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音楽との距離が変わっていく実感
その音楽に出会った瞬間はすぐ隣にいてくれたような気がした。いつのまにか私が辿り着けない遥か向こうまで飛んでいってしまったような感覚になる。はじめから距離などなくて音楽はただ聴きたい時に聴ける場所にいるのに そんな風に感じてしまう自分はいかにも な人間なのかもしれない。きっとこれからも自分の心との距離が近いと思える音楽になかなか出会えないだろう。この何億曲もあふれる音楽の中からきみを見つけるのは現代では容易いが、それでも奇跡的で儚い。歳を重ねるから距離が変わるのか自分の好みの変化によるものなのか、それとも人気度に伴っているのか。原因は様々でどうしたって〝寂しい〟その感情に対して自分の中の粗品は「そんなんどうでもいいねん!いちいち気持ち悪いねん!」と叫んでいる。もう片方の天使はこのモヤモヤとした気持ちを繊細な感情として大事にしてくれている。どこかでわたしが聴かなくなった音楽に熱狂している人がいる。いつかわたしは誰かが愛した音楽に出会い熱狂する。その繰り返しなんだ。結局、昔好きだった音楽のことをいろんな角度から想い続けているのだからこれは正真正銘の愛ではないか。ただのリスナーに音楽やアーティストとの物理的距離などはない。きっとその音楽に救われたかどうかという事実だけかもしれない。
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