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益軒十訓

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国立国会図書館デジタルコレクション 家訓    貞享四年  1687 君子訓   元祿十六年 1703 大和俗訓  寶永五年  1708 樂訓    寶永七年  1710 和俗…
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2024年6月の記事一覧

文武訓 武訓下

一  兵を司る人は、大将も有司も兵法を知るべし。 兵法は武藝を云うには非ず、軍の道を知るを…

文武訓 武訓上

一  武に本末あり。 忠孝義勇は、兵法の本なり。 武徳なり。 節制謀略は兵法なり。 節制とは…

養生訓 巻第八 鍼 灸治

鍼 一  鍼をさす事はいかん。 曰くく、鍼をさすは、血氣の滞をめぐらし、腹中の積をちらし、…

養生訓 巻第八 育幼

一  小児をそだつるは、三分の飢と寒とを存すべしと、古人いえり。 いう意は、小児はすこし、…

養生訓 巻第八 養老

一  人の子となりては、其の親を養う道をしらずんばあるべからず。 其の心を楽しましめ、其の…

養生訓 巻第七 用薬

一  人身、病なき事あたはず。 病あれば、医をまねきて治を求む。 医に上中下の三品あり。 上…

養生訓 巻第六 擇醫

一  保養の道は、みづから病を慎しむのみならず、又、医をよくえらぶべし。 天下にもかえがたき父母の身、わが身を以て庸医の手にゆだぬるは、あやうし。 医の良拙をしらずして、父母、子孫、病する時に、庸医にゆだぬるは、不孝不慈に比す。 おやに、つかうる者も、亦、医をしらずんばあるべからず、といえる、程子の言、うべなり。 医をえらぶには、わが身、医療に達せずとも、医術の大意をしれらば、医の好否をしるべし。 たとえば書画を能せざる人も、筆法をならいしれば、書画の巧拙をしるが如し。 二

養生訓 巻第六 愼病

病を愼しむ 病は生死のかかる所、人身の大事なり。 聖人の愼しみ給う事、うべなるかな。 一 …

養生訓 巻第五 洗浴

一  湯浴は、しばしばすべからず。 温氣過ぎて、肌開け、汗出で、氣、ヘる。 古人、十日に一…

養生訓 巻第五 二便

一  飢えては、坐して小便し、飽きては、立ちて小便すべし。 二  二便は早く通じて去るべし…

養生訓 巻第五 五官

一  心は人身の主君なり。 故に天君と云う。 思う事を司る。 耳目口鼻形、形は頭身と手足なり…

養生訓 巻第四 色慾を慎む

一  素問に、腎は五臓の本といえり。 然らば養生の道、腎を養う事をおもんずべし。 腎を養う…

養生訓 巻第四 飲茶、烟草附

飲茶 一  茶、上代はなし。 中世、もろこしよりわたる。 其の後、玩賞して、日用かくべから…

養生訓 巻第四 飲酒

一  酒は天の美禄なり。 少し飲めば陽氣を助け、血氣をやわらげ、食氣をめぐらし、愁を去り、興を發して、甚だ人に益あり。 多く飲めば、又、よく人を害する事、酒に過たる物なし。 水火の人をたすけて、又、よく人に災あるが如し。 邵尭夫の詩に、美酒飲教微醉後といえるは、酒を飲むの妙を得たりと、時珍いえり。 少し飲み、少し醉えるは、酒の禍なく、酒中の趣を得て楽多し。 人の病、酒によりて得るもの多し。 酒を多く飲んで、飯をすくなく食う人は、命短し。 かくの如く、多く飲めば、天の美禄を以て