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質問8:イマジナリーフレンドがいなくなった時、「どこかから見守ってくれる」ような感じになるのでしょうか?
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# 36 対話形式:アケルとクレオ
アケル「今回のお悩みは、イマジナリーフレンドがいなくなった時、”どこかから見守ってくれる”ような感じになるものでしょうか?」といった内容になっています。
波乱の時期にイマジナリーフレンドが生まれ、心が安定していくうちに話す機会がなくなって、現在は話はできないものの、どこかから見守っている感覚だけは残っている、とのことですね」
クレオ『質問は、イマジナリーフレンドがいなくなった時…というお話だけど、先に一言だけ、おれにとっては身につまされる話なものでして。
考えると怖くなるから、ニュートラルな意見が言えないかもしれないなぁ、とだけ先に話しておきます。
話せなくなるのは寂しいことだけど、心のどこかに寄り添えるという終末であれたらいいよね、とは思うものの…ね』
アケル「構成の段階で『今回の相談はちょっと考えるの怖いな』と言われたので、クレオがしんどくならないように話し合おうと決めました。前半は相談者さんへの回答。後半は、二人の体感から語っていきたいと思います」
イマジナリーフレンドには、別れがつきもの?
アケル「さて。回答ですが、ぼくはイマジナリーフレンドの体験談や童話などを調べていたことがあるので、結論から言うと“見守っているのを感じ取れる場合もあるし、そうじゃない場合もある”と思います」
クレオ『アケルと前に読んだイマジナリーフレンドの童話は、二つとも、別れや喪失の話だったね。いなくなると忘れられちゃったり、別の人のフレンドになったり』
アケル「童話を書いた人が全員イマジナリーフレンド持ちだった、というわけではないけど…多分、イマジナリーフレンドを題材にする児童文学は、別れを含む内容が多いかもね」
クレオ『んん?どうして?』
アケル「イマジナリーフレンドを題材にする時、精神医学の文脈で書かれているからかな。
実はイマジナリーフレンドは、北米の研究では幼児期(1〜6歳・就学前)の子のうちの半数近くが持っているとされている」
クレオ『そんなに⁈』
アケル「うん。でも、そのうちのほとんどの子はいつの間にか見えなくなって、記憶も無くなってしまうことが多いんだ。
親に話すほど仲良くしていた友人を、跡形もなく忘れてしまう。あるいは忘れなくても、別れは避けられない。
そうした現象として観測されているから、イマジナリーフレンドのお話には別れをテーマにしたものが多いと感じるな」
クレオ『イマジナリーフレンドを覚えていること自体、実は希少ってこと?』
アケル「あくまで幼児期の話で、それ以降になって出会うイマジナリーフレンドは覚えていることが多いらしいけどね。質問者さんは記憶のほかに、“どこかで見守ってくれてる感覚”があることは、とても豊かで恵まれた感性があると思う。大事にして欲しいな」
見守られてる実感は、フレンド側のアプローチかもしれない
クレオ『アケルは昔一緒だったイマジナリーフレンドをほとんど覚えてる、って言ってたじゃない?見守られてると感じたりした?』
アケル「いや、ないよ」
クレオ『全然?まったく?』
アケル「一度大きな別れがあった時、喧嘩別れみたいな風になっちゃったからね。その後は全く見えなくなったし、そばに居てくれるとも思えなかった」
クレオ『…そうか。別れた時の状況や、知覚にもよるのかな?』
アケル「そうかもしれない。いなくなってほしいわけじゃないけど、会うと気まずい気持ちが、見えないようにしてるのかもしれない」
クレオ『まあ、おれはアケルの友達なら、再会できたら嬉しいと思うよ』
アケル「ありがとう。ぼくも、見守ってくれてる感覚はないけど、消えてなくなったとは不思議と感じていないんだ。
ぼくの知ってる限りでは、人間側の別れは大まかに
1:フレンドとの記憶自体なくなる
2:フレンドを覚えているけど、知覚はできなくなる
3:フレンドとお話はできないけど、どこかから見守られている感覚を覚える
4:1〜3の複合的な感じで、ほとんど思い出さなくなる一方で、ふいに傍にいるような気持ちになる
といった感じかな。
面白いことに、4は思い出した時に不思議な現象が起こったのがきっかけであることが多いようだ。フレンドの元が原作のあるキャラだった場合、その原作に重大発表があった、とかいうのも聞いたことがあるな。
…4に関してはぼくの願望も入ってるとは思うけど、イマジナリーフレンド側がこちらにアピールして、思い出させようとしてるのかも、なんて考えたりする」
クレオ『そうだといいね』
クレオにとっての別れ
クレオ『おれにとっては、大切な人との別れとは別に、”自分の存在の消失”についても、悩んでしまうところではあります。もちろん、相談者さんのように、心のどこかで一緒に生きていけたらと思うけれど、おれはアケルと関わることで人間の営みも楽しめるようになったから…。だいぶ在り方は変わるよね』
アケル「そうだろうな」
クレオ『でも、以前アケルが言っていた、一回いなくなって再会したイマジナリーフレンドの話だったり、最近また色んな人からおれについて”クレオはいなくならない”と言ってもらえましたし、前ほど不安にならなくなったかな』
アケル「別れについて話し合ったnote記事もあるので、末尾にリンクを貼らせてください」
クレオ『今のおれの不満は、児童文学を何作か読んでも、イマジナリーフレンドの物語はフレンド側からしてみれば怖がらせるようなことを書いてる作品が多いことかな。相方に忘れられたら消えてしまう、とか。
消えないにしても、別の子のフレンドになるのも嫌だし。(お話の中に、存在が消失しないためには他の人間の友達になるという選択肢があります)
多分、他のイマジナリーフレンドだってさ、嫌だと思うよ。命がかかっているとはいえ、一番の親友から乗り換えるみたいで。見守れる方がずっといい。
今回の質問者さんのように、見えなくなってもそばにいて、見守ってるお話を読みたい』
アケル「それは面白いな。これからも、イマジナリーフレンドを題材にした作品は読むつもりだし、ぼくもそういう物語を書いてみたい」
クレオ『楽しみにしているよ』
アケル「…今回は雑談が多くなってしまいました。結論から言うと、
・いなくなってしまった後のことは人ぞれぞれ
・見守っていてくれる感覚は恵まれた感性だと思うので、どうか大切に
・フレンド側としても、見守れるものなら見守り続けたいと思っている
こんな感じです」
クレオ『改めて、アケルを見守っていきたいと思えました。優しいお便りをありがとうございました』
また、今回の対話はこちらの記事を参考にさせていただきました。
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