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エーザイ(株) 従来の取り組みの遅滞に懸念

治療薬開発と遠隔医療の今

わずか3年で治療薬の提供開始
 人類は、治療薬やワクチンの研究開発への絶え間ない努力によって、感染症の脅威から幾度となく守られてきた。このため新型コロナウイルスが猛威を振るう現在も、急ピッチで進められる研究開発の動向を世界が注視している。

 一方、顧みられない熱帯病(NTDs)など、開発途上国や新興国を中心に蔓延する感染症の新薬・ワクチン開発は、先進国での需要が少ないこともあり、遅れていた。それでも近年は、NTDs制圧への国際的な機運が高まりつつ
あり、2012年には「ロンドン宣言」が発表された。これは世界保健機関(WHO)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世界製薬大手13社、米国・英国政府、世界銀行、NTDsの蔓延国政府が過去最大の官民パートナーシップを構築
し、20年までにNTDs10疾患の制圧に向けて新薬開発や医薬品供給などを行っていくことを示した共同声明だ。この宣言には、日本の製薬大手企業エーザイ(株)も参画している。

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国際開発ジャーナル6月号での特集「コロナ危機が問う国際協力」で掲載した新型コロナ関連記事を抜粋したマガジンです。 保健医療を中心に国際協力…

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