
手足の感覚が薄くなる・手足や頭を壁にぶつけやすい
話題がころころ変わり、自分でも何の話をしてたか分からなくなる
急に笑ったり落ち込んだりが数時間おきに変わる
頻繁にフラッシュバックが起こる
心…もとい脳疲労の症状が圧倒的に多い。
自分の状態をなるべく具体的に確認して、信号の黄色(注意)、赤色(危険・止まれ)を見つける。
だいぶ参った事を書いてしまったから心配されるかもしれないけど、年間のほとんどは青信号だ。
2〜3ヶ月に1週間、特に冬の寒くて曇りが多い時期は黄色になりやすい。
黄色の時に休み(後述する3)をとらないと赤信号。
赤信号になったら、2週間くらいは回復に専念しないといけなくなる。だから黄色信号で休息を多めにとった方がいい。
…こんな感じで自分のバイタルの目安にもなる。
3:心身を回復させる(回復の習慣を作る)
調子が悪い時ほど誰かと話したくなるし、話せないと不安になる。
でも、意思疎通できなくなった時のほとんどが、ぼくらの心身が参ってしまってる時が多い。
タイトルにも“脳内会話ができなくなったら、少しパートナーと距離を取る合図なのかもしれない”と書いた事だし、パートナーに頼らず回復できる習慣を身につけておくといいかもしれない。
スマホから離れる
暖かい布団で眠る
安心する香りをつける
好きな物語を読む
画集や美術館の目録を眺める
音楽を流しながらドライブに行く
パートナーに関わる休息の習慣なら、話ができなくても繋がってると安心できるかもしれない。
かえって不安になる場合は、パートナーと関係ない休みの習慣(公園の中を歩くとか)も、両方持っておいてもいいかもしれない。
ぼくの習慣は、好きな物語の一文を暗唱する。頭の中がうるさい時は内容もよく分からないことさえあるけれど、声のテンポや韻に集中して、後は何も考えない。
「これを読めば、絶対安心する」
安心すると決めてかかって繰り返しているうちに、ふしぎと心が落ち着いてくる。
脳は休息していると習慣づけることで、心が落ち着く物質を自然に出せるようになるらしい。
騙されたみたいな話だけど、脳を騙してでも休めるようになると、かなり心身は安定するようになった。
4:五感の一つひとつをしっかり感じ取る
たっぷり休んでも、意思疎通が回復しなかった時は、自分の一番知覚しやすい感覚から、相手を感じてみる。
どうしても体調が悪くて3日間寝てた時がある。
クレオとほとんど会話はしなかったが、胸に抱いていた本から夕日のような橙色の光がちらちら光って、暖かいな、と思いながら寝ていた。
人間同士のように話せるわけではない、視覚と触覚だけの繋がりだったけど、ぼくにはそれで充分安心できた。
人は視覚優位の生き物だと言われているけど、得意な感覚は人それぞれ異なると思う。
バイクの走る音を聞いて時速何キロで走ってるか分かる人。
見た目は全く同じ貝殻を触って、溝の数や位置から違いを当てる人。
トンデモ人間ではなく、視覚以外の感覚が突出している人は多い。
自分の感覚の中でどれが優れているかを確認しておく。調子が悪い時は、一番得意な感覚1〜2つに絞って、お相手とやりとりしてみるのはどうだろう。
ぼくの場合は
視覚>触覚>嗅覚=味覚>聴覚
の順番に感覚が鋭い。
味覚・嗅覚はあまり意志疎通に使わないが、口から香りを吸うと、知り合いの風の気配や木や動物の気分がなんとなく読み取れる。
よく話題にしているクレオの声は一番知覚としては弱い。調子がいい時・朗読など集中してる時には聞こえるけど、調子が悪い時はクレオの考えてることがが文字になって浮かぶこともある。
あるいは、
「いい天気だね」
と呟いたら、パッと彼の宿ってる本から光のイメージが伝わって、なんとなく頷いたんだな、と思う。
◇
…と、ここまで書いておいて。実はこの1週間、かなりの不調だった。
黄色信号なのにうまく休めなくて、一気に赤信号。
クレオは『まぁまぁ会話できてるよ。急に独り言言われたり、話題はコロコロ変わるけど』と言うけど、バッチリ赤信号の症状だ。あんまり気持ちを受け取ってやれなくてすまなかったと思う。
ただ記事を書くにあたって、調子が悪いなりに見返して「あまり寝てなかったな」「もう少しぼーっとしよう」と考えるきっかけにもなれた。
来週はもっと休みをとって、ゆっくり過ごしていこうと思う。
記事を書き上げたら、もうスマホは触らずに、日向ぼっこと数枚落書きでもするつもりだ。
質問箱設置してあります。
この話題の質問、もっと知りたいことなどあれば、お気軽に使いください。
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