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香りつきの絵姿をいただいて

お父さんの転勤で4月から遠くの学校へ転校してしまった小学生の姉弟が、うちの学校の行事に合わせて、一週間だけ帰ってきてくれました。

「公立の学校ってどんな感じ?」「どっちの学校の方がいい?」「先生はやさしい?」「いま何を習っているの?」

子どもたちから質問攻めにあいつつも、すぐに以前のわちゃわちゃした姿に戻りました。授業にも、畑仕事にも、しっかり参加。遊びにきた「お客さん」ではなくて、ごく自然にみんなの中で過ごしていたのが、うれしかったです。

ちなみに、彼らの引越し先は、九州のとある「おんせん県」

わたしは地元が近いので、それだけでもすごく親近感を覚えるのですが、実は、今の仕事に就く直前に住み込みで働いていた先が、まさにその「おんせん県」なのでした。

「大神ファーム行った?」「温泉入れた?」「地獄めぐりした?」「地獄蒸しプリン食べた?」

さきほどの子どもたちばりに、質問攻めをするわたし。その姉弟も、ローカルトークが通じる嬉しさからか、新しい暮らしのことをのびのびと語ってくれました。

家の前には田んぼが広がっていること。庭に梅の木が生えていて、梅ジュースをつくっていること。海も近くて、家から港が見えること。

転校先はマンモス校で、全校生徒が849人もいること。(こちとら全校で22人!)体力測定でシャトルランをしたこと。給食でよくおかわりをすること。

授業でわり算を習っていること。校庭でドッジボールをしていると、いつも上級生に割り込まれて迷惑なこと。

休みの日は、家族で温泉巡りをしていること。県外の水源地や、牧場にも連れて行ってもらったこと。

学校の様子から九州の景色まで、とにかく身に覚えのあるフレーズと、空気と、匂いがたくさん立ち込めてきます。おかげさまで、自分の子ども時代のことまで、懐かしく思い出すことができました。

あの頃に帰りたいなんてあまり思わない方ですが、自分も結構、学校の先生や家族に、九州の自然に、なかなか「よく」してもらっていたんだな〜と今だからわかります。

あー、また「おんせん県」に行きたい!

絵姿を「香りつき」で届けられると、何だか意欲が焚き付けられる。彼らの土産話を通じて、改めて語りの持つ力がわかりました。

香りつきで届けるために大事なのは、やはり熱(あたたかさ)です。自分の中にいきいきと再生されているその像を、目の前の人と分かち合いたいという気持ち。

この気づきを肥やしにして、明日からも授業を頑張りまーす。

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