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赤と黒(スタンダール)

 赤と黒を読み終えてすぐ、北日本文学賞に出す小説の執筆に取り掛かったので、読書感想文を書く旬な時期を逃してしましました。なので、簡潔に。面白かった!次へ次へとどんどんページを捲りたくなった!!

 それにしてもジュリヤンは持つ負のパワーはすごい!関わり合う全ての人が不幸になっていくのは、それだけジュリヤンに魅力があるからなんだろうな。

(※ここから超ネタバレ)
 一番印象に残っているシーンは、洞窟。物語前半でジュリヤンがこの洞窟で一泊するんだけど、そこで彼は自分の進むべき道をはっきりと自覚するんだよね。「ああ!あきらかにここが物語のターニングポイントだな!」っていうくらい分かりやすいシーン。そのなんだか希望に満ち溢れた空気感が印象に残ってたんだけど、まさかその洞窟がジュリヤンのお墓になるとは夢にも思わんかった。「再生と死」、両方を感じる場所だった。

題名の「赤と黒」。神職のときに着る黒い服と騎兵隊(だったかな?)の時に着る赤い服。ってのは間違った解釈らしい。諸説あるみたいだけど、俺は、「赤と黒=情熱と冷酷」かなと思った。誰しも二つの感情を持っている。とりわけジュリヤンはその落差が大きい。赤と黒は躁と鬱と言い換えれる。
ちなみに、赤は、昼間は明るい色のように見えるけど、夜になると完全に闇と同化する。つまりジュリヤンは、闇の中ではまっくろくろすけになるってこと。

いやあ、それにしても本当に面白かった。パルムの僧院も、できれば年内に読みたい!

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