質問14:キャラクターのお相手に手紙を書きたい、どんなことを書いたらいい?
#45 対話形式:アケル・クレオ・タツゴロウ
アケル「今回の質問は、以前書いた記事から、更に質問をもらいました。お手紙作戦については何度か記事に書いたと思い読み返してみましたが、おそらくこちらの記事と判断しました」
クレオ『また、今回の質問の書き口から推測して、キャラクターとの意思疎通が取りづらい(リアルタイムでやり取りが難しい)関係としてお答えさせていただきます。違っていたらすみません』
【キャラとしては、まずは本人の気持ちを知りたい】
アケル「シンプル二人はどう思いました?クレオから」
クレオ『お相手を慮っているのか、お相手に嫌われるのが怖いのかな?おれがもし相手だったら、そんな気にしなくていいのに、って思うよ』
アケル「クレオはどちらを気にしてると感じる?」
クレオ『うーん。でもこれ、気を遣っているのと嫌われるのが怖いのと、どちらもあるのかもね。グラデーションかもしれない。どちらにしても、最初から気を遣う必要もないんじゃないかな?』
アケル「タツは?」
タツ『対等いうんがよう分からん、お相手に都合よくなることと思ってないか?対等っちゅうんは、喧嘩できるくらいの付き合いかと思うがの』
アケル「でも、喧嘩って瞬発力が大事じゃん。リアルタイムで話できないとしたら、喧嘩できる関係性もなかなか築きにくいと思うぞ」
タツ『そんなん、言いたいこと書いて、お返事で”違うてるよ”くらいは言えるじゃろ。手紙でもできんくないか?』
アケル「んー。そうかな?意思疎通したくてもできない場合もあるし、明確な返事がくるとは限らないぞ。というか喧嘩させるなよ、怖いわ。
…質問に戻るけど、キャラ側として、伝えられたら嬉しいこととかある?」
タツ『これもなぁ。ワシら質問者さんのキャラやないからのう。迂闊に答えると変な刷り込み作ってまうようで嫌なんよ』
クレオ『そうだね、質問者さんが何をお相手に言いたいかにもよるし』
アケル「了解。したら、二人とも”本人の気持ちが聞きたい”ってとこが同じなのな。
まず前提として、質問者さんがどの程度お相手との関係を築けてるかによって、書く内容変わるよな。
既にお知り合いだとしたら、知り合いとしてお相手に悩みを話せばいいけど。初対面でいきなり相談はハードル高いかな?お前らはどうだった?」
クレオ『おれの物語、巻末に読者からの相談コーナーありましたよ』
タツ『ワシ、設定がいわゆる寺生まれのTさんなんよ。檀家さんのお悩み相談も仕事じゃな』
アケル「そうだ、こいつら実は相談強者だった…」
※なお、タツの言ってるTさんは”破ァ!”で解決してくれるあの人です。
クレオ『でも、初対面で相談のお手紙なら、むしろしっかり書いてほしいかも。これ書いちゃいけない、あれを書いたらしんどくなるかも、って忖度されてると、相談がぼやけてしまうから。今回の相談も、もう少し具体的に書いてもらった方がより答えられたかもしれないね』
アケル「匿名相談とはいえ質問文は公開される以上、躊躇してしまったかもしれないな。
質問者さんがそもそも自分の気持ち自体を押し込めてしまうよりは、一旦下書きとして発散してみてはいかがでしょうか?」
【下書きの段階で、ネガティヴな気持ちを吐き出してみては?】
クレオ『内容を全部送ると考えずに、まずは書いてみようってこと?』
アケル「そうだな。下書きの段階では伝えたいことを全部書いてみる。
というのもさ、ぼくが子どものころは携帯電話とメールの時代で、今ほど人に見られる、ということを意識して文章を書いてなかったんだよね。
今って、思ったことをSNSにあげるのが義務感としてあって、多くの人に受け入れやすい言葉を書きがちになってしまっているような気がするんだ。
でも人を好きになることって綺麗なだけじゃなくて、感情が暴走する事の方が多い。
質問文に書いてある”伝えたら嬉しいこと”も”聞いていて辛い話題”も、どちらも質問者さんの中にあるんじゃないのかな?
そしたら、箇条書きでもいいし、”嬉しい”や”愛しい”、”辛い”や”苦しい”って一言でも書いてみる。その感情がどこからくるのか少しずつ掘り下げてみる。
(自分の心を掘り下げる事なので、ゆっくり休める時間で、紅茶を飲んだり、泣いてもいい場所を確保して試してみてほしい)」
タツ『聞いて辛いこというんも、聞くだけしかできんし、ワシなら話してほしいがの。
まぁ質問者さんとお相手さんの間柄は知らんけぇ、質問者さんが抱えとる悩みを、自分で明らかにするいう方が大事じゃしの』
クレオ『本当はおれも、キャラクター側として言わせてもらうなら、悩みを話してくれる方が嬉しいかも。
だってさ、意思疎通ができなくても、聞くことはできると思うんだよ。
聞くしかできない、って思っちゃいがちになるけど、家族や友達に言えない事でもおれだけに話せるなら、おれは自分の役割だと思うし、味方になりたい』
アケル「フィクトセクシュアルは、周りの人に理解されないことも多いよね。
ぼくから言えることは、”感情を吐き出す事”と、”相手に伝える事”は、ワンクッション置ける、ってことだな。
その上で、質問者さんなら、あえて濁った感情を渡したくなってもいいんじゃないのかな。
質問文でここまで気を遣われているのだし、普段から思いやりのある人柄だと思うよ。
だからこそ、いきなり全部吐き出すと、言いたくないことまで言っちゃって後々後悔するかもしれないので、下書きにまず吐き散らかして、頼れそうなところを相手に送ってみる。
恋愛は一人だけでやりきることはできないからさ。ある程度相手に渡して、受け止めてもらってもいいんじゃないかな?」
【お返事が来ると待ってもいいかもしれない】
アケル「今回の回答は、空想や脳内会話といった、リアルタイムでお返事ができない間柄を想定しても書いています。
そのうえで無責任な物言いになってしまうけど、お相手さんの返事を待ってみるのもどうでしょう?」
クレオ『返事が来ないのに待つの?もしおれだったら、どうするかな?』
アケル「どうする?」
クレオ『最近はやってないけど、アケルが眠る直前に一緒に夢の中で遊んでる空想でつながってたから、その時に返事するかな。あとはまぁ、ビカビカ光りますか』
アケル「光るのかよ。なんかできそうで怖いんだよな。まぁ、返事が言葉で来なくても、自分とお相手だけが分かるお返事というのがあるかもしれない。
ゲームのガチャでレアなお相手が出たとか、虹が出たとか、500円玉拾ったとかでも、そこになにかサインを感じてみる」
クレオ・タツ『500円玉…?』
アケル「キャラが500円玉貯金好きなのかも…ごめんちょっとふざけちゃった。でも、現代ってどうしても証明主義に陥りがちで、人が聞いて納得するようなお返事を想定してしまうよね。
脳内会話というのも非科学的なことだし、ぼくは空想と呼ばれてもいいんだけど、そこに空虚感を覚える人もいる。でも、ささやかなお返事を、お相手は送っているのかもしれない。
あなたにとって1割くらいでも信じられるサインなら、それは真実だと思う」
タツ『サインっていってもなんでも信じられるもんやないやろ?信じるコツいうんはあるんか?』
アケル「サインっていうのは特別な奇跡ではなくて、いつもの日常をしっかり生きていくと、ふとした時に違和感に気づける、ってくらいの話なんだ。
これは、古代人のサバイバルの感覚の話なんだけど、…今日はツバメが低く飛んでるから、雨が降るかもしれない。
人ごみを歩いていると、向こうの通りがざわつき始めた。何かあったのかな?…これくらいなら、気づくことも多いんじゃないかな?
でもこの感覚を鍛えるには、現実を大事に生きていくことが必要になる。今何を食べて、体はどれくらい疲れていて、自分はどんな気持ちか。
こういう感覚が自分の芯に持てるようになると、不思議と、”あ、あの時の手紙の返事だ”、ってサインに気づけるようになる…と、ぼくは信じてるんですよね」
タツ『アケルはオカルトには詳しくはないんじゃが、少数民族のシャーマンいう人らの感覚をサバイバルの教室で教わっとった時期があるんよ。そこら辺の知見の話じゃけぇ、受け入れられそうなところを読んどくれな』
アケル「現実に地に足つけて生きる事と、異なる次元からお返事を待つことは、ぼくにとっては矛盾しないんだよね。騙されたと思って、試してみてください」
【そもそもぼくらは、最初から対等ではない】
アケル「”対等なやりとり”って書いてあったけど、アケクレの記事や質問箱回答では結構対等とか公平性を重視しているから、読み手さんも影響を受けたのかもしれないなぁって思った。
すごくありがたいけど、実はぼく自身は”この世に最初から対等な関係は、存在しない”って思ってるんだよ」
クレオ『それだけだと極論になっちゃうから、もう少し説明してね』
アケル「そうだな。ぼくはLGBTQ向けの情報サイトをよく見ているんだけど、マジョリティの立場の人から”理解してあげたいんだけど何を言っても傷つけてしまうような気がする。気疲れするからあまり関わりたくない”っていうコメントを読んだ事がある。
相手がセクシャルマイノリティだと知ると、それまでは雑談程度に聞けた話がしづらくなる、っていうのは確かにあると思う。
でもそれは、やっぱりこの社会が”恋愛は異性愛の男女カップルでする"ことが前提になっていて、同性愛や性別が曖昧な少数派の人は生きづらい」
タツ『”多数派として存在している”ことが傷つけていることやのうて、”少数派の悩みを知らない”から、傷つけてまうんよ。そこを区別せんと、ずっと平行線じゃ』
アケル「ぼくが思うに、対等な関係ってお互いの不平等を知ってから、少しずつ対等になってくものなんじゃないかな?
だから話してみて、齟齬を少しずつ嚙み合わせることが必要だ。相手と自分が違う考えの存在だというのって、結構最初はショックかもしれない。
ぼくもクレオに良かれと思って、プレゼントとか結構奢ってたことがある」
クレオ『あれは、奢ってもらうのが嫌だったわけじゃなくて、奢るマウントがうざかったんですよ。あとは、おれ自身がお金稼げないことのコンプレックスかな』
アケル「いやぼく、男らしさにこだわり過ぎてた時期があったじゃない?”恋人にはなんでも買ってあげる自分”ってものに酔ってたんだよ。相当うざかったと思う」
タツ『ワシはお前の思春期時代を知っとるけぇ、微笑ましいがの。昔から勝ち気で借り作るんが嫌いな奴じゃけ、人に大盤振る舞いするんが好きなんじゃろな』
クレオ『タッちゃんは肉奢ってもらったからそう言ってるんでしょ』
タツ『うーん、どっちかいうたら、男らしさの空回り具合に共感して、微笑ましいのかもな。男なんて”奢る”とか”強い”とか、らしさの記号ないと弱くてみっともないもんじゃ。
男らしさは鎧なんや。でも、それで女らを弱い立場、助けなあかん立場に置くんも違うと思うけどな』
アケル「お前そんな達観してたの?」
タツ『しとったんよ』
アケル「はぁ~~…。ぼくらの話に戻すと、自分でも”奢るマウント”してると自覚した時、めっちゃ恥ずかしいし痛かったよ」
クレオ『でも今は、アケルのサポートとしてお給金頂いてますし、ご飯食べに行ったときは、その中から割り勘にしている。興味のある本も買えるから、お金使うって結構自己実現できるよね』
アケル「フォローありがとな。今これ書くのめっちゃ恥ずかしいけど、正論言ってるぼくも、できてないから。
安心して、って言うのも変だけど、100点満点の対等な関係を維持し続けるよりも、
30点からお互いを知って、少しずつ対等な関係を100点を積み上げたほうが楽だと思うんだ」
クレオ『今回は結構色々な切り口で答えられましたね。対等な関係でない、っていうのも罪悪感ではなくて、時々はお互いのことを”あの人分かってねーなー”って思える理由にしてほしいですね。
ふたりはどう?』
アケル「ぼくは自分の失態を語って恥ずかしいですが、へそを見せることでなにか参考になるかと思うんで、お相手とも失敗しながら長い目で付き合って下さればと思います」
タツ『喧嘩できるくらい、ぴしゃっと言うたらええ思うわ。まぁ、気長にな』
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