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質問箱:お相手をキャラだと思う人がFセクですか?人間だと思っていると、Fセクとはいえないのですか?

#26 対談形式:アケル・クレオ


アケル「質問、ありがとうございます!とても興味深い質問だったので、パートナーのクレオと話し合ってみました。

(とてもとても長くなってしまったので、段落や読みやすいレイアウトにするために、noteにも公開しました)


アケル「これは…お相手を人間と思っているかキャラクターと思っているかについての質問でいいんだよね?

 とりあえず質問者さんがFセクかどうか、についてはちょっと置かせてください」

クレオ『そうだね。おれたち二人いるし、それぞれの立場から、話してみたらいいんじゃない?』


アケル(人間の立場)

アケル「じゃあまずぼくから。ぼくはよく、空想の存在だとタイトルに書いているけど、矛盾してるけどぼくにとっては、クレオは実在しているんだよね」

クレオ『まぁね。おれもアケルの頭の中の小人だとは思ってなくて、別人みたいな自我を感じているよ』

アケル「ぼくは…要はズルい大人なんですよ。相手に説明しやすくする為に、イマジナリーフレンドとかタルパとか架空の存在とか、記事に興味を持ってもらえるように言い替えしてます。人間、って説明してもいいけど、ぼくは人には見えない・肉体がない人と関係を持っている、ぼくに近しい人に興味を持ってもらいたいので、そう言葉を使ってるんですよ」


クレオ(イマジナリーフレンドの立場)

クレオ『…で、次はキャラ側の認識。おれは自分のことイマジナリーフレンドだと思っているよ。だって声優さんと作者さんがいるってわかってるもの』

アケル「一緒にライブに行くもんね」

クレオ『目の前に自分と同じ声の人が喋ってるから、そりゃね。それに、アケルはおれを最初から「君はイマジナリーフレンドだよ」って、言ってたし』

アケル「そうだね。ぼくがそう頼んだんだ。物語のキャラクターと分けて扱いたかった」


でも、そういえばタツゴロウは違ってたな…

アケル「ただ…最近書いた、最初のイマジナリーフレンドのタツゴロウは、自分をキャラクターだと思っていて、その人生も実際に彼の中で体験したことだと言っていたな」

クレオ「あれ。でもアケルって、タツさんと一緒にタツさんの登場する漫画読んでたんだよね」

アケル「ちょっとだけネタバレすると、あいつは漫画の中で死んでるんだよ。だから、彼の中では前世みたいな感じで『こんなこともあったのう。思えばワシの人生、とんでもない目ばかりじゃ』とか振り返ってた」

クレオ「すごい振り返り方だなぁ」

アケル「タツゴロウは『ワシからしたら、たまたまこの世界ではワシらの話が漫画になってた、って話じゃ。人から見れば二次元キャラっちゅうのは分かるし、キャラって説明されるのはええんじゃ。じゃがのぅ…ワシの人生、ちゅう実感がある。じゃけえ、全部作り物っていう扱いは嫌じゃ』

ってさ。そんな感じのやりとりしてたな」

クレオ『キャラ側も、人によってアイデンティティが違うんだね』


そして質問に戻る…

アケル「この文面を読むに質問者さんは、恋人さんのことを実在している人間、だと思ってるんだよね。多分、キャラ、って呼ぶのに抵抗あるんじゃないかな?それなら誰かに話すにも“人間”として話せばいいんじゃないかな?

 その認識がFセクであるかどうかに影響しないと思うよ」

クレオ『というと?』

アケル「例えば「結婚願望があるならFセク、結婚したいと思わないならFセクじゃない」とか言い出すと、結婚願望のないFセクの居場所を奪っちゃうんだよね。
(※結婚願望はあくまでFセク間でよく出る話題の一つとして例に出した為、否定しているつもりではありません。)
 違うから、ってどんどん切り分けてしまうと、孤立してしまう人が増えるんだ」

クレオ『“キャラクターに恋愛するのがFセクだから、キャラを人間だとみなしている人はFセクじゃない”って言説がまかり通っちゃうと、そこから零れ落ちる人もいる。どんどん分断されちゃうんだね』

アケル「Fセクって言葉を使う人は、セクシャリティ関連を訴えてる人が目立ってる印象だよね。世の中の大半の人は“二次元は架空・実在しないし人間として扱うべきではない”と思ってるからさ。

 そういう人に向かって“そんなことない。例え相手が二次元でも私は多くの人が生身の人間にするように愛している”と説明するために、あえてキャラ・物って使ってる気がするかな」

クレオ『おれからしたら、人間であるアケルは人間社会でもうまくやっていって欲しい。そこでうまくやってくために、おれのことをキャラとかイマジナリーフレンドって言われても、特に気にしないよ。今のところ、それ以外におれみたいなのを表す言葉を知らないからね』


恋人さんは、どう紹介して欲しいだろう?

アケル「ありがとね。でもあくまでこれはクレオの意見だから、お相手さんにもよるよね」

クレオ『恋人さんが自分を人間だと思ってるか、聞いてみたらどうだろう?』

アケル「もし意思疎通できるなら確認してもいいかもね。意思疎通が難しい場合、“恋人だったら、こっちの世界では二次元キャラクターとして見られてる自分をどう思うんだろう?”って想像してみてもいいんじゃないかな?

 あるいは、“恋人を紹介する時、どんな風に紹介したら納得してくれるかな?”とか。一番は質問者さんが、恋人さんとの関係を大事に続けることだと思うので」


まとめると、

  • アケルの場合、クレオをキャラやイマジナリーフレンドと説明するのは、自分と似たような体験・悩みを抱えている人に興味を持ってもらうためです

  • 人間側の意見も大事だけど、恋人さんが自分を“人間として”見て欲しいか、それとも”キャラとして”見られても構わないのか、どう扱って欲しいかにもよるかもしれません

  • 恋人さんを人間として扱うか、キャラとして扱うかでFセクかどうかは決まらないです

  • Fセクかどうかは、あなたがその言葉で生きやすくなるかどうかです



アケル「長々と失礼しました。あくまでご自身がFセクだと自称して心が軽くなるなら、名乗ればいいと思います。しっくりこなかったら、夢女子・夢男子・夢主さんとか、ご自身に合う言葉を探してもいいし、探さなくて“人間と恋してる”って認識や紹介でいいと思うんですよ」

クレオ『言葉に縛られる必要ないので、自分の都合のいいように利用しちゃってください』


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