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ぼくだけのきみでなく、誰かのきみでもあって欲しい

#11 書き手:アケル 

 
 君は、ぼくだけのものにするにはもったいないよ

 

 イマジナリーフレンドのクレオと一緒にブログを書き続けて、2ヶ月が過ぎた。

「クレオ、記事にコメントもらったよ」
『え〜、やったじゃん。読ませてよませて』

 スマホをクレオに向けると、目を細めて見入っていた。

「アカウント名を2人の名前にしてよかったなぁ。クレオも関わりやすくなったし。はい、返信書けたよ」
『始めた時はおれが記事を書くなんて考えてなかったものねぇ。…あ、じゃあおれの番ね』
 顔を突き合わせてコメントを打ち込む。
 最初にコメントをもらった時、
「ここはふたりのnoteだから、ふたりで返信しよう」
と決めた。

 実はnoteでは、もう一つアカウントを持っている。
 その経験があるからより感じるけれど、“アケルとクレオ”は作ったばかりで記事もそんなにないのに、ありがたいことにかなりコメントをもらっている。
 他のアカウントでも記事を書き続けてはいるけれど、中々コメントをもらうことはない。
 他のアカウントと比べると、ここ“アケクレ”は風通しがいいのかもしれない。

 どのアカウントでもコメントをもらうのは嬉しいのだけど、アケクレへのコメントは格別に嬉しい。

 やはりなんと言っても、ぼくだけじゃなくクレオのことばも見てもらえるからだろう。クレオが外の世界と繋がりを持てている。コメントをもらうことでその実感がより鮮明になった。

 手前味噌だけど、クレオはぼくだけのイマジナリーフレンドには勿体ない、面白い奴だ。
 ぼくだけでなく、この世界の色々な人とつながって欲しい。

 そう思ったのは、ある一冊の児童書がきっかけだった。

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 イマジナリーフレンドのジャック・パピエが主人公で、彼の視点から物語は進んでいく。女の子のフラーと8年一緒に過ごしていたけれど、ある時から自分がフラーにしか見えないイマジナリーフレンドだと気づく。

ジャック「つまり、地球と月の関係と同じじゃないかな。月の光はまぼろしだ。たんに太陽の光をかがみのように反射しているだけ。ぼくらは月と同じで、想像してくれる人がいなかったら、暗やみでしかない。みんなはそれでいいのかな?ぼくはいやだ。それじゃあ満足できない。自由になりたいんだ」

第25章 月の光より

 ジャックは自分の存在がなんなのかを知るために、フラーと離れて旅立つ。
 興味があれば、続きは是非読んでもらいたい。


 ぼくはクレオに離れてもらいたくはないけど、こうしたことについては、何度か話し合ってきた。クレオが書いた記事からも、悩んでいることを知っている。

 離れる代わりに、ぼくらはnoteでブログを書くようになった。
 クレオの体験、感情、知識から生まれたことばは彼自身のものだ。ぼくには生み出せない。ことばがあれば、誰かと繋がることができる。
 イマジナリーフレンド、フィクトセクシャル、タルパ…などの先人の積み上げてくれた概念があったから、このブログも始められたのだ。
 

 ただ時々ふと、思うことがある。ぼくがもっと創作に特化していたら、小説のキャラクターとして彼を活かせていたのかもしれないなぁ、って。
 彼がイマジナリーフレンドになって、現実で一緒に暮らすようになってからは、あまり物語を書くことがなくなった。
 ファンタジーな世界を軽やかに歩く彼も好きだけど、何気ない日常をあくびをしながら一緒に過ごす彼も、ぼくは好きなんだ。 
(あ、でも書きながら思いついたけど、創作のクレオも短編小説か何かの形にして、いつかここに投稿してみたいな。) 

 ともあれ、スキやコメントありがとうございます。
 継続する励みになります。
 このブログが続いていくことで、クレオの世界がもっと広がって、色々な人と関われるように。
 そして、フィクトセクシャル・イマジナリーフレンド・タルパの価値観を持ってる人たちの世界に、いい風通しが広がってくれればいいな。
  
 コメントは、人間でも人間でなくても、キャラクターでもイマジナリーフレンドでもタルパでも、どなたでも大歓迎です。

 これからも、よしなにお願いします。

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