見出し画像

AI時代の戦略デザイン「ダブルハーベスト」最初のキーポイントをクイック解説!

2021年4月に、弊社・シナモンAIの共同創業者であり、執行役員フューチャリストの堀田創が、IT批評家の尾原和啓氏とともに、「ダブルハーベスト 勝ち続ける仕組みをつくるAI時代の戦略デザイン」を出版しました。

本書は、各業界のトップランナーからも絶賛されています。AIの技術によった専門書ではなく、AIの技術の話は触れず、「戦略ストーリー」としてのAIを学んでいただける内容となっています。

冨山和彦氏(経営共創基盤グループ会長)
「『狩猟型』から『収穫型』へ。日本企業のDXに欠かせない発想転換の書」
安宅和人氏(慶應義塾大学SFC教授・ヤフーCSO)
「AI×データの第2フェーズ──そこを駆け抜ける道筋がここにある」
新浪剛史氏(サントリーホールディングス 代表取締役社長)
「AIは『戦略デザイン』の時代へ。『真のDX』への必読書」
夏野 剛氏(ドワンゴ 代表取締役社長・慶應義塾大学 特別招聘教授)
「業務の中に生態系のようにAIを埋め込んでいくことが大切。本書はその本質を捉えている」
入山章栄氏(早稲田大学大学院経営管理研究科 教授)
「まさにすべての経営者に読んでほしい、AI×ビジネスを体系化しきった実践本だ!」

シナモンAIでは、「ダブルハーベスト」の内容に基づいた企業のAI戦略を策定していくワークショップを提供しています。今日は、本書の内容とともに、ワークショップでもお伝えしている要点について、少しご紹介をしたいと思います。

「ダブルハーベスト」は勝ち続ける仕組みをつくるための戦略デザインです。データを継続的に育てて収穫する仕組みをつくり、AIを指数関数的に強化させていくことがポイントです。

ハーベストループ

AIが実現する5つのエンドバリュー

画像3

世の中にたくさんあるAIのユースケースを分解していくと、AIが発揮してる価値は5つのパターンに集約できます。AIの導入を考えていく際に、AIの技術や機能について考える前に、AIを使うと何ができるのか、結局どんな価値を実現できるのか(どんなバリューを提供するのか)を考えることが大切です。

このエンドバリューによって、どんな顧客体験が強化されていくのか。このポイントをしっかりとデザインすることによって、その強化された顧客体験が新たな顧客をもたらし、その顧客や顧客の行動がより多くのデータをもたらします。これがAIを持続的に強化するループを生んでいくわけです。

突き詰めたUnique Value Propositionとパーパス

画像3

Unique Value Proposition とは、顧客に提供する独自の価値のことを意味しています。企業の競合優位とはこのUVPを突き詰めた先に存在します。ハーベストループでは、データ収穫サイクルがまわることにより、AIが提供するエンドバリューや顧客体験が極限まで高まることをデザインしています。

UVPをデザインするときに「極めると思考」を上手く使うのがオススメです。UVPがAIによって究極的に高められている状態のとき、その提供価値が競争優位性まで高められているかを確認するのです。

また、この高められたUVPが、企業のパーパス(Purpose)と一致していることが重要です。パーパスがあれば、その手段としてこういうふうにAIを使いましょうというアイデアがたくさん出ててきます。けれども、パーパスがないと、AIについて考えることがすごく難しくなってしまいます。未来やパーパスへの共感・腹落ち度と、AIの戦略デザインというのはワンセットなんです。

*パーパスについては、早稲田大学ビジネススクール 入山教授との対談記事をご覧ください。

パーパスをKPIに落とし込む

パーパスはKPIに落とし込む必要があります。言い換えると、KPIに落とし込めるパーパスが良いパーパスです。例えば、最近、流行のフードデリバリーサービスのパーパスは「おいしいご飯を早く届ける」かもしれません。そうすると、「早く届ける」が1つのKPIになるはずです。

いま、携帯アプリのフードデリバリーサービスで注文をすると、だいたい30~40分くらいでおいしい料理が届きます。でも、本当は、お腹が空いてる時には、「今すぐ食べたい!」と思いませんか?食べたいメニューがあったときに、40~60分待ちで、「そんなに待つなら他のものにしよう」と違うメニューを選んだ経験もあるかもしれません。

例えば、フードデリバリーサービスの究極系は、注文したら30秒で届くことです。お腹が空いた時に、アプリで注文したら、30秒で届く。そんなサービスがあったらすぐに使いたい!と思うのではないでしょうか。膨大なユーザーと注文データをもとに高度な予測モデルを作れば、実現可能な世界です。なぜなら、アマゾンの当日配送などは、その世界の数歩手間まで来ているからです。

いかがでしたでしょうか。読めば当たり前の内容とも思われるかもしれませんが、私たちがワークショップを通じて、一緒にハーベストループを描いていく中で、「言うは易く行うは難し」ということを良く見かけます。AIを開発するには多くの予算が必要になりますが、ハーベストループを描くことに投資は必要ありません。みなさんのビジネスでも、ぜひハーベストループを描いて、「勝ち続ける仕組み」をつくっていただけたらと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?