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「ロビンソン・クルーソー」読書感想文

著者

ダニエル・デフォー(1660~1731)
5月29日読み始め6月4日読了。

訳者

鈴木恵

あらすじ

 波乱に満ちあふれ過ぎた男、ロビンソン・クルーソーの物語。

印象に残った人物

 蛮人のフライデー。ロビンソンに命を救われたことに多大なる感謝の意を示し、生涯ロビンソンのために生きることを誓い、事実そうした。「白鯨」のクィークェグに似た立ち位置で、驚異の身体能力をたびたび披露して、物語に特殊な躍動感を与えている。

感想

 ロビンソン・クルーソーが無人島で生活するという内容は知っていたが、そこに至るまでもまたハチャメチャな経験をしていることを初めて知った。
 船乗りを目指すも、初航海でいきなり船が沈むような嵐にあい、再び別の船に乗船するも、ムーア人(ドン・キホーテにおけるモーロ人)の海賊に捕まり奴隷に。奴隷として主人の信頼を得たところで、船をかっぱらって脱走。ポルトガル船に助けられブラジルへ。農園主として成功し、黒人奴隷を買い付けるためにアフリカへ渡る途中で嵐にあい、一人だけ無人島にたどり着いた。さあ、そしていよいよ無人島での暮らしが始まる・・・といった感じ。

 タイトルが有名すぎて、なんとなく知ったつもりになっていたせいで、なかなか読む気にならなかったけど、いざ読んでみると本当に面白い。章が変わるごとに、「おっもっしっれーーー!」とスタッカート&フォルティッシモで独り言ちるほど面白かった。
 無人島生活で困難にぶつかるたびに、思い悩み、くじけ、時に涙を流したりもするけれど、必ず奮起して、考え、行動し、そして問題を解決していく。そこにはさまざまな人生訓が散りばめられており、単なる「無人島に流れ着いた男のひとり語り」ではなく、一流の人生指南の書、または思想書、もっと言えば哲学書にさえなっている。文章もとても読みやすいので、中学生くらいでこの本に巡り合ったりしたら簡単に感化され、一流の風来坊になること間違いなし。

 ロビンソンは27年目にしてようやくイギリス船に救助され、万々歳! と思いきや、祖国イングランドに帰るまでもまた一苦労もふた苦労もする。さらに、物語には続編もあって、そこでも大冒険を繰り広げるというから、ロビンソン・クルーソーの精力のすさまじさに、ただただ恐れ入るばかり。
 何度も言うけど、本当に面白い! 世界的名作として、現在まで語り続けられている理由がよく分かった。

 ちなみにこの「ロビンソン・クルーソー」は、ダニエル・デフォーが59歳の時に出版されて小説家として大成功を収めたらしい。俺も負けてられん! と強く思った。

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