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新学期と新生活がはじまりました。働く・遊ぶ・学ぶ、ぜんぶ集まって「わたし」

福岡から東京に拠点を移し、アシスタントとして授業に参加する生活がはじまりました。

初日は、みんなにお土産を持って行きました。

「ホンモノ」志向なこの学校の人たちに、どんなお土産を持っていけばいいんだろう。「通りもん」はなんか違う気がするぞ・・・と悩んでいたところ、母が秋月まで連れて行ってくれることになりました。

秋月は福岡県朝倉市にある地域です。筑前の小京都と言われていて、戦国〜明治頃まで城下町として賑わっていました。お城の跡や昔ながらの建造物、お寺、桜並木や紅葉など、見所がたくさん。ちょっと足を伸ばせば、温泉も近くにあります。(福岡にお越しの際は、ぜひ!)

そんな秋月ですが、日本でも有数の本葛(くず粉)の産地でもあります。100%天然・純国産。江戸幕府への献上品。皇室御用達。漢方薬としても使われるほど、体によいものです。

というわけで、くず湯をお土産に選んでみました。

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ちょっと子どもたちには渋すぎるかな〜?と思いましたが、みんなすっかり喜んでくれました!

「お湯を入れてかき混ぜたら透明になったけど、また白いところが出てきたよ。だから、もう一回混ぜたらきれいになった。」

「ぼくのはね、お湯を入れてぐるぐる混ぜたら抹茶の緑色になってびっくりしたよ。お菓子みたいに甘かった。」

次の日には感想を教えてくれました。面白い体験になったようで何より。

担任の先生によると、ちょうど「くず湯」が出てくる俳句を授業で扱おうとしていたとのこと。なんというタイミング!「くず湯を飲んでくる」を宿題にしようかと思っていたそうで、偶然にもお土産選びは大成功に収まりました。

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そういえば、秋月の建造物や自然の中を散歩していると、こんなものを発見しました。

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土壁の作り方。手間暇がかかるんだなぁ。これは、「家づくり」の授業で使えるかもしれません!

ちなみに。「家づくりの授業」とは、シュタイナー教育で小学3年生になると行われる大きな授業のひとつです。なぜ3年生で?それには、こんな意図があります。

3年生になるまでの子どもたちは、「わたし」と「みんな」との一体感のなかで、夢を見るように暮らしてきました。ですが、3年生頃になると、少しずつ「わたし」と「みんな」との間に距離(区別)ができはじめ、「わたし」という一人だけの世界があることに気づきはじめます。みんな、孤独や不安をおぼえる時期なのですが、勇気を持ってこの時期を乗り越えていくことで、「わたし」という新しい世界をはじめていくことができます。

そんな3年生の授業では、古事記や創世記のお話をよく聴きます。また、米づくりや家づくりを体験します。米作りでは、手足をつかって大地に働きかけ、自分の足で立つということを体験し、家づくりでは、土台・壁・屋根をつくっていく過程で、自分が守られる空間を自分の手でつくる体験をしていくのです。これまでとは違う「世界との関わり方」を手にしていくのですね。

わたしが3年生を受け持つのはまだ先のことになりそうですが、いつかこの「土壁メモ」を活用したいと思います。

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毎日のことに向き合っていると、そこに、未来の授業づくりに関わるものが何かしら見つかっていきます。働く・遊ぶ・学ぶ、この3つがうまく響き合う。そんな生活を送れることに感謝します。


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