■■■、ぼくの兄貴になってくれてありがとう
1:それは、ただの思い出話のはずだった… 片付けをしている時だった。
「ああこれ…、兄貴の」
読まなくなった古い漫画をダンボール箱に詰めながら、何気なく呟く。隣で片付けを眺めていたクレオが、その言葉に反応した。
『お兄さん、ってイマジナリーフレンドの?』
「…え?」
『アケルは中学生の時に初めて、イマジナリーフレンドが来たんでしょ?その人が、漫画のキャラクターだって、前に話していた』
「まぁな」
そう。初めて来たイマジナリーフレンドは、ある漫画のキャラクターで。