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治療家のための”伝わる”英語勉強法  第2回 名詞を覚えよう

写真・文:斎藤大介(JAPANESE SPORTS MASSAGE) 


使える名詞

名詞とは簡単に言うと『物』の名前です。まずは何と言ってもこれを覚えないことには聞き取りは不可能ですし、伝えるのも困難なので会話になりません。
逆に言うと物の名前さえ覚えていれば、あとはボディランゲージや表情など、その他の要素で何とか伝わる可能性があります。たとえば、英語で道を聞かれたときに「この先にある信号を右に曲がったところです」と伝えたいのに、「信号(Signal, Traffic light)」や「交差点(Intersection, Crossroads)」という単語を知らなかったり、目印となる建物、「郵便局(Post office)」や「薬局(Pharmacy, Drug shop)」などがわからなければ、それを伝えるのはとても困難です。
受験で使うような難しい名詞を覚える必要はなく、まずは最初のステップとして、治療院や家の中にあるもの、そして外で目にしたあらゆるものを英語で言えるか隅々までチェックしてみてください。意外と簡単なようですが、やってみるとわからない物の名前が多くあると思います。すこし例を挙げてみましょう。

治療院内
鍼(Acupuncture, Needle)、枕(Pillow)、消毒液(Antiseptic solution)、トイレ(Rest room, Bath room)

家の中
ゴミ箱(Garbage box, Rubbish bin)、玄関(Entrance)、お風呂場(Bath room)、冷蔵庫(Fridge, Refrigerator)、電子レンジ(Microwave)、洗濯機(Washing machine, Washer)、掃除機(Cleaner)
少し紛らわしいものとして、以下の①②があります。

これは注意

①アメリカ英語とイギリス英語で呼び方が違うことがある

ゴミ箱(米:Garbage box, 英:Rubbish bin)、ガソリンスタンド(米:Gas station, 英:Petro station)

※なおオーストラリアはイギリス英語に近いです。

②現地では全く通じない「和製英語」に要注意

サラリーマンやOL(Office worker)、アルバイト(Part time job)、ノートパソコン(Laptop computer)

以上のことがあるので、わかっていると思われる名詞でも必ずチェックしてみることをお勧めします。
また「専門的なものの名前」を覚える事も必須です。例を挙げてみます。


・医者(Doctor, Medical practitioner, General practitioner)
・内科医(Physician)
・外科医(Surgeon)
・理学療法士(Physical therapist)
・姿勢(Posture)
・カルテ(Clinical record, Medical record)
・ツボ(Acupuncture point)
・東洋医学(Oriental medicine, Eastern medicine)

さらに患者さんとのやり取りの中で必ず必要になってくるのが「身体の部位名」です。細かい筋肉や骨の名前はネイティブも知らないことがほとんどなので、覚える重要性は高くないと思いますが、代表的な「身体の部位名(一般用語)」、「内臓名」、「病名(内科、整形外科)」などは必須です。

パート1 第2回

斎藤大介氏が学ぶACADEMIQUE附属クリニックのカルテ



身体の部位
・腰背部(Lower back)
・上背部(Upper back)
・股関節(Hip joint)
・脊柱(Spine)
・鎖骨(Clavicle)
・肋骨(Rib)、など


内臓
・肝臓(Liver)
・腎臓(Kidney)
・肺(Lung)
・膵臓(Pancreas)、など


内科的疾患・一般的症状名
・心筋梗塞(Heart infarction)
・B型肝炎(Hepatitis B)
・ガン(Cancer)
・肺炎(Pneumonia)
・むくみ(Edema)
・便秘(Constipation)
・めまい(Dizziness)
・花粉症(Hay fever)
・風邪(Cold)
・骨粗鬆症(Osteoporosis)、など


整形外科的疾患
・骨折(Fractures)
・脱臼(Dislocation)
・捻挫(Sprain)
・打撲(Bruise)、など


おすすめ暗記法

私のおすすめの勉強法は、上記にあげたような名詞のリストを作成し、繰り返し暗記することです。リストが増えるにつれて身の回りの物でわからない言葉が少なくなり、最初の頃に書いた単語はとても簡単に感じます。
また同じように、普段の会話の中で使った言葉、患者さんが言った言葉を英語なら何と言うのかを考える習慣をつけ、わからなかった単語があったらすぐにメモしておき、リストに随時追加していくことをおすすめします。普段良く使う言葉なので、繰り返しやっていくとすごく身につくのが実感できると思います。


私は2年経った今でもこの習慣を続けているので、わからない言葉がかなり減りました。英語は筋力トレーニングと同じで、ある程度の負荷(新しい情報)を継続してかけていくことがとても大事です。
この作業はとても地味ですが、これがある程度できてくると次からのステップがスムーズになります。まずは2週間、実践してみてください!!

【今回の便利表現】

前回は挨拶の基本である『How are you ?』以外のいろいろなバリエーションを紹介させていただきました。学校で習う基本的な返答は『I’m fine, Thank you.And you?』ですが、実際にこのような使い方はほとんど聞いたことがありません。
私は職業柄、毎日多くの人と会うので、How are youのやりとりを1日100回以上することもありますが、非常にさまざまなパターンがあるので紹介させていただきます。

※返答例
・I’m good(調子良いよ)
・I’m pretty good(すごく良いよ)
・I’m great (最高だよ)
・I’m all right(まぁまぁだね)
・Not bad(悪くないよ)
・I’m tired(疲れています)
・I’m not feeling well(あまり調子がよくない)
・I’m a bit under the weather(少し体調が悪いです)
・I’m in bad shape(とても体調が悪いです)
・I caught a cold(風邪をひいています)
・I have a fever(熱があります)
・I have a head ache(頭痛があります)
・I feel dizzy(めまいがします)


基本的にネイティブは『I‘m』を省略することが多く、『I’m good』だったら、シンプルに『good』という人が多いです。また日本の学校でよく習う『So so』は、『まぁまぁ』という意味ですが、どちらかと言うと後ろ向きな意味で使われるので、あまり頻繁には使わないですし、ほとんど聞くこともありません。


※聞き返し例
・And you?
・How about you?
・You?
・Yourself?


これらは全て『あなたはどう?』という意味で多く使われます。他にも『How are you?』と聞き返すパターンも非常に多く使われますので、いろんなパターンを覚えておくと良いでしょう。


※2016年5月17日にシアナサイトで掲載された記事を転載しています

パート1用

斎藤大介(さいとう・だいすけ)
1985年、群馬県生まれ。高校卒業後、柔道整復師、鍼灸師、あん摩指圧マッサージ師の資格を取得。2010年、ファイテン株式会社に入社し、企業のトレーナーとしてプロ野球選手、プロゴルファー、ビーチバレー、大学駅伝などの選手を担当。2014年に独立し渡豪。ゴルフの名門AnKゴルフアカデミーの専属トレーナーとして活動しながら、2015年8月にJAPANESE SPORTS MASSAGEをオーストラリア・ゴールドコーストに開業。プロゴルファーを中心に、水泳オリンピック選手、野球・ソフトボールオーストラリア代表などのアスリートや一般の方まで幅広く施術している。


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