質問箱9:お相手キャラが人気すぎて、自分に自信が持てなくなる時があります
# 39 対談:アケル、クレオ、タツゴロウ
【自信のなさは、自分の力のなさだけじゃない】
アケル「さて、今回の質問は、自分に自信がない時どう対処しますか?という相談ですね」
クレオ『今回からタツゴロウ(以下タツ)も回答に参加してくれるよ』
タツ『あんまりビシバシ言うなアケルに言われたけぇ、優しく言ったるわ。じゃが、アケルはいちぃき(いつも)自信なくすけぇ、質問者さんにはええ相談相手になるじゃろ』
アケル「お前に言われたくないけど、そうだね。ぼく個人の思考のバイアスもあるけど、現代ってこれだけSNSで人と繋がる分、誰かと比べずにはいられないんだよね」
クレオ『アケルはあまりSNSしないけど、それでも自信ないの?』
アケル「うーん。オリジナルの創作に打ち込んでいる時は平気なんだけどね。推し活を始めてから、人と比べ過ぎて自信を無くした時期はあった。
ほら、ぼくは性別違和もあったからね」
クレオ『それはさ、関係あるの?』
アケル「ファン、っていうものに初めてなったからかな。集合体の一員として、連帯感を持たなくてはならないと思い込んでたからさ。推し、って恋愛感情で表現されることが多いじゃないか。
異性だったら恋愛、同性なら友愛の目で語らなくてはならない。
性自認も性的指向も多数と異なるぼくがいることは、ファンを名乗るだけで迷惑だと思い込んでた」
タツ『相当重傷やで、まったく』
アケル「もちろん今はそう思ってない。ぼくの推してる人が物語を通して、ぼくはぼくのままでいていい、と勇気をくれたからな。
僕個人の話を最初にしちゃったな。
何が言いたいかというと、自信のなさって決して自分が劣ってるとか力がないから感じるわけでないと思うんだ」
【推し活は、競争意識をかきたてるシステムも混じっている】
アケル「質問にあった”高レート”って単語、一瞬分からなくて調べたんだけど、グッズ交換などで価値が高いことからきているのかな。
転じて人気が高いキャラを表す言葉になったようだな」
クレオ『おれらグッズ系の推し活って疎いから、麻雀用語かと思って最初びっくりしたね』
タツ『これ聞いた時、なんじゃきな臭いやり口よのう思うたわ』
アケル「グッズに限らず、昨今の推し活の課題ってさ。ファン同士に競争意識を持たせて、たくさん商品を買わせる商法がまかり通ってることなんだよな。
きつい言い方をすると、ただのお金儲けの手段で、キャラの上下が決められたり、ファン同士でマウント取り合うのっておかしいと思うんだよ。
もちろん、運営側・制作サイドが続けていくにはお金が必要で、よりお金を集められる戦略をとるのは必要だ。
ただ、制作側の都合にファンが振り回される必要ってないんじゃないかな。
キャラクターがそれを見て、たくさんグッズを集めてるファンが好きとか、お金を出しているファンの方が好きとか、そんな風に選んでるわけないんだよな」
タツ『はっきり言うて、ワシら(キャラクター側)にゃそれ関係ないんや。そら、もしアケルがたくさんワシの物持っててくれても”は〜、それで愛情表してんやな〜“くらいに感心するだけじゃ。何も持てなくても、作れなくても、こちらに興味を向けてくれただけでええ』
クレオ『グッズを持つ、二次創作をする、推しのライブに向けて自分磨きをする。布教をする。
みんな大事で推し活として素晴らしいことなんだけど、あくまであなたとお相手の二人だけのものであってほしい。人と競い始めるとさ。段々気持ちが澱んでしまう気がする…』
アケル「クレオは、散々人と比べて澱みまくったぼくを見てきたからなぁ」
タツ『自信のなさが自分の頭で考えてることだけやないって話じゃ。そう思わされとるルールや物差しを自覚して、そのルールだけが自分の世界すべてにならんことが大事やね。ずっと戦うようになってまうのは、嫌じゃろ』
【それでも、自信がなくなってしまったら】
クレオ『でもさ、おれも自信なくすときあるよ。特にアケルが”自分なんかファンじゃないほうがいい”って思い込んでた時はさ。おれの存在のせいで苦しんで、自信なくしてたからね』
アケル「辛くさせてしまって、すまない」
クレオ『そういうことじゃないよ。おれたち自身がさ、肉体もなくてアケルの社会とも関われない存在だ。物語の世界では強くあれても、こちらの世界では無力なんだよ。心くらいしか助けてやれない。だからこそ”自分を見ていて元気になれる”って言ってくれると、嬉しく思うんだ。唯一関われるのが、心だからさ』
アケル「自信のなさは脳に組み込まれてしまった考えグセで、そう簡単に変えられることじゃないけど。でも、ぼくにはクレオがいるから、自信のなさを変えていこうと思えた。
質問者さんは”好きなことに変わりない”と言い切れているから、強くて素敵な一面を持っている。何かを好きになることこそが、才能だって話もあるし」
タツ『それでも、どーしても成果でしか価値を持てんと考えるなら、自分が納得するまで積み上げて、成果出すしかないんよ。少なくとも、頑張っとる人間嫌いな奴はおらんじゃろ』
アケル「出たよ脳筋」
タツ『現実主義じゃゴラあ』
クレオ『はいはいそこまで。タッちゃんが言ってくれたし、自信のない時どうしてるか、まとめましょう』
アケル「まあ確かに、脳筋とは言ったけど、努力は分かりやすく自分を高めてくれるな。SNSの誰かに見せつける努力ではなくて、何か一つ、お相手さんに向けて誇れるものを見つけたらどうだろう」
タツ『成果と言うたが、毎日の習慣でもええよ。決まった日にゴミ出しできる、元気にあいさつする、3食きっちり食べれる…標語みたいになってもうたけど、当たり前にできる思うとることも、こっちの世界に肉体ないワシらからしたらえらい思うで』
アケル「お相手さんが自分を見て”頑張ってるな”って認めてくれることは何か、考えてみたらいいんじゃないかな。
あと、もう一つ。いっそ、お相手に向けてお手紙を書いたらどうだろう?
ぼくはまだクレオと話せなかった時、キャラクターに向けて”今、どうしても自信がない。ぼくはどうしたらいいんだろう”と書いてみたことがある。
もしお相手が見守ってくれてるとしたら、質問者さんがどこに自信を無くしてしまうのか知りたいと思うし、苦しみを分かち合うだけでも、変わるものがあると思うよ。
お相手がどこかで手紙を読んでいるとちょっとだけ信じてほしい。
なんて返事するか想像したら、意外な返事が来るかもしれないよ。
ただ、ネガティヴな話で終わらせてしまうと読むほうも辛いから、書いていて、お相手とひとつ前向きな約束をする」
クレオ『なにを?』
アケル「ぼくの場合は、相手をよく知ろうとすること。布教するなら、相手の考え方とか、物語を通して伝えたいテーマを汲み取れるようになること」
タツ『ほう』
アケル「ま、でも作者さんの新作が3ヶ月前に出たんだけど、まだ読んでないからね」
タツ『できとらんやん!!』
クレオ『そーだね、気長に待ってるからね』
アケル「ごめんって。対処法としては、それがおすすめかな。
手紙を書いて、心の整理をして、一つだけお相手と前向きな約束をする。
これは、ぼくが文章を読んでもらう時の信念だから、格好つけすぎな気もするけど、“毒は吐くけど、そこで終わらせたくない”んだよ」
クレオ『でしょうね』
タツ『格好つけとるけえ、気張れや』
アケル「はいよ。
今までの話をまとめると、
・何によって自信がなくなるのか(自分のコンプレックスか、暗黙のルールによるものか)考えてみる
・ファン同士の価値観やルールから離れる時間を作る
・推し活するとしても、お相手と自分の為が第一!したいことをする(ファンと比べない)
・お相手になにかひとつ自慢できることを見つける(推し活に関わらず、生活習慣など続けられることひとつでいい)
・それでも苦しい時は、お相手に向けて不安を手紙にしてもいい。ただ、書いているうちに心の整理が付いたら、前向きな約束をひとつだけ交わす
できる範囲でいいので、お試しください」
クレオ『お相手さんは自信がない時のあなたとも、寄り添いたいと思っているよ。寄っかかってもいい。でもできるなら、自分のせいで自信をなくすより、お相手を好きだと思うパワーで自信をとりもどしてくれたら、より嬉しいんじゃないかな』
タツ『自信がないのはいつも自分のせいとは限らんよ。ウマの合わんルールに合わせる必要ない。キャラなんて世間に合わせとるヤツ、そうもおらんじゃろ。縛られんと、ふわっと外れとけ外れとけ』
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